運動量が多い犬種って、どんな犬?
犬のそれぞれの歴史を振り返ってみると、常に人間と関わっていることが分かります。その長い歴史の中で人間に役立つように品種改良され、犬に対する価値や存在意義も変化し続けてきました。
現在、世界には700種類以上もの犬種が存在し、その見た目も多種多様です。そして、犬種の持つ特性や性格によって以下のグループに分けられています。
牧羊犬・牧畜犬
羊や牛などの家畜の群れを誘導・保護する犬。運動量だけでなく頭の良さも必須。
使役犬
敬語犬、闘犬、番犬、荷車犬などの作業犬として活躍。多大な体力を必要とする。
鳥猟犬
鳥を主な獲物とする狩猟犬。鳥の位置を見つけ、主人のもとへ届ける。
テリア
「土を掘る」という意味を持つテリアは、キツネやネズミなどの害獣を獲物とする狩猟犬。
嗅覚ハウンド
優れた嗅覚と大きな吠え声によって、獲物を追う狩猟犬。
視覚ハウンド
優れた視力と脚力によって、獲物を追う狩猟犬。
ダックスフンド
穴の中のアナグマを獲物とする狩猟犬。胴長短足の体型は、穴に入りやすいため。
日本犬、スピッツ
改良が進んでいない分、野生感や縄張り意識が強い。
愛玩犬
人間と共生しやすいよう、愛玩目的で小型化された犬。
この中で、運動量の多いグループは牧羊犬・牧畜犬、テリア、視覚ハウンドが挙げられます。何頭もの羊や牛をまとめたり、素早い動きをするネズミを獲物としていたわけですから、運動量が多いの納得です。ここでは、2018年の日本での飼育頭数ランキングとともに、運動量が多い犬種をご紹介します。
運動量が多い犬種①ジャック・ラッセル・テリア
- 原産地:イギリス
- サイズ:小型犬
- グループ:テリア
- 飼育頭数ランキング:18位
小型犬でありながら筋肉質で、頑固で負けず嫌いな一面を持ちます。好奇心旺盛でもあるため、一度火がついたら止められないほどテンションが上がってしまいます。頭も良い犬種なので、飼い主をリーダーと認めないと自分より下と順位付けしてしまい、問題行動を多く起こす恐れがあります。
とくに、初めて犬を飼う方に注意して頂きたいのが、「小型犬=運動量を必要としない」という認識です。ジャック・ラッセル・テリアは小型犬でありながら、その運動量は大型犬と同じくらい、いやそれ以上と言っても過言ではないでしょう。
運動量が多い犬種②ボーダー・コリー
- 原産地:イギリス
- サイズ:中型犬
- グループ:牧羊犬牧畜犬
- 飼育頭数ランキング:21位
トンネルやハードルなどのさまざまな障害物を飛び越える競技(アジリティ)で毎回上位を独占するほど、頭が良く果てしない運動量を持つボーダー・コリー。牧羊犬・牧畜犬として働いていた歴史を持つためか作業意欲が強く、飼い主に対して高い忠誠心を持ちます。そのため、犬同士で遊ぶというよりも飼い主と一緒にアジリティを楽しむ、飼い主と一緒に走り回ることを好みます。
運動量が多い犬種③ジャーマン・シェパード・ドッグ
- 原産地:ドイツ
- サイズ:大型犬
- グループ:牧羊犬牧畜犬
- 飼育頭数ランキング:41位
日本でも警察犬として活躍しているジャーマン・シェパード・ドッグ。その頭の良さや優れた嗅覚・洞察力によって、人間にとって欠かせない存在として活躍しています。犬を熟知している、いわゆる「通な愛犬家」に好まれ、家庭犬としても人気の犬種となっています。
ジャーマン・シェパード・ドッグを飼うにはしっかりとしたトレーニング方法と、「犬を犬としてしつける」という強い意志を持つ飼い主がとても重要となり、それによって強い信頼関係を築くことができます。
運動量が多い犬種④ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- 原産地:イギリス
- サイズ:中型犬
- グループ:牧羊犬牧畜犬
- 飼育頭数ランキング:12位
胴長短足の体型と、ぷりぷりとしたお尻がチャームポイントのウェルシュ・コーギー・ペンブローク。その愛らしい見た目とは裏腹に意外と筋肉質で、多くの運動量を必要とします。牧羊犬・牧畜犬という歴史を持つためか頭の回転が速く、飼い主だけでなく初対面の犬、初対面の人をよく観察しています。
穏やかな性格ですが、飼い主へとのコミュニケーションが少ないと、ストレスによって攻撃的な一面を見せることがあるので、その点は注意が必要です。
運動量が多い犬種⑤ボルゾイ
- 原産地:ロシア
- サイズ:大型犬
- グループ:視覚ハウンド
- 飼育頭数ランキング:39位
日本での飼育頭数ランキングは低いものの、その見た目は息を吞むほど格好よく、美しい佇まいをしています。その優雅に歩く高貴な姿は、世界中のドッグショーでも常連のようです。
細い見た目とは裏腹にがっしりとした筋肉や骨格の持ち主で、獲物を見つけて走り出すと止められないほど強い脚力を持っています。しかし家族に深い愛情を示し、子供に対しても温厚な態度を示します。
しかし毎日の1~2時間の散歩が必須となり、可能であれば疾走できるくらいのドッグランに連れていくのが良いでしょう。
まとめ
飼い主さんなら誰しも、「愛犬とここに行きたい!」「愛犬とこれがやりたい!」「自分だけでなく愛犬にも楽しんでほしい!」という願望をお持ちだと思います。
例えば、
- いつもの散歩コースじゃなく、違うところで散歩したい
- 愛犬をリフレッシュさせてあげたい
- 愛犬に思いっきり遊んでもらいたい
- 行ったことのない場所に行きたい
- 初めての経験をさせてあげたい
などなど、飼い主さんの数だけ願望があると思います。
そこで重要となるのが、「犬の特性と自分の生活スタイルがきちんと合致しているか」です。例えば、家を留守にしがちな飼い主さんなのに運動量を多く必要とする犬種を飼ったり、アクティブで運動好きな飼い主さんなのに足腰が弱い小型犬を飼ったり…、これでは、双方が幸せとはいえません。
自分の生活スタイルを見合わせて、お互いが快適に過ごせるよう、見極めることが重要です。