犬を自転車に乗せる危険性について
ちょっと遠いところまで行きたいけど車がない…、そんなとき自転車に犬を乗せることができればとても便利ですよね。しかし、犬を前かごに乗せて走ることには危険が伴うということを忘れてはいけません。
突然かごから飛び出す可能性がある
前かごに入る小さなサイズの小型犬であっても、何かに興味をひかれて飛び降りてしまったり、段差などで意図せず飛び出してしまったりすることもあるでしょう。自転車かごの高さから落下するだけでも骨折や打撲などを起こす可能性は高いですし、さらに自転車が止まりきれずタイヤで踏みつけてしまったり、車体がぶつかったりする危険性もあるのです。
事故はいつ起きてもおかしくない
「うちの子はおとなしいから大丈夫」と思っていても、犬の意思に関係なくそのような事故は起こる可能性があるということを十分認識しておきましょう。また、いくら小さいと言っても数kgはあるものを前かごに乗せている状態なので、一人で自転車に乗っているときとは自転車の重心が大きく異なります。前輪がぶれやすく、ちょっとした窪みや段差にタイヤが取られやすくなるので、転倒しやすくなる危険も。犬にとって危険なだけでなく、自転車が転倒してしまえば飼い主にとっても怪我の可能性があり危険な状態になるでしょう。
犬を自転車に乗せるのは罰金や罰則がある?
犬を自転車の前かごなどに乗せていると、落下や転倒などの危険性がありますが、道路交通法では犬を乗せること自体には特に罰則・罰金などは設けられていません。しかしながら道路交通法には『公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項』を守らなければならないという定めがあり、これに違反した場合は5万円以下の罰金が科せられるとされています。
この条文そのものは犬を自転車に乗せることを禁止するものではありませんが、これを受けて各都道府県で具体的な禁止事例を定めているところもあるので注意が必要です。特に『安定を失うおそれのある運転方法』を禁止する条例を定めている自治体は多く、犬の大きさや自転車のタイプによっては該当する可能性もあります。
自転車での併走も違反!
ちなみに、自転車に乗りながら犬と併走する散歩をしている人もよく見かけますが、この行為は道路交通法違反に当たる可能性が高いとされています。道路交通法では『車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ道路、交通及び当該車両等の状況に応じ他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない』として、安全運転が義務付けられています。具体的に『物を持つなど安定を失うおそれのある運転』が禁止されており、傘や携帯電話と同様に、犬のリードなどを持って運転することも違反と考えられています。
犬を安全に自転車に乗せる方法
犬を自転車に乗せることは道路交通法違反にあたる行為ではなく、便利に感じる人もいるため、今後も行う人がいると思います。その際には犬にも運転者にも危険がないよう十分に配慮をしなければなりません。もしも前かごに乗せるのであれば、かごから飛び出してしまわないようにリードを短く結んでおくようにしましょう。
犬用の自転車アイテムを使う
また、現在では犬を乗せることを前提とした自転車や犬が飛び出さないようにするふた付きの前かごなども販売されています。犬乗せ用自転車は車輪が小さく低重心になっていることが多く、走行中のふらつきを抑え、段差による飛び上がりを防ぐこともできるようになっています。高価なものですから自転車自体を買い替えるのは難しくても、かご部分をキャリーバッグ型のものに交換したり、飛び出し防止リードをつけたりするなどの安全グッズを利用するようにしましょう。
まとめ
犬を自転車に乗せることは便利でもあり、犬が喜んでいることもあるでしょう。しかし、普通の自転車に犬を乗せて走ることは落下や転倒など事故の可能性があるということを忘れないようにしましょう。犬と楽しくサイクリングをしたいのであれば、犬乗せ用の自転車やかごを利用するなど安全対策をしっかりと行うようにしてくださいね。