犬がずっと同じ行動をする=「常同行動」
愛犬と過ごしていると、日ごろの生活の中で同じ行動をずっと繰り返し行っている場合がありませんか。同じ行動を繰り返しすることを「常同行動」または「常同障害」と呼び、犬の強迫性障害と言われています。
さまざまな犬種がある中で、もちろんどの犬種にも起こりえます。具体的にどのような行動が挙げられるのでしょうか。
こんな行動を繰り返していたら要注意!
- 自分のしっぽを追いかけまわす
- 前足をずっと舐めている
- 同じ場所を行ったり来たりする
- 空中に向かって噛むような仕草をする
- 一カ所をグルグルと回り続ける
上記のような行動を数十分も繰り返し行っている場合は、常同行動の主な症状と判断しても良いでしょう。常同行動を起こす主な原因は「ストレス」や「不安」からだと言われています。もちろんその中には病気からくる場合もありますので、勝手な判断はせず獣医師に診察してもらいましょう。
常同障害になる原因は?
先ほど記述した通り、常同障害を発症する原因はストレスや不安からだと言われています。気づかぬうちに愛犬にストレスを与えている可能性があり、そのSOSを常同行動で発信しているかもしれません。
では、具体的にどのようなことがストレスや不安となってしまうのでしょうか?
長期間のストレスがカギ
常同障害となる決定的な原因は未だに判明していないのが現実です。しかし、多くの研究によって何かしらのストレスを長期間与えられていることで、発症するというケースが報告されています。また、犬の場合は過度に自由を制限されたり、欲求不満などが原因になり得るようです。
具体的な例は下記の通りです。
- サークルやケージなどに長時間閉じ込めておく
- 長時間の留守番
- 何をしても叱る
このような状況が続くことで愛犬にストレスが溜まり、常同障害が引き起こされるようになります。愛犬が常同障害を引き起こしているかもしれないと思っても、無理にその行動を辞めさせるようなことは控えてください。無理やり止めることでさらにストレスを与えてしまう恐れがあります。犬が自ら辞めるまでそっとしておきましょう。
常同障害の治療法はあるの?
常同障害を引き起こしている場合は、精神的な疾患と判断される為、ドッグトレーナーではなく専門的な動物病院を探す必要があります。一般的な動物病院だとなかなか詳しい先生がいないのが現状で、専門外とされることがある為です。
常同障害の中には自傷行為を繰り返す症例もある為、少しでも「そうかな?」と感じた場合は専門の動物病院へ相談してみましょう。そこで治療方法を確認するのが一番ですが、すぐに病院が見つからないもしくは病院へ行けないといった場合、まずは愛犬の環境を見直すところから始めてください。
常同障害の主な原因はストレスや不安であるとご紹介したように、その原因となるストレスを取り除いて生活リズムを整えてあげる必要があります。
- サークルやケージに長時間閉じ込めない
- 運動不足にならないよう散歩を充実させる
- 毎日同じ時間帯に食事、散歩など生活リズムを整える
- 日光浴をさせる
- 遊びを取り入れる(この時に叱ったりしない)
上記のようなことを心がけることで、常同障害の予防になったり、症状自体が改善する場合があります。常同障害を放置しておくと、重症になったり、自傷行為による傷が悪化してしまいます。「またやってるな」と思うだけで対処しない飼い主さんが多いと言われています。同じ行動を数十分にもわたって繰り返したり、短い時間でも1時間の間に何度も繰り返すようであれば愛犬の常同障害を疑った方が良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。同じ行動を繰り返しする場合は「常同障害」を引き起こしている可能性があります。小さなサインでも見落とさずに、愛犬のSOSに気づいてあげましょう。その行動だけを辞めさせるのではなく、根本的な原因を取り除くことが重要です。