①吠えや噛みなど問題行動が増える
犬を可愛がりすぎて甘やかしてしまうことの悪影響として、犬の問題行動が増えるということが考えられます。何でも要求に応じ、犬の思う通りに飼い主が動いていると、犬はどんどんわがままになっていき、自分の思い通りにならないときには吠えたり噛んだりといった“強硬手段”に出るようになってしまいます。
また、可愛がりすぎてかまいすぎていると犬が飼い主に依存して、一人の時間を過ごせなくなってしまうということがあります。分離不安になり、少しの留守番でも強い不安を感じて家の中で吠え続けたり、いたずらをしてしまったりということがあります。これは飼い主が困るだけでなく、犬自身にとっても非常に強いストレスとなるため、一人の時間を過ごせるよう適度な距離を保って接するということも大切です。
②飼い主の言うことを聞かなくなる
愛犬の可愛さから「しつけをするなんてかわいそう」「自由にさせてあげたい」と思っている飼い主さんもいるかもしれません。しかしながら、しつけをすることは犬にとってとても大切なこと。しつけは人間社会の中で楽しく快適に過ごしていくためのマナーやルールを学ぶための大切な機会です。他の人や犬と適切に関わることができ、多くの人に可愛がられながら社会の中で生きていくためには最低限のしつけが必要です。
甘やかしの気持ちからしつけを怠ると、犬はどう行動すればいいかわからなくなったり、不安を感じたりしてしまうようになります。犬はリーダーに従うことで安心感を得る生き物なので、飼い主が頼りになる存在になってあげなければなりません。甘やかしてばかりいると、犬は自分がリーダーだと勘違いをして飼い主の言うことは一切聞かなくなってしまうでしょう。そうした犬はいざしつけをしようと思ってもなかなか指示を聞いてくれないため、時間をかけて関係性づくりからやり直さなければならなくなります。
③健康トラブルを起こしやすくなる
犬を甘やかすことは健康上のトラブルにも大きく影響してきます。犬が欲しがるからとおやつを与えすぎたり、飼い主が食べている食事をあげたりすることはよく見られることですが、そうした日々を繰り返していると犬は肥満になったり、塩分や油分を過剰に摂って病気になったりしてしまうことはめずらしくありません。また、散歩を嫌がるからと連れ出さなくなったり運動をさせずにいたりすると、その傾向はますます強まるでしょう。
大切な愛犬の健康を守れるのは飼い主さんです。「欲しがるから」という理由ではなく、犬にとって本当に必要な食事は何なのか、どのような運動をしなければならないのかということをしっかりと考え、体調管理をしていく義務が飼い主さんにはあると思います。
まとめ
愛犬を可愛がるのは当然のことです。「甘やかしてはいけない!」というと「厳しくしたらかわいそう」と言う人もいますが、決して可愛がってはいけない、厳しく接しなければいけないと言っているわけではありません。常に愛情を持って優しく接することはとても大切なことですが、犬の要求や要望すべてに応えるのは“甘やかし”になり、犬にとっても悪影響を与えることだということを覚えておきましょう。
犬を可愛がるということは、その犬にとっての幸せを考えることだと思います。健康で楽しい毎日を少しでも長く過ごさせてあげるためには、何が必要なのかということをしっかり考えてみましょう。
適切な食事と適度な運動、環境に応じたしつけなどは犬が快適に暮らしていくために欠かすことができないものです。犬は自分の言うことを聞いて甘やかしてくれる人よりも、頼りになる人が大好きです。本当の愛情とは何か、ぜひ考えてみてください。