犬が飼い主にくっついている理由とは?
飼い主が大好きだから
犬が飼い主の動きに合わせてついて回る理由としては、やはり「飼い主のことが大好きでそばにいたいから」ということが最も大きいでしょう。特に留守番直後などは、飼い主が帰ってきたことがうれしくて、手を洗っているときや着替えているときなど、どこにでもついてくるということもめずらしくないでしょう。
飼い主のそばにいると「いいこと」がある
また、飼い主のそばにいるとおやつがもらえる、なでてもらえるなど、「いいこと」「得すること」が起こる可能性が高いと学んでいる場合や、飼い主に訴えかけたいことがあるときなどにもついてくるでしょう。その他にも心身の不調など、不安や心配があるときにも飼い主のそばにいたがる傾向にあります。うれしいときも不安なときも、リーダーである飼い主のそばにいて安心感を得たいという気持ちは、動物の本能として当然のことなのかもしれません。
分離不安になってしまっている可能性も
愛犬が飼い主のそばを離れず、ついて回っている様子はとてもかわいらしいもの。しかし、少しでも離れて姿が見えなくなると吠えたり鳴いたりするなど、度が超えた様子が見られるようになったら、少し注意が必要です。
犬が飼い主のそばにいたがることは当たり前のことですが、離れることができなくなってしまう場合、「分離不安」という障害状態になっている可能性があります。
「分離不安」の犬がする問題行動
飼い主と離れるとさみしいという気持ちは、どんな犬でも持ち合わせているものだと思います。しかし、分離不安を起こしている場合は、実際に離れているときに平常心でいられなくなり、過度ないたずら・破壊行動や自分の足や尻尾を噛むなどの自傷行為をする、何時間も吠え続けるなどの問題行動が見られます。
分離不安は留守番の練習が適切にできていなかったり、飼い主からの愛情が感じられなかったり、環境が変わったりすることが原因で起こると言われていますが、元々の気質や遺伝によるものもあると考えられているため、一概に飼い主の対応によるものとは限りません。
飼い主から離れない犬への対応方法
過度な甘やかしをしない
飼い主のそばをついて回る犬はとても愛おしい存在だと思いますが、分離不安などを起こしてしまわないよう、離れることに慣れさせることも大切です。愛犬をかわいがり、スキンシップをたっぷり取ることはとても大切ですが、飼い主から離れるのが苦手な様子が見られる場合は、過度な甘やかしなどをしないよう注意しましょう。
飼い主から離れる練習をする
また、同じ家の中にいても他の部屋にいるようにするなど、姿が見えない状態に慣れさせることも大切です。段階を踏んで、ゴミ捨てや買物など、短い時間から留守番の練習をすることも必要です。飼い主から離れることが苦手で分離不安の傾向が見られる犬に必要なのは、「飼い主が必ず帰ってくる」という安心感です。その安心感は短い留守番を何度も繰り返し、経験を重ねることがとても大切です。
<まとめ>ひとりも楽しめる犬に育てよう
犬と暮らしていると、どうしても留守番をさせる時間ができてしまうと思います。犬のために留守番時間をつくらないようにするということは不可能ですし、当然そのようなことをする必要はありません。飼い主が愛犬にできることは、飼い主と過ごす時間を楽しいものにして愛情で満たしてあげることと、犬がひとりで過ごす時間も楽しむことができるような工夫をしてあげることです。
留守番のときにはとっておきのおやつやおもちゃが出てくるなど、飼い主といるときとは違う喜びを与えることが、留守番への抵抗をなくすきっかけとなります。留守番への抵抗感がなくなると、ひとりの時間も落ち着いて過ごすことができるようになり、生活の中にメリハリができて、より充実した毎日を送らせてあげられますよ。