犬はどうして撫でられるのが好き?
「手当て」という言葉の語源をご存知ですか?現在では怪我を治療するという意味で使われる言葉ですが、本来は相手の体に手を当てて怪我や心を癒すという意味があるそうです。
犬は信頼している飼い主さんの手で優しく撫でてもらうことが好きですよね。安心したい時や、リラックスしたい時に撫でてほしいと要求してくることがあります。撫でることでちょっとしたマッサージ効果もあるせいか、撫でている間に眠ってしまうほどリラックスしている時もあります。犬もストレスを感じる生き物なので、手を当てることで癒されているのかもしれませんね。
また単純に痒い場所があるから撫でてほしい、凝っている場所をマッサージしてほしいという意味で撫でられるのが好きな子もいます。しかし人間と同じく、どこを撫でられても嬉しいわけではありません。ちょっぴり苦手な場所もあれば、筋肉が凝りやすい場所や撫でられて気持ちの良いツボなどが特にお好みのようです。
犬が喜ぶ撫で撫でポイント6つ
1.首から背中にかけて
人間で言うところの肩こりが起こる場所が、犬にとっての首から背中にかけてのラインになります。犬は体高が低いので基本、起きている時は見上げている姿勢のことが多いです。そのため肩ではなく首が凝りやすいといわれています。首の後ろや背中は人間と同じくリンパやツボがある場所です。手のひらで頭のほうから首を通り、背中まで優しく撫でてあげるだけでも血流やリンパの流れが良くなります。
2.お腹
愛犬が飼い主さんに甘えたい時、撫でてほしいと催促してくる場所がお腹です。犬の急所でもあるお腹を、ゴロンと転がって見せてくれる子は飼い主さんを心から信頼しているでしょう。
我が家の愛犬の場合は飼い主が帰宅して嬉しいと感じている時や、ご飯を食べ終わって満足している時など、心が満たされている時にお腹を見せてくれることが多いように思います。甘えたい心理になりますので、ぜひお腹や胸のあたりを優しく撫でてあげましょう。
3.眉間
不思議と眉間を指先で優しく撫でられることを好む犬がとても多いです。そして、そのほとんどの子が眉間を撫でられることによって、ウトウトと眠たそうな表情をしたり、そのまま眠ってしまうことがあります。
眉間は手足が届かず自分で掻くことが出来ないので、撫でてもらうと気持ちが良いようです。愛犬がなかなか眠らず、寝かしつけに手こずっている時にぜひ試してみて下さい。なかには顔を触られることに抵抗がある犬もいますので、首や背中を撫でている時に少しずつ、顔に触れることに慣れさせてあげて下さい。
4.耳の付け根の回り
人間は耳を動かせる人はあまりいませんが、犬はたくさんの音を聞き分け、情報を集めるために耳を色んな方向へ動かします。そのため、耳の付け根の後ろ側、こめかみ付近の筋肉に凝りや疲労が溜まりやすいと言われています。耳付近にはツボも多くありますので、指先で優しくマッサージするように撫でてあげると喜んでくれるでしょう。
5.顎の下から首にかけて
じつは犬の顎の下には緊張を和らげるツボがあります。顎の下から首にかけてのラインを優しくゆっくりと撫でてあげると、とても気持ち良さそうにリラックスしてくれます。ただ、やはり顔付近なので、触れられることに抵抗を感じる子もいます。初めて会う犬や慣れていない犬は急に顎に触れるのではなく、背中などを撫でて警戒心をほぐしつつ優しく顎に触れるようにしましょう。
6.足の付け根
足の付け根は立っている姿勢、また歩く、走る、ジャンプするなどの動作で犬の体重がかかる場所です。特に後ろ足に大きな負担がかかるので、後ろ足の付け根は疲労が溜まりやすい場所になります。
また足の付け根は犬自身の口や足が届きづらい場所。自分自身で思うように掻くことが出来ないので飼い主さんが撫でてくれると気持ちが良く喜んでくれます。手のひら全体を使って優しく押すようにマッサージしたり、むず痒そうであれば指先で力を入れずに掻いてあげてください。
まとめ
愛犬を撫でることは、愛犬だけが嬉しいわけではなく、私たち飼い主もリラックスしている愛犬の表情を見ることで癒しになりますよね。ゆっくりと愛犬の体を撫でることで信頼関係も強まりますし、被毛や皮膚の状態など健康チェックも行うことが出来ます。長時間でなくてもいいので、1日に1回、愛犬の体を撫でる習慣をつけてみてはいかかでしょうか。