ストレス①コミュニケーション不足
人間と暮らす犬にとって最大のストレスとなるのは、やはり飼い主との関係性に関する問題だと思います。特にコミュニケーション不足や愛情不足、家族の不仲などが挙げられます。犬は基本的に家族との関わりを求める動物で、そこに喜びを感じます。
飼い主が留守がちで家にいる時間が短い場合や、家にいたとしても声かけやスキンシップなどのコミュニケーションがとられていない場合などは、犬に精神的なストレスがかかると考えられます。また、夫婦間や家族間で日常的に喧嘩があったり不仲であったりすることが感じ取れるような状況でも、犬は大きなストレスを感じるでしょう。
犬にとってコミュニケーションは大きな喜び
犬にとって飼い主から声をかけられたり目を合わせてもらったり、散歩に出かけたりマッサージをしてもらったりといったことは、とても大きな喜びになりストレス解消にもなります。留守番が長い家庭では短い時間でも愛情をかけてコミュニケーションをとるように心がけるなど、接し方に工夫をして家庭内でのストレスをできるだけ減らしてあげるようにしてください。
ストレス②環境の変化
犬は臨機応変が苦手な動物でもあります。しつけの面においても条件が異なる状況で同じ行動をする「般化」が難しく、一度覚えたしつけでも繰り返し様々な条件下で練習しなければ確実には覚えられないと言われています。
つまり、犬は自分を取り巻く周囲の環境の変化に敏感で心理的な影響を受けやすいと考えられます。そのため、飼育環境においても引っ越しが繰り返されるなど、変化があまりにも多いとストレスを感じてしまいます。引っ越しだけでなく、部屋の模様替えをしただけでもこれまで覚えていたトイレのしつけを忘れてしまうこともあります。
多くの犬は環境が変化することで不安や緊張を感じます。そのストレスを緩和するためには、変化した環境が落ち着き整うまではコミュニケーションを多くとるなど、いつも以上に様子を観察してあげるようにしましょう。
ストレス③不適切な運動・刺激
犬は遊んだり散歩をしたりすることが大好きで、運動不足や刺激不足は犬にとって肉体的にも精神的にもストレスとなります。散歩にいくことは単純に体力をつけたり発散したりするだけでなく、外の空気に触れ様々な音を聞いて、人や犬、猫、鳥、虫などを見るなどあらゆる刺激を受けることができます。それは精神的な充足感を得られるもので、ストレスの発散にもつながります。
犬の適正に合わせた運動が大切
運動は走ることだけでなくボール遊びやフリスビー、引っ張りっこ、アジリティなどそれぞれの犬によって好みも適正も異なります。犬の好みや適正に合わせた運動を行うことはとても大切なポイントです。また、過度な運動もストレスになりうるので注意しましょう。特に若い犬や遊びが好きな犬は自分の体力や疲労について意識することなく動き続けるので、体に負担がかかりすぎないよう飼い主がコントロールしてあげることも必要です。
まとめ
飼い犬の生活はその全てが飼い主によって左右されるものです。コミュニケーション・散歩・しつけ・遊び・食事などその全てが飼い主の判断で行われるため、犬の生活の充実度やストレスも飼い主次第ということを覚えておきましょう。
犬にとってもストレスは大きな問題で、不安障害やうつ病など精神疾患につながることもめずらしいことではありません。愛犬の生活が楽しく安定したものであるよう、日頃から様子をしっかりと観察しながら共に暮らしていけるように心がけましょう。