犬の欲求①生理欲求<健康に生きたい>
これは人間も同じですが、犬が生きていく中で絶対に欠かすことのできないものが生理欲求です。睡眠や食事、排泄をはじめ、呼吸することや体温を維持することなども命を守るために必要不可欠なことです。犬も人間も普段はこれを欲求であるとすら認識していないかもしれませんが、これらは命を守るために絶対に必要なことです。健康的な体を維持するための食事や運動など健康管理をすることは犬の生理的欲求を満たすための最低限の務めだと思います。愛犬を大切に思っている飼い主さんであればこれらを怠ることはないと思いますが、こうした生理欲求が満たされない環境下での飼育は、動物虐待に当たる可能性があるため十分に注意してください。
犬の欲求②安全欲求<快適に暮らしたい>
呼吸をして栄養を摂取し眠るといった生理的欲求の次に必要とされるのが、安全で快適な環境です。命の危険や怪我・病気の恐れがなく、不快や苦痛を感じることなく生活をさせることも犬を飼育する上でとても重要なことです。日頃から健康管理や衛生管理をしっかりと行い、事故や病気・怪我の可能性を排除することは当たり前のことでありながら、重大な責任を伴うことです。犬を飼うということは命を預かるということ。ただ楽しく過ごせばいいというものではありません。犬が肉体的にも精神的にも安心して暮らせる家庭づくりを目指しましょう。
犬の欲求③行動欲求<楽しく過ごしたい>
行動欲求というのは「あれがしたい!」「これが欲しい!」というような楽しみや幸福感に結びつく欲求。ここまで紹介してきた生理的欲求や安全欲求のように「生きていく上で欠かすことができない」重大な欲求ではありませんが、決して軽視していいものでもありません。
多くの飼い犬に共通する行動欲求としては「運動したい」「飼い主と触れ合いたい」「遊びたい」などが見られます。好奇心を満たすことや体力を発散させることは子犬やアクティブなタイプの犬種に強く見られる欲求で、飼い主とのコミュニケーションはどんな犬にも見られる欲求です。これらの欲求が満たされないと、ストレスが溜まりいたずらをするようになったり、不安障害など病気につながってしまうこともあります。“なくてはならない”わけではないが、あるとうれしいもの・ことが行動欲求です。大切で大好きな愛犬だからこそ、行動欲求もしっかりと満たしてあげたいですよね。
<まとめ>犬の欲求を満たすことは飼い主の役割
犬が持つ欲求は、人間同様さまざまなものがありますが大きく分けて生理的欲求・安全欲求・行動欲求となります。そのどれもが当然の欲求であり、犬の一生に責任を持つべき立場である飼い主はしっかりと汲み取って満たしてあげなければなりません。生活な場所で苦痛を伴うことなく快適に暮らしたいという生理的欲求や安全欲求を満たすことは、飼い主の最低限の義務だと思います。
行動欲求に関しては犬の性格や気質、家庭環境によっても異なることなので、日頃から犬を観察し「どんなことに喜び、何を望んでいるか」ということを把握してあげることが大切です。もちろんそのすべての欲求を満たすことは無理かもしれませんが、共に楽しく幸せに生きていくために犬の心の声に耳をかたむけられる飼い主でいたいですよね。