多くの犬が飼い主の行動パターンを把握している
まず、犬は飼い主の行動をどの程度把握しているかということですが、習慣化した行動についてはかなりの確率で理解、把握できているのではないかと考えられています。特に平日は毎日同じ時間帯に出勤したり、学校に行ったり決まったパターンで行動していることについては犬でも理解しやすいと思います。
もちろん行き先が「学校」であることや「会社」であることなどはわからないでしょうが、毎日同じ場所に行くんだという“パターン”は理解できるでしょう。それは起床してから出かけるまでの行動が同じであったり着ている服が同じであったりすることも判断材料となりますし、飼い主の帰宅時のにおいなどでも把握することができるのではないかとされています。
飼い主の時間に合わせて犬が行動をはじめることも
中には飼い主の生活パターン、行動パターンが犬にも影響を及ぼし、飼い主の起床時間になると犬も活動をはじめるということもめずらしくありません。それにより、いつもと違う時間まで寝ている飼い主に吠えたり顔をなめたりして起こしてくれたといったケースも見られました。
また、帰宅後に犬に話しかける内容などからいくつかの単語を覚えることなどは十分考えられるので、飼い主の話を聞きながら「今日も“学校”というところに行ったんだな」などと理解している可能性もゼロではありません。
出かける前の準備でその後の行動を予測
飼い主の行動の中で犬が判断しやすいのが着替えが外出前の準備です。長年一緒に暮らしている犬であれば、飼い主が起きてからのんびりすることなくせわしなく外出準備をし着替えているときは「どこかに出かけるんだろう」と予測することは十分可能だと思います。それはつまり、その間自分は留守番であるということを把握していることにもつながります。
飼い主の服で判断している?
反対に、散歩に行くときに飼い主が決まった上着を着ている場合などは犬もそれをよく覚えているでしょう。犬は音を聞き分ける能力にも長けているので、ウインドブレイカーを着るときのカサカサした音や決まったベルトをつけるときのカチャッという音などを聞き取って、散歩に行くことを理解するなどということもめずらしくないでしょう。
自分に関係のある行動は特に気にしている
飼い主の行動パターンとして、外出に関することについては外出前の飼い主の行動や様子、着替えや準備などから把握し理解しているのではないかと考えられています。しかし、それ以外にも犬は家の中での飼い主の行動もある程度理解していると考えられます。
特に食事や散歩など犬にとっても大きく関係している行動については非常に細かくチェックしています。飼い主がただ靴を履いただけでは動かなくても、散歩用のバッグを手に取った瞬間に玄関に飛んでくるという犬は少なくありません。食事の支度の最中に野菜の切れ端などをもらったことがある犬は、飼い主がキッチンで食事の支度をはじめた途端にそばによるでしょう。
飼い主の食事が終わったら自分の食事だと理解している犬は、飼い主の食事が終わる頃になるとそわそわ、ウロウロし始めたりもします。つまり犬は飼い主の行動を非常に細かく観察し、自分に関係あることであるかなどを判断していると考えられます。
<まとめ>犬は飼い主の行動を把握して安心する
犬は飼い主の行動や仕草を普段から非常によく観察しています。目で見るだけでなく、動いているときに発する音や帰宅した時の飼い主のにおいなど、敏感な五感をいかんなく発揮して飼い主のことを把握・理解しようと一生懸命なのです。大好きな飼い主の行動を理解したいと思う犬の気持ちを考えるととても愛おしいものですよね。
犬に話をしてもわからないと思っている人もいるかもしれませんが、その日のできごとや外出先などを簡単にでも伝えてあげるといいかもしれません。特に留守番に対してデリケートになりがちな犬や繊細な犬の場合は、飼い主について理解が進むことで安心感が増して落ち着いた生活をする助けになるかもしれません。