子犬~シニア犬になるまでの身体の変化①「筋肉と骨の変化」
子犬や成犬の筋肉には柔軟性がありますが、シニア犬に近づくにつれて、筋肉は硬くなっていきます。子犬や成犬の頃には丈夫だった骨も、シニア犬に近づくにつれて弱くなり、もろくなっていきます。
筋肉には、骨と骨を繋ぐという重要な役割があります。柔軟性に優れた子犬や成犬の筋肉は、その役割を十分に果たすことができます。しかし、その筋肉が柔軟性を失い、硬くなってしまったらどうでしょう。骨や身体をスムーズに動かすことができなくなってしまい、転倒したり、ケガをしやすくなったりしてしまうかもしれません。シニア犬に起こりやすいことです。
更に、骨が弱く、もろくなってしまっていた場合、ちょっとした転倒でも骨折してしまうかもしれません。そのまま歩けなくなってしまったり、寝たきりになってしまったりする可能性もあるでしょう。
子犬~シニア犬になるまでの身体の変化②「歯の変化」
子犬~成犬の歯の生え変わり
犬の歯の数をご存じでしょうか。乳歯は28本、永久歯は42本です。子犬の歯は、生後4か月頃になると、乳歯から永久歯へと生え変わり始めます。個体差はありますが、早ければ生後7か月頃までに、遅くても1歳頃までに、全ての歯が永久歯になります。
成犬になっても乳歯が抜けないことも…
成犬になっても乳歯が抜けず、乳歯と並んで永久歯が生えてしまうことがあります。二重歯と呼ばれていますが、超小型犬や小型犬に多く見られます。噛み合わせも悪いですし、乳歯と永久歯の間に食べ物が挟まりやすくなります。そうすると、歯石や口臭や歯周病の原因になりやすいです。
成犬~シニア犬の歯の変化
成犬やシニア犬に起こりやすいのが、口内環境の悪化です。
- 口臭がきつくなる
- 歯石が目立つ
- 歯が抜ける
- ドライフードを噛めない
このような変化が見られたら、口内環境が悪化しているサインです。軽度なものから重度なものまでありますが、成犬やシニア犬の多くが歯周病を抱えているとされています。歯周病が悪化した場合、頬を突き破って膿や血が出たり、歯や顎の骨まで溶かしたりしてしまうことがあります。
また、口内の細菌が血液と一緒に全身に運ばれてしまうと、恐ろしい病気を発症させてしまうこともあります。歯石は細菌のかたまりである、と考えても良いかもしれません。
子犬~シニア犬になるまでの身体の変化③「被毛の変化」
子犬~成犬の被毛の色柄の変化
ほとんどの犬種が、成長とともに被毛の色が濃くなります。薄かった色が濃くなる犬、曖昧だった柄が明確になる犬、被毛の一部分だけ色が濃くなる犬、などがあります。子犬の頃は、クリーム色だった被毛が、成犬になるとブラウンになることもあります。子犬の頃には見られなかった模様が、成犬になってから出てくることもあります。子犬から成犬になる過程において、よく見られる被毛の変化です。
成犬~シニア犬の被毛の色柄の変化
シニア犬になる頃には、また新たな被毛の変化が見られるようになります。濃いブラウンだった被毛が、薄いブラウンになった、クリーム色になった。全身が真っ黒だった被毛に、白髪が交じるようになった。身体が大きく見えるほど毛量が多かったのに、身体が少し小さくなったのではないかと錯覚するほど毛量が減った。
このように、被毛の色素が薄くなる、被毛の量が減る、といった変化が多く見られます。成犬の頃にはあった模様が、シニア犬になると消えてなくなった、という変化も見られるかもしれません。
子犬~シニア犬の被毛の美しさの変化
また、子犬の頃はふわふわでやわらかかった被毛が、成犬になると更にふんわりとサラサラになります。ツヤがあり美しく、ボリュームのある被毛になります。シニア犬になる頃には、ツヤ・ハリ・コシなどが失われることがあります。ふんわり感やサラサラ感が失われ、ボリュームがなく、パサパサとした手触りになることもあります。
まとめ
犬の成長は本当にあっという間です。子犬から成犬への身体の変化には、嬉しいこともたくさんあります。歩けるようになった、ミルクから離乳食になった、それだけでも大きな変化ですよね。
成犬からシニア犬への身体の変化には、悲しいこともたくさんあります。シニア犬には「老化」「衰え」「介護」「寝たきり」などの言葉が思い浮かんでしまいがちです。しかし、正しくケアしてあげることで、いつまでも若々しく美しく健康でいられます。シニアライフも愛犬と飼い主さんが楽しいものであると、私も嬉しいです。