垂れ耳の犬種を紹介♪
垂れ耳の犬というとみなさんはどんな犬種が思い浮かびますか?垂れ耳の犬は、犬種として認められているものだけでも50種類以上いるとされ、ミックス犬や認定されていない犬種がいることも含めて考えると犬全体のかなり大きな割合を占めるのではないかと考えられます。
垂れ耳の犬種の一例
- トイプードル
- ミニチュアダックスフンド
- パグ
- マルチーズ
- ノーフォークテリア
- ビーグル
- バセットハウンド
- アメリカンコッカースパニエル
- ボーダーコリー(半直立の場合もある)
- ワイマラナー
- ゴールデンレトリバー
- ラブラドールレトリバー
- アフガンハウンド
- アイリッシュセッター
- グレートピレニーズ
- ニューファンドランド
こうしてみるだけでも日本で家庭犬として人気の犬種やなじみのある犬種の多くが垂れ耳だということがわかります。また、ピンと立った耳が印象的なドーベルマンやグレート・デーンは元々垂れ耳の犬種で、断耳によって立ち耳にしているのです。
これらの犬種は護衛犬や警察犬などに使用されてきた歴史があり、立ち耳の方が「精悍」「怖そう」という印象が与えられるとして断耳が行われていました。また、他の護衛犬や闘犬では、相手と闘う際にけがをしやすい耳を最初から切っておき負傷する部分を最小限にするため、という理由で断耳が行われていた場合もあるようです。しかし最近では健康上の問題がない場合の断耳は虐待だという考えが広まり、欧米では法律や条例で禁止している国もあります。
耳が垂れているのはなぜ?
垂れ耳の犬種について紹介しましたが、本来犬や犬の祖先とされる動物は立ち耳なのです。自然界では自分の身を守るためや狩りを行うためにできるだけ遠くの音や小さな音も聞き取ることができる方がよいためです。立ち耳の場合は前後左右に動かすことでさまざまな方向の音をキャッチすることができ、犬の優れた聴覚をより発揮できるのです。
ではなぜ垂れ耳の犬が生まれたのか?犬が家畜化されて人間と一緒に暮らすようになる過程で垂れ耳の個体が生まれ、人間が見た目のかわいさのためや犬にしてもらいたい仕事に合わせて垂れ耳の犬を選んで繁殖してきたからです。上記で紹介したように、垂れ耳の犬にはレトリバーやスパニエル、テリア系などの犬種が多く見られます。
嗅覚を使って狩りや害獣駆除などの仕事を担ってきた犬種では嗅覚に集中させるため、耳から入ってくる音の情報を少なくするために垂れ耳がよいと考えられたり、地中の穴や藪などの狭い場所に入るとき耳が引っかかったりして傷つかないように、また下を向いた時に大きな垂れ耳が鼻の横に壁をつくってにおいを集中的に嗅ぎ取りやすくなるように、などという理由から垂れ耳の犬種が作られたと考えられています。
また、そのような仕事を持たない愛玩犬の場合は見た目のかわいらしさなどから、垂れ耳の犬同士を掛け合わせて垂れ耳という特徴を固定してきたと言われています。
垂れ耳の犬を飼うときの注意点
垂れ耳の犬を飼うときに気をつけてあげたいのが、やはり耳の病気です。垂れた耳はどうしても通気性が悪く、耳の内部に湿気や熱がこもりがちです。それにより汚れがたまりやすかったり、雑菌が繁殖してしまいやすかったりするのです。
垂れ耳の犬は立ち耳の犬に比べて外耳炎を起こしやすいので、毎日の健康チェックとして耳をめくって内側の汚れやにおいを確認してあげてください。耳の奥まで掃除する必要はありませんが、耳をめくったときに見えている場所が汚れている場合は濡れたガーゼなどで軽くふき取るなどしてお手入れしてあげましょう。外耳炎を治療せずにいると悪化し中耳炎にまで及ぶ可能性もあります。
黒い耳垢が頻繁に溜まるときや、ツンとしたようなにおいがするとき、耳をかいたり頭を振っているときは何かしらの原因で外耳炎を起こしてしまっていたり耳ダニに感染してしまっている可能性も高いので病院でチェックしてもらうようにしてください。
<まとめ>垂れ耳の犬の特徴や飼い方
とってもかわいい垂れ耳の犬たちには、その能力をより活かすためということや体の安全を守るため、見た目のかわいさのためなど、垂れ耳である理由があるのです。人為的に改良されて特徴の一つとして固定された垂れ耳ですが、実は聴覚においては立ち耳の犬とあまり違いがないとも言われています。これに関してはまだまだ解明されていない部分も多く今後も注目していきたいところです。