小型犬が吠えやすい理由①犬種としての習性
元々犬たちは狩猟や護衛、牧羊・牧畜など、様々な仕事を持っていました。その仕事の中で主人や飼い主に獲物の位置や危険を知らせるために、吠えることが必要とされていたことも多くあるのです。そのような仕事をしていた犬種は、今でも「吠えて知らせる」「吠えて追い立てる」などの習性を持っているため吠えやすいと言われています。
例えば、ジャック・ラッセル・テリアやヨークシャー・テリアなどのテリア種はネズミなどの害獣を吠えながら追い立てて捕まえる仕事をしてました。また、ダックスフンドは土中の狭い道を吠えながら通り、地面の上にいる主人にアナグマの位置を教えていました。パピヨンやチワワ、ポメラニアンなどの愛玩犬も飼い主の就寝中などに危険を知らせる「ベル・ドッグ」としての役割を持っていたこともあり、些細な物音などに反応して吠える習性を持つことも少なくありません。
小型犬以外の吠えやすい犬種
小型犬ではありませんが、吠えやすい習性を持つ犬種はたくさんいます。シェットランドシープドッグやボダーコリーなどの牧羊犬は、羊の群れを吠えて追い立てる仕事をしていたことから、走りながら吠える習性があり、野うさぎを追いかけ遠くにいる主人に知らせるビーグルはよく響く声の持ち主です。
あまり吠えない小型犬もいる
小型犬の中にはあまり吠えない犬種もおり、鼻ペチャな短頭犬種のパグやフレンチ・ブルドッグ、シーズー、ペキニーズなどが該当します。これらの犬種は吠えても声が響きにくく、小さいという特徴もあるので余計に吠え声が気にならないと考えられています。
小型犬が吠えやすい理由②恐怖心からの警告
小型犬が吠えやすい理由として、犬種としての特性・習性以外に考えられるのが恐怖心や警戒心によるものが考えられます。小型犬は体が小さいことで、大型犬や人間などに対してより恐怖心を抱きやすいのです。
単純に大きさの違いだけでなく、本能的に「戦ったら敵わない」と感じることから、自分に近づけないための警告として他の犬や人間に対して吠えやすいと考えられています。また、恐怖を感じたときに吠えることで、自分から相手が遠ざかった経験を重ねることで「怖いときは吠える」という行動が強化されてしまいます。
小型犬の吠えを止めさせる方法
吠えている理由を探る
よく吠えると言われる小型犬の吠えを止めさせるために大切なことは、まず「なぜ吠えているか」を知ることです。ただ吠えているように見えても「危険を飼い主に知らせている」「敵を遠ざけるために警告を出している」「退屈しのぎに吠えている」など、その理由は様々です。
吠えているときに「こら!」「うるさい!」などと叱っても、そのときはびっくりして止めるかもしれませんが、根本的に吠えている理由が解決していないため、またすぐに繰り返されるでしょう。
理由に対して適切な対処を
怖いもの対して吠えているのであれば、それは怖いものではないということを教えるトレーニングが必要です。飼い主に危険を知らせるために吠えているのであれば、その仕事への感謝を伝えつつ吠える必要はないということを教えてあげなければなりません。退屈で吠えているのであれば、家の中でできる一人遊びの提案をしたり役割を与えてあげたりするといいでしょう。
<まとめ>小型犬が吠える理由と止めさせる方法
小型犬はよく吠えると言われることが多いですが、そもそも犬が吠えるのはコミュニケーションのひとつであり、それを完璧に止めさせるのは難しいことだと思います。犬はぬいぐるみではありませんから、感情表現やコミュニケーションのツールである吠えを完全に抑え込む必要はないでしょう。
しかしながら、吠えてばかりいるのも困りものですよね。吠えることを止めさせるためのトレーニングでは、“お知らせ”や“警戒”のために吠えていることをきちんと認めた上で、「ストップ」などの合図で吠えることを止めるようコントロールできるようになることを目標としましょう。