犬は忠実、猫は気まぐれ
犬と猫の性格の違いとしてよく取り上げられるのが、飼い主への忠誠心ではないでしょうか。忠誠心と表現してしまうとやや語弊があるかもしれませんが、すなわち、飼い主からの指示やしつけに素直に従うことかどうかという違いです。その中でよく使われるのが、犬は忠実で猫は気まぐれという表現ですよね。
違いは野生のころの生活の仕方
犬は常に忠実に飼い主に従いますが、猫は気まぐれにしか従ってくれません。これは、犬がもともとは集団捕食者であり、群れで生活したため、信頼できるリーダーに従うことで安心感を得る動物だからです。一方、猫は単独捕食者であったため、誰かに指示を受けるということに慣れていないからと考えられます。
犬は甘えん坊、猫はツンデレ
続いても飼い主との関わり方になります。犬はどんなときでも飼い主さんが大好きで、成犬になっても遊びをせがんだり、かまってほしいと訴えてきたりする甘えん坊です。一方、猫はというと、飼い主がかまいたいときでも、自分の気持ちが乗らなければ平気でそっぽを向いてしまいます。それなのに、自分が甘えたいときには甘い声で近づいてくる、いわゆる「ツンデレ」です。
違いはペットとしての歴史の長さ
この原因にはさまざまな理由が考えられていますが、1つが、犬と猫のペットとしての歴史の長さの違いです。猫が初めて人間と暮らし始めたのは、早くても7000年前と考えられていますが、犬は何と2倍の15000年も前から人間と暮らしていたといわれています。
そのため、猫が野生を残しているのに比べ、犬は「人間とより上手くやっていけるように」進化してきたのです。犬はオオカミが幼形成熟したものと言われます。幼形成熟とは、性的に成熟しても幼さを残していることです。犬はより人間に可愛がられるために、いつまでも子犬のような甘えん坊さを残して進化したのです。
性格には種類差や個体差がある
とはいえ、ここまでで述べたのは全て一般論です。「犬」「猫」と一括りにしても、実際には犬種・猫種によっても大きく違いがあります。
例えば、柴犬や秋田犬などの日本犬は、飼い主に忠実である一方であまりベタベタしすぎず、「猫のような犬」「ツンデレ」とよく表現されます。これは、日本犬がもともとは狩猟のパートナーとして、人間と一定の適度な距離を保って暮らしてきたからと考えられています。一方、キャバリアやパピヨンなど、王侯貴族のペットとして可愛がられてきた愛玩犬や、使役犬であっても人間とより距離が近かった洋犬種などは甘えん坊で人懐こく、一般的な「犬」の性格のイメージに近いとされます。
そして、更に言ってしまえば、犬種の中にも個体差があります。人間も「日本人だから」と一括りにされても、実際にはさまざまな性格の日本人がいるはずです。柴犬でも誰にでも懐こかったり、キャバリアでも警戒心が強かったり、そんなことは往々にあることなのです。テンプレートな犬の性格、犬種の性格に大きく期待しすぎるのはあまり良いこととは言えません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?犬と猫の性格は大きく違うため、昔から動物好きの間で「犬派」「猫派」論争が尽きないのかもしれませんね。ですが、もし犬や猫と家族として暮らす決意をしたら、どんな性格の子でも受け入れる覚悟をしなければならないのは同じです。その子の個性を受け入れ、愛してあげてくださいね。