犬と口づけするリスク①「胃ガン」
犬との口づけが胃ガンの原因となる可能性があります。健康診断を受けたことのある方は“ピロリ菌”という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。最近ではテレビ番組でも取り上げられていますよね。ピロリ菌は、胃炎や胃ガンと深く関係している菌です。
ピロリ菌には、「ヘイルマンニイ」という菌の仲間がいます。この菌は、犬や猫から多く検出されています。そのため、犬との口づけが原因となり、ヘイルマンニイに感染してしまう可能性があります。ヘイルマンニイが人間の体内から検出される確率は1%未満であるとされており、もし検出された場合、犬との口づけが感染源である可能性が高いと考えることができます。
犬と口づけするリスク②「トキソプラズマ症」
犬との口づけがトキソプラズマ症の原因となる可能性があります。トキソプラズマ症は、トキソプラズマという原虫によって引き起こされる感染症です。病原体に汚染された生肉を食べてしまったことで感染した例があります。
また、日本で暮らす犬の30%ほどに感染があった可能性があるとされており、感染している場合、犬の糞便には病原体が含まれています。犬がお尻周りを舐めてお手入れをしている姿を見たことがあるのではないでしょうか。
この時、犬の口の中にも病原体が入り込む可能性があります。もし、病原体を持った犬と口づけをしていたら、トキソプラズマ症に感染するかもしれません。妊娠中の女性が感染してしまった場合、胎児に先天性の病気を発症したり、流産の可能性もあるとされています。
犬と口づけするリスク③「コリネバクテリウム・ウルセランス症」
犬との口づけがコリネバクテリウム・ウルセランス症の原因となる可能性があります。犬がコリネバクテリウム・ウルセランス症に感染している場合、ほとんど症状はみられないようです。症状がみられる場合には、皮膚炎や粘膜の炎症などの症状がみられることがあります。
鼻水や涙でグズグズしている犬はいませんか?もしコリネバクテリウム・ウルセランス症に感染している場合、その犬との口づけは危険です。コリネバクテリウム・ウルセランス症に感染すると、心臓の神経や筋肉が毒素に侵されます。筋肉が麻痺してしまうことで、心不全を引き起こしたり、呼吸困難に陥ってしまうこともあります。
犬と口づけするリスク④「狂犬病」
犬との口づけが狂犬病の原因となる可能性があります。人間が狂犬病に感染した場合、その感染源のほとんどが犬であるとされています。狂犬病ウイルスを持つ犬に噛まれることで感染する、という認識があるのではないでしょうか。
しかし、犬と口づけをした際、犬の唾液から感染する可能性もゼロとは言えません。日本では1956年以降、狂犬病は発生していません。しかし、海外では多く発生しており、予防されていないことも多いそうです。
「コリネバクテリウム・ウルセランス症」による死亡事故が発生!
リスク③でご紹介したコリネバクテリウム・ウルセランス症ですが、病原体であるコリネバクテリウム・ウルセランス感染したことによる死亡事故が発生しています。2016年に野良猫の食事のお世話をしていた女性が感染し、呼吸困難を引き起こしたそうです。この女性は、野良猫と口づけをしたわけではないと思いますが、野良猫に食事を与える、という行為が感染した原因のようです。つまり、病原体を持った犬や猫と口づけをしていなくても感染する可能性があるということですよね。
まとめ
犬から人へと感染する病気には、身近には狂犬病がありますが、その他にもたくさんの感染症があります。この記事で初めて目にした感染症や病原体もあったのではないでしょか。“うちの愛犬は大丈夫”と軽視せず、犬との口づけにはリスクが伴う可能性がある、ということを知って欲しいです。