お出かけするとワガママになるのはなぜ?
お出かけをしたときにだけ要求にすぐ応えたり、叱らなかったりしているとお出かけのときだけワガママになる可能性があります。普段はお家でしっかりとしていても、お出かけしたときにワガママを許すようになると「お出かけのときは許されるんだ!」と思い込んでしまいます。
始めは外でだけワガママになるのですが、そのうち家の中でもワガママをするようになっていきます。しつけに一貫性がないため犬は混乱してしまい、自分の要求が通りやすい行動をとることになります。ここではOK、あそこでは叱る、というのは犬にとってはただ混乱するだけのしつけです。飼い主さんがダメなことはダメだとどこでも変わらずに教えてあげなくてはいけません。
お出かけのときのワガママへの対策
対策としてはお家でも外でもしっかりと同じようにしつけをするということです。お家で許さないことは外でも許さない、そうすることで犬は「これは絶対にいけないことだ」と理解します。
もしそれができないのであれば、ワガママになるシチュエーションを避けるというのもひとつの方法です。例えば特定の場所でだけ動かなくなる、吠える、といった場合にはそこに行かないようにします。
しかし似たようなシチュエーションになればまた動かなくなったり、吠えたりするため根本的な解決にはなりません。あまり有効な手段とも言えないので「どうしても家と同じように扱えない」場合のみのやり方です。
しつけには上下関係が関係あるの?
犬が家族を群れに置き換えて上下関係を作っているという話を聞いたことはありませんか?昔から犬には上下関係があり、下の犬は上のリーダーに従うと言われてきました。犬の祖先と言われているオオカミがそのような群れの中でのランキング意識をもとにして行動しているためです。
そのためしつけの際には犬との上下関係を見直し、しっかりとランキングをつけるべき、というのが従来の考え方です。
しかし最近では犬をオオカミと同様に考えるべきではないという考え方が生まれていて、しつけにおいて上下関係は関係ないという主張もあります。どちらの考え方が正しいのかははっきりとしていないので、どちらが良いとは言えません。しかし犬のランキング意識があってもなくても、犬のしつけの仕方はあまり変わりません。
犬に体罰を与えず、たくさん褒めることがしつけの基本です。これはランキング意識があってもなくても変わりません。ワガママになる犬はランキング意識とは別に、単純に「この場合は良い・悪い」という区別がついていない状態です。それを教えてあげるのが飼い主さんの役割のひとつでもあります。
しつけの基本
犬へのしつけは基本的にプラスの考え方です。悪いことをしたから叱るのは基本ですが、それよりも良いことをしたから褒める、というものを多くするということです。例えば犬が粗相をしたらいけないことだと叱ります。しかし叱るよりもトイレをきちんとできたときに褒めることを増やします。そうすると犬は「トイレをここでするのが良いことだ!褒められるんだ!」と理解します。
犬は飼い主さんに褒められたり、飼い主さんが喜んだりするのが大好きなので理解すればすぐに覚えます。よく間違えてしまうのが悪いことをしても叱らないという方法をとってしまうことです。悪いことをしたら叱りますが良いことをしたときにいっぱい褒めるというのが理想であって、悪いことをしても叱らないと犬は何が悪いことなのかわからなくなってしまいます。
体罰で犬を従わせる方法をとる方もいますが、それは犬の反抗心や不信感、ストレスを増やしてしまう原因になります。しつけをするなら犬の心にも良い方法をとりたいですよね。
まとめ
犬がお出かけのときだけワガママになってしまうのは、お出かけのときだけ叱られなかったり、飼い主さんが言うことを聞いてくれたりすることが原因かもしれません。しつけは基本的にいつでもどこでも同じ態度でいる必要があります。態度が一貫していないと、犬は混乱してしまいしつけが中途半端になってしまいます。
場所によってしつけの仕方を変えるのは良くありません。しかし、事情によっては同じ態度ができないこともあります。そういう場合はできるだけワガママをしそうなシチュエーションを避けるという方法もあります。
しかし根本的には解決になっておらず、似たようなシチュエーションになったらまた同じことをしてしまうのであまりオススメはしません。
またしつけには上下関係が必要というのが従来の説でしたが、近年は犬のしつけに上下関係は必要ないという説もあります。いろいろな考え方があり、まだどれが正解かはわかりません。
ただ上下関係があってもなくても、犬に対するしつけの方法は変わりません。悪いことをしたらきちんと叱り、良いことをしたら思いっきり褒める、そういったことが大切です。家の中でも外でもこれは変わりません。愛犬のためにも、しつけは一貫した態度で行っていきましょう。