なぜチベタンマスティフは1億円以上の値段が付けられるのか?

なぜチベタンマスティフは1億円以上の値段が付けられるのか?

「チベタン・マスティフ」の生態を紐解いてみると、なぜこんなにも高値になってしまったのかが見えてきました。また、中国の風水にも関係のあるあの動物に似ていることも、富裕層の心をつかんだ理由の1つでした。

みなさんは「チベタン・マスティフ」という犬種をご存知でしょうか?

チベタン・マスティフは中国のチベット原産の超大型犬です。ライオンのような大きくたくましい体と、フサフサの豊かな毛が特徴の犬種です。かのチンギス・ハーンはチベタン・マスティフを引き連れて西征したと言われています。

そんなチベタン・マスティフが、2010年から中国の富裕層の間で爆発的な大ブームとなり、その年の価格で1億6,000万円、そして2014年にはなんと2億円近くで取引されていました。

チベタン・マスティフはなぜ1億円以上の値段が付く超高級犬となってしまったのでしょうか?

繁殖期が年に1回しかないから

舌を出しているチベタン・マスティフ

通常、犬には年2回の繁殖期がありますが、チベタン・マスティフには年に1回しか繁殖期がありません。これはチベタン・マスティフが先祖のオオカミに近い犬種であるためです。

犬の先祖であるオオカミやジャッカルといった種には、繁殖期が年1回しかありません。単純に生まれる頭数が少ないため、一般的な犬種よりも希少価値が高いのです。

実は天然記念物だった

チベタン・マスティフはその頭数の少なさから、日本の天然記念物のような存在なのです。それが希少価値に拍車をかけているのかもしれません。

ニセモノが作られてしまったため

チベタン・マスティフの子犬

希少なチベタン・マスティフを何とか増やそうとして、近しい犬種とのミックス犬を生ませ、それをどんどん掛け合わせを重ねていくことで「そっくりさん」を作ろうとしました。

しかしこれが大失敗で、そのサイズが本物と似ても似つかないほど小さくなってしまったのです。結局このことも「本物」の地位を上げる結果になってしまいました。

ステイタスの象徴だから

お金を仰いでいる人

チベタン・マスティフの華やかで猛々しい姿は「THEお金持ち」というイメージですよね!
中国の富裕層はとんでもなくお金持ちです。彼らが「欲しい!」というものは値段がどんどん上がっていきます。

「億の値の付くチベタン・マスティフを飼っている」ということは富や成功のこの上ないステイタスなのです。

百獣の王に似ているから

犬の置物

中国では、ライオンは風水で「最強の魔除けパワー」の意味があります。チベタン・マスティフはそんなライオンに似ているため、ビジネスや商売をしている富裕層の方たちに好かれたことも理由の1つです。

現在価格は暴落している

チベタンのモノクロ

一時は目が出るほど高価であったチベタン・マスティフですが、現在は価格が大暴落し買い手もつかない状態になっています。

チベタン・マスティフは体重60kgを超える超大型犬です。本来ならばしっかりしつけを行って社会のルールを覚えてもらう必要があるのですが、お金持ちのステイタスというアクセサリ扱いで飼っている人も少なくなかったのです。しつけを十分にされなかった子の事件や事故が多発したことで人気は落ちていきました。

重ねて中国の富裕層の没落もあり、数年前までは億の値が付いていたにもかかわらず買い手すら少ない状態になってしまいました。

そもそも犬は人間のステイタスやアクセサリーではありません。今後、このようにが動物の命が人間の欲望に振り回されてしまわないことを願うばかりです。

まとめ

草原に立つ犬

チベタン・マスティフが中国の富裕層の間で人気であった、ということは知っていたのですが、まさか天然記念物のような扱いの希少な犬種であったなんて驚きました。繁殖期も一般的な犬種とは違い、年1回しかないために生まれる数が少ないのですね。また、風水的に最強の魔除けパワーがあるライオンに似ている華やかで猛々しい姿も、中国の富裕層の心をつかんだというところも興味深いですね。

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