犬にカラーリングするのは危険?やりすぎれば虐待になることも

犬にカラーリングするのは危険?やりすぎれば虐待になることも

昔は毛をカラーリングしている犬をよく見かけましたが、犬の毛をカラーリングすることは健康に問題はないのでしょうか?こちらでは犬にカラーリングすることの危険性をまとめています。

どうして犬のカラーリングをするの?

ピンクにカラーリングされている犬

発端はショーだった

犬をカラーリングする発端は、ペットショップが開催したショーだったと言われています。
現在も国内外で犬のカラーリングの出来栄えを競う大会も開催されており、中にはトラやキリンを模した複雑なカラーリングをした子も!

日本でもひと昔前には、よく耳の毛を紫やピンクに染めた犬が散歩しているのを目にすることがありました。カラーリングが映えるためか、カラーされているのは白いシーズーが多かったように記憶していますが、現在では少なくなりましたね。

オシャレのためがほとんど

犬をカラーリングする理由のほとんどは見た目がオシャレになるというものでしょう。今ではハート型にデザインカットした部分を鮮やかな色で染めたり、カラーだけでなくエクステンションなどを付けるなど、より複雑な施術ができるようになりました。

また、犬が歳をとって毛ヅヤが無くなってしまったり、白髪になってしまった部分をカバーしてあげる目的でカラーリングしている飼い主さんもいらっしゃいます。

海外でも賛否両論の波紋が広がる

耳と足がピンクのプードル

ある女優の言い分

犬のカラーリングに対して、海外でも賛否両論の波紋が広がっているようです。イギリスのある有名女優が、自身の犬をピンクに染めたことで「虐待ではないか」と非難の声が挙がったのです。

その女優の言い分では

  • 植物由来で刺激の全くないカラー剤を使用した
  • カラーしたことで他人により一層かわいがってもらえる

とのことでしたが、本当に危険性は全くないと言い切れるのでしょうか?

国によっては禁止されている

国によっては日本よりも厳しい動物愛護の法律があるため、犬のカラーリングを禁止している地域も多く存在します。その女優のいるイギリスでは犬にカラーリングすることは禁止されていませんが、オランダやアメリカの多くの州が犬のカラーリングを禁止しています。

犬用のカラーリング剤

カラーリングされている犬

犬のカラーリングについて検索してみると、犬のカラーリングを行っているトリミングサロンや動物病院が存在しました。動物病院で犬のカラーリングができることに驚き、犬の健康に危険がないのか疑問に思いました。

犬用は刺激が少ない

犬をカラーリングする際に使用するのは犬用の特別なカラー剤です。犬用のカラー剤は人間用とは違い、皮膚や毛に刺激が少ないように作られているようです。

犬用のカラー剤は通販サイトでも購入することができます。犬用のカラー剤には、ヘアマニキュアのような仕組みで毛をほとんど傷めずにカラーリングすることができると謳っている商品もあります。

人間用のカラー剤で瀕死の状態に

海外では、人間用のカラー剤でカラーリングされたために瀕死の状態になってしまった犬がいます。

その子は保護団体にレスキューされた時、体のほとんどを鮮やかな紫に染められていました。人間のカラー剤の刺激は強力なので、その子の皮膚はひどくただれて目も大きく腫れあがってしまった状態でした。

人間と犬は体の大きさも皮膚の造りも違います。犬は皮膚炎を起こしやすいこともあり、人間用のカラー剤は犬にとって命を脅かすものなのです。

カラーリングの危険性

治療中の犬

犬用のカラー剤であっても、犬にカラーリングをすることには様々なリスクがあります。

  • 発ガン性リスクのある成分が含まれている可能性
  • アレルギー性皮膚炎や呼吸困難の危険性
  • カラーリングをされることへのストレス
  • 周りの人から「虐待だ」と非難されることもある

いくら被毛が傷まないと言っているカラー剤でも、薬剤を使うということの危険性は少なくありません。

人間でもカラーリングの際に頭痛や頭皮の痛み、息苦しさなどの体調不良を引き起こすこともあり、中にはアナフィラキシーという重篤なアレルギー症状を引き起こすこともあるのです。

犬は皮膚炎を発症しやすく治るのに時間がかかることも多いため、オシャレのためだけにカラーリングを施すことはデメリットの方が大きいと思います。

虐待だと思う人もいる

犬自身は、自分の毛がピンクになろうが紫になろうが知る由もありません。カラーリングされた後は飼い主さんに「カワイイ!」と褒められるようになり、犬にとって嬉しいこともあるかもしれません。

しかし、世の中には様々な価値観の人がいます。カラーリングしたわが子を見た人に「かわいそう」「虐待だ」と非難されることも理解しておかなければなりません。実際に、オランダやアメリカの多くの州が犬のカラーリングを禁止しているのです。

まとめ

トリミング台で寝転んでいる犬

犬をカラーリングすることは犬にとってのメリットはほとんどなく、飼い主さんが満足するためのものであると私は思います。よく考えれば、犬にカラー剤を使用することは皮膚炎や呼吸困難などの健康へのリスクの方が大きいと分かるはずです。カラーリングをしなくても、その子はありのままでちゃんと愛される存在であることを忘れずにいたいですね。

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