犬が水を飲んでいるときの様子について
私たち人間が水を飲むときは無意識に息を止めながら飲んでいます。水を飲むときに自然と咽頭蓋が閉じて気道から肺に水が入ることを防いでいるため息を止めることになります。プールなどでふいに水を飲んでしまいむせて苦しい思いをしたことがあると思いますが、それは突然のことで気道をきちんと塞ぐことができないためです。
そのため人間が水を飲むときは息継ぎのために無意識に少しずつ飲むようにしていますが、犬が水を飲むときは長時間飲み続けていることもめずらしくありません。特に暑い日や散歩の後などは器が空っぽになるまで長く飲み続けていることも多いと思います。
犬は水を飲んでいるときに息をしている?
人間は水を飲む時に呼吸を止めているため、長時間飲み続けると苦しくなるのが当然です。しかし実は、犬の体は水を飲んでいるときにも息をすることができる仕組みになっているのです。犬の咽頭は人間に比べて口の奥の方に位置していて、水が咽頭に入り込みにくく気道の横をすり抜ける形になるとされています。
そのため水を飲むときに咽頭蓋を閉じて気管を塞ぐ必要がないため息を止めずに飲むことができるのです。息苦しさを感じずに水を飲むことができるので、長時間水を飲み続けることが可能ということになります。
犬が急に大量の水を飲むようになったら
犬は呼吸をしながら水を飲むことができるので、長い時間水を飲み続けることが可能です。しかし、犬が長時間にわたって大量の水を飲み続けている場合には少し注意が必要です。暑い日や散歩でたっぷり運動をした後などにたっぷり水を飲んでいることは問題ありませんが、そうでないときにも水を大量に飲むようになった場合は注意が必要です。
特に普段に比べて急にたくさんの水を飲むようになった場合は特に気をつけて様子を見なければなりません。
病気が隠れているかも?
暑さや運動後などの理由なくいつもに比べて大量の水を飲むようになった場合、そこには何らかの病気が隠れていることがあるのです。飲む水の量が異常に増えた場合、子宮蓄膿症や腎臓疾患、糖尿病、クッシング症候群などの可能性があり、進行状態によっては命に関わることもあるので危険な兆候とも言えます。
特に水を大量に飲むだけでなく、嘔吐・下痢が見られたりぐったりしている、食欲がないなどの様子もあわせて見られる場合はすぐに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
<まとめ>犬が水を飲んでいるときの様子について
犬が水を飲むことは自然な行動であり、飼い主でも日頃あまり意識していないことが多いと思います。しかし犬が水を飲む行動には、犬の不思議な体の構造を知るきっかけや重大な病気の兆候が隠れていることもあるのです。
犬は水を飲んでいるときも呼吸をすることができるので長時散歩後などでのどが渇いている場合長時間水を飲み続けることができますが、いつもに比べてあまりにも飲む量が多い場合などは何らかの病気が原因かもしれません。それらはつい見落としがちなサインですので、愛犬が水を飲んでいる様子やその量について意識的に観察してみるといいでしょう。