犬は飼い主に似るって本当?
皆さんは「犬は飼い主に似る」という都市伝説的な話を聞いたことはありますか。他にも「ペットは飼い主に似る」という噂もありますが、ペットの中でも犬は特に飼い主に似やすいと言われることが多いです。
たしかに犬は人間と共存してきた歴史が非常に長い動物です。しかし、だからといって一緒に過ごしていくうちに種族の違う人間と犬が似てきてしまうということがあるのでしょうか。
犬を飼っている人ならば聞いたことがあるこの噂、本当なのかどうか、そしてこの噂が囁かれている理由について、今回は確認していきましょう!
「犬は飼い主に似る」と言われている理由
まずは「犬は飼い主に似る」という話が生まれた理由から見ていきましょう。単に何の根拠もない噂かと思えば、実は「たしかにそうかも」と妙に納得してしまうような理由から「犬は飼い主に似る」と言われていたのです。
迎える際に自分と共通点のある犬を選んでいる
人間は自分が見慣れている顔や雰囲気に親しみやすさを感じると心理学的観点からも言われています。例えば、男性が結婚相手に選ぶ女性は不思議と母親に似ている、あるいは共通点がある女性を選ぶといった説があります。
私たち人間が普段から最も見慣れている顔は誰でしょう。家族でしょうか。恋人でしょうか。または友達でしょうか。実際のところ、身だしなみをセットするため、お風呂に取り付けられている鏡など、自分の顔を見る機会が最も多いと言えます。これはすべての人に当てはまるでしょう。
そして家族として迎え入れる犬を選ぶ際、無意識の内に自分とよく似ている、あるいは共通点のある顔を持つ犬を選びやすいとされています。そのため、「なんとなく飼い犬が自分に似ている気がする」や「あの人の家のわんちゃん、あの人になんとなく顔が似ているよね」という会話が生まれるのです。
飼い主の生活スタイルに犬は合わせるため
犬の顔だけでなく、性格も飼い主に似ることが多いという話があります。むしろ、顔よりも性格が飼い主に似てくる犬の方が多いと言えるでしょう。皆さんも「わんちゃん、あなたに性格がそっくりね!」なんて言われたことはありませんか?
これは飼い主の生活スタイルが関係しています。飼い主が活動的でいろいろなところに愛犬を連れて行くような人であれば、愛犬もそれに合わせ自然と活発な犬になります。対してインドア派で落ち着いた時間を好む飼い主であれば、犬も同じように大人しく落ち着いた性格になることが多いです。
犬は1匹では生きていけません。飼い主に依存していると言っても過言ではないため、飼い主の生活スタイルや性格に合わせて行動することにより、飼い主と似た性格の犬になる傾向が強いのです。もちろん、すべての犬に当てはまるわけではありません。
実はこの噂については証明されている!
ここまでの理由は「犬は飼い主に似る」という話が広まった理由の一説に過ぎません。そのため、「でも噂でしょう?」と思う方もいるでしょう。しかし、実は近年、犬の研究においてこの話が証明されたのです!
性格についてはアメリカの大学の研究者が集まってもらった飼い主に対し、自分自身と飼い犬の性格に関するアンケートを記入してもらいました。その犬の頭数は1600頭以上にものぼりました。
その結果、他人との同調性が高い飼い主の場合、飼っている犬も活発で元気な性格である傾向が他の飼い主に比べて2倍も多く、誠実で真面目な飼い主の場合、飼い犬はしっかり訓練されている(しつけが行き届いている)傾向が非常に強かったのです。
他にも神経質な飼い主の飼い犬は臆病で怖がりといった傾向が他の犬より強かったり、常に冷静で落ち着いている飼い主であれば飼い犬も落ち着いている傾向にあったのです。このように犬の性格と飼い主の性格は非常に共通点がある、あるいはできるようになることがわかったのです。
もちろん、アンケートを採った対象は飼い主、つまり人間であるため、人間側の感じ方のみの調査結果です。そのため、この話が100%裏付けられる調査ではありませんが、この話が一歩本当の話に近付いたことは事実です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。まだまだ研究途中のこの噂ですが、たしかに周りのパートナー同士を見ていると「なんとなく似ているかも」と思いますよね!ぜひ皆さんも自分と愛犬の共通点を改めて探してみてください。新しい発見があるかもしれません。