犬は本当に骨が好き?
犬の祖先であるオオカミは肉食です。群れを作り狩りを行う野生動物でしたが、人間と一緒に暮らし家畜化されることになり犬へと進化していきました。
多くの犬種が人間が行う狩りのパートナーである猟犬として活躍していました。捕らえた獲物の肉は人間が食べ、残った肉の部分と骨を犬が食べるようになったと言われています。犬はこの頃から肉食中心の雑食に変わっていったようです。
そしてこの時代から犬は骨を食べ続けているので、本能的に骨を求めているようです。
犬が骨をかじるのが好きなのはなぜ?
骨に残った肉の味を楽しんでいる
骨はもともと犬が大好きなお肉がたっぷりと付いていた物なので、お肉の匂いやエキスが残っています。優れた嗅覚を持ち匂いで食事を楽しむ犬にとっては、ほんのわずかな残り香も非常に魅力的なオヤツになります。
また骨の表面には靭帯や筋などの皮膜が残っていることもあるので、これを一生懸命食べようと頑張ってガジガジかじっているのです。
骨が歯に当たる刺激が心地よい
ご自宅の愛犬は硬いオモチャがお気に入りではありませんか?犬は歯に刺激を与えられるような、硬い物をかじる行為が大好きです。骨を好んでかじるのも、骨が歯に当たる感覚が気持ち良いと感じているからです。骨などの硬いものを噛むと口腔内の血行が促進されるため、マッサージのようなちょっとした疲労回復効果もあるのかもしれません。
骨髄の匂いが好き
骨髄とは骨の内側にある柔らかい組織で、血液を作り出す器官になります。犬が何度もガジガジかじり続けることで、犬が好む匂いが出てくるので長時間かじり続ける子もいますよね。人間の料理でも馴染みのある物で、鶏がらスープや豚骨スープは骨髄からでる旨味成分になります。
骨が犬に与える良い影響
口腔ケア
上手に歯磨きが出来るワンちゃんもいると思うのですが、多くの飼い主さんは愛犬の歯磨きに手こずっているのではないでしょうか。骨をかじることで、愛犬の口腔ケアに繋がると言われています。第一に硬い骨をかじることで歯や顎が丈夫になる効果が期待できます。
また骨をかじることで歯石や歯垢を取り除く効果も期待できるので、虫歯や歯周病の予防にもお勧めです。野生時代の犬達が歯磨きをしなくても歯が綺麗なのは、骨をかじっていたからではないかと考えられています。大好きな骨で口腔内の健康を保てるのであれば一石二鳥ですが、確実なものではないと思うので歯磨きのサポート的に考えましょう。
ストレス発散
もともと硬い物をかじるのが大好きな犬。おもいっきりかじることでストレス発散に繋がります。硬くて美味しい骨も犬にとっては欲求不満をぶつけられる、お気に入りのオモチャのひとつになっているようです。
栄養補給
肉や内臓がなくなって骨だけになってしまっても、骨に残された栄養素は非常に豊富です。かじって食べることで栄養補給にもなるのです。骨に含まれる栄養素はカルシウム以外にも脂肪やリン、たんぱく質などがあり、愛犬の骨の形成に役立ち、筋肉や内臓の健康を守ってくれます。
骨を与えるときの注意点
加熱していない骨を与える
加熱処理した骨はもろく裂けやすく、時には先が尖った状態に割れてしまうこともあります。この状態だと口の中や消化器官を傷つけてしまう恐れがあるため与えないほうが無難でしょう。
愛犬に合ったサイズの骨を与える
骨以外のオモチャもそうですが、愛犬の体の大きさに合ったサイズの骨を用意してあげましょう。丸ごと口の中に入ってしまうような小さなサイズだと、簡単に丸飲みしてしまう危険性が高くなります。また、大きすぎる骨も上手くかじることが出来ず、イライラしてしまう原因になりかねません。
与える量に注意する
骨をはじめ市販のサメの骨など骨系のオヤツは、適量以上に与えてしまうと愛犬の便秘の原因になると言われています。初めて与える際はごく少量にとどめ、毎日ウンチの状態を確認して愛犬に最適な量をみつけてあげましょう。骨系のオヤツをもともと与えているご家庭では、両方の量のバランス、栄養面、愛犬がどちらを好むかなど総合的に考えて与え方を決めてください。
まとめ
犬が骨をガジガジかじっている姿はなんとも微笑ましいですよね。栄養面や嗜好性、ストレス発散に口腔ケアと骨には良い面がたくさんあります。生の骨は近隣のスーパーで気軽に購入できる物ではないですが、楽天に犬用の牛や馬の骨が販売されていることがあるので気になる方はチェックしてみてください。