犬の寿命は犬種によって違うの?

犬の寿命は犬種によって違うの?

さまざまな大きさ、体格を持つ種類が存在するのが犬という動物の特徴。犬の寿命というのは犬種によってそれぞれ異なるものなのでしょうか?ここでは人気犬種の平均寿命と、寿命を左右する要因について解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬の寿命は犬種によって異なる

階段の上で伏せているバーニーズ

犬の平均寿命はこの30年ほどの間に急激に伸びており、全犬種をあわせた平均寿命は約13歳で30年前から5歳以上長くなっています。これは動物医療の進歩やドッグフードの改良、犬の飼育や健康に関する知識の普及などによるものだと考えられています。
犬の寿命は犬種によって違うとされていますが、特に体の大きさが影響を与えるとされています。犬の寿命は体が大きいほど短くなる傾向にあり、体重5kg前後の小型犬と体重30kg以上の大型犬では、平均寿命に3年以上の差があらわれるというデータもあります。

代表的な小型~中型犬種の平均寿命

つぶらな瞳のトイプードルの顔アップ

  • ミニチュア・ダックスフンド…13~15歳
  • トイプードル…13~15歳
  • チワワ…12~14歳
  • パピヨン…13~15歳
  • イタリアン・グレーハウンド…14~15歳
  • シー・ズー…12~14歳
  • ヨークシャーテリア…13~15歳
  • 柴犬…14~15歳
  • ビーグル…13~14歳
  • ミニチュア・シュナウザー…13~14歳
  • MIX犬(10kg未満)…14~15歳
  • MIX犬(10kg以上20kg未満)…13~14歳

あくまで目安の数値になります。

小型犬の寿命の傾向

トイプードルやミニチュア・ダックスフンドなど日本では絶大な人気を誇る小型犬。様々な犬種の中で体重5~10Kgの小型犬種は平均寿命が14.5歳と最も長いとされています。体重が重いほど平均寿命が短くなる傾向にあると言いましたが、実は体重が軽ければ軽いほど平均寿命が長くなるというわけではないようです。体重5Kg以下の超小型犬種の平均寿命は13.8歳とされているため、体重5~10kgの小型犬種よりも短いのです。

その理由としては、日本における「動物は小さければ小さいほどかわいい」という風潮の影響から、体の小ささゆえに疾病が起こる可能性があるにも関わらず、無理な交配をしたりする悪徳ブリーダーなどの存在もあると考えられています。犬種の平均体重よりもあまりにも軽い場合は、関節や内臓器などにトラブルが起こる可能性もあるので注意しましょう。

代表的な大型犬種の平均寿命

散歩中の二頭のラブラドールレトリバー

  • ゴールデン・レトリーバー…11~12歳
  • ラブラドール・レトリーバー…11~13歳
  • グレート・ピレニーズ…10~12歳
  • ドーベルマン…10~11歳
  • シベリアン・ハスキー…11~13歳
  • ジャーマン・シェパード・ドッグ…10~12歳
  • セント・バーナード…8~10歳
  • グレートデン…6~8歳

こちらもあくまで目安になります。飼育環境など個体差がありますので注意してください。

小型犬に比べて大型犬の方が平均寿命が短いことは犬を飼っていれば多くの人が知っていることだと思います。大型犬の平均寿命が短くなる要因は以下のようなことが考えられています。

大型犬は体の大きさに対して内臓が小さい

大型犬の内臓器は体の大きさとの比率を考えると、小型犬に比べてやや小さいと言われています。血液を運ぶためのポンプとなる心臓もその傾向にあり、大きな体全体に酸素や栄養素を含んだ血液をめぐらせるためには大きな負担がかかります。はっきりしたことは解明されてはいないですが、心臓に負担がかかるだけでなく、他の内臓器を含め全身の酸化も進みやすいとも考えられているため、老化が早まったりガンの発生率が高くなったりするのではないかとも言われています。

大型犬のかかりやすい病気とも関係がある

また、大型犬は体重の重さや遺伝的な要因から股関節など関節や骨格系に異常があらわれやすい傾向にあります。足腰が悪くなると運動能力が落ち、それに伴って筋力や体力が低下します。それらは犬が病気にかかったときなどの抵抗力にも大きく影響し、回復しにくくなるとも考えられます。 さらに、ドーベルマンやグレートデンなど大型で胸の深いタイプの犬種は「胃捻転」や「胃拡張」といった命にかかわる病気にかかる可能性が高いため、それらも平均寿命を短くすることに影響があるとされています。

<まとめ>犬種による寿命の違いについて

座って集まる七頭のハウンド系犬種たち

犬は犬種や体格の違いでその寿命も異なると考えられます。それぞれの犬種には遺伝的に抱えやすい疾患などもあるので、愛犬の持つ危険要素などはしっかりと把握しておいてあげてください。また全体的にオスよりもメス、純血種よりも雑種の方が長生きするというデータもあります。雑種が長生きするのは犬種による遺伝性疾患が起こりにくいことや長い時間の中で適応能力や体力に優れた個体が生き残って交配されてきたことが影響するのではないと推測されています。

飼い主は愛犬にとっての“ホームドクター”とも言われ、寿命を大きく左右する病気の早期発見のために重要な存在となることを忘れないでください。特に超小型犬や超大型犬など体に負担がかかりやすく、特別な注意が必要な犬種は体調管理をしっかりと行い日頃からちょっとした変化にも気がつけるように観察してあげるようにしましょう。

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