犬を人間のように扱うリスクとはどんなことか
愛するが故に、ついつい犬を人間と同じように扱ってしまってはいませんか?もし愛犬を人間と同じように扱っていたら、どんなリスクがあるのでしょうか。
1.咬みつき事故が起きてしまう
当たり前のことですが、人間と犬は異なります。私たちが相手に気持ちを伝えるときは言葉でそれを表現しますが、犬の場合は吠えることや咬むことで自分の意志を伝えようとします。
犬の牙はとても鋭く、顎の力はものすごく強いため、咬まれると大怪我を負ってしまいます。犬を人間と同じように扱って、自分や家族を咬むことなどないと信じ込んでしまうと危険です。犬が人間を咬まないようにするためには、愛犬と飼い主さんの信頼関係をしっかり築くことと、犬はどのようなことをされるのが嫌いかを知っておくことが大切です。
人間の子供を可愛がるときにおでこあたりを撫でることがありますが、犬を人間扱いして同じことをすると犬は嫌がります。このように、人間にとっては嬉しいことでも犬にとっては不快ということがあるのです。
そして、犬の行動で怒っているかどうかを確認することができます。低い声で唸っている、耳が後ろに倒れている、尻尾を後ろ足の間に巻き込んでいるなどの様子が見られたら、怒っているか非常に警戒している証拠です。人間とは違うこのような犬の行動を知っておくことで、咬みつき事故を防ぐことができます。
犬を人間のように扱って犬の行動を理解せず、しつけをしないと思わぬ事故が起きてしまう恐れがあります。
2.人間の食事は犬の身体によくない
人間の食事は犬にとっては塩分が多すぎ、健康に悪影響を与えてしまいます。そして、私たちが食べるものはほとんどのものが味付けされているので、犬には適していません。
また、ネギ類やチョコレート、アボカド、レーズンなど、犬が食べると中毒症状があるものや最悪の場合は命を落としてしまう食べ物が存在します。犬を人間扱いして人と同じものを食べさせてしまうと愛犬の健康を害するだけでなく、危険にさらすことになってしまうのです。
そして、人間の食べ物ではなく犬用のフードだとしても人間扱いして、可愛いからと欲しがるだけ与えていたら肥満の原因になるので注意が必要です。
3.犬の精神状態に影響する恐れがある
愛犬が可愛いのは分かりますが、日頃から人間の子供のように扱っていたら犬自身にとって精神的によくない影響を及ぼす可能性があります。溺愛しすぎることで愛犬が分離不安症になってしまう恐れがあるのです。
分離不安症とは、飼い主さんがそばにいないと大きなストレスを感じてしまう心の病気です。分離不安症になると飼い主さんが出かけようとすると吠えて引き留めようとする、トイレ以外の場所でおしっこをしてしまうなど、問題行動を起こすことがあります。犬を人間のように扱ったら、飼い主さんによる過度な関わりによってストレスを感じることがあるので注意が必要です。
4.お手入れしすぎはよくない
人間は毎日のようにお風呂に入って身体や髪の毛を洗いますが、犬を人間のように扱って毎日お風呂に入れたら、身体にとって必要な脂分を取り除き、皮膚病の原因になってしまう可能性があります。
犬のシャンプーは1か月に1回程度で十分です。少し汚れてしまったときはぬるま湯で濡らしたタオルで身体を拭く程度でいいでしょう。
5.犬の社会性に影響を与える
犬は散歩中やドッグランで知り合った犬とじゃれ合うなどして社会性を学びます。しかし、人間扱いされた犬は他の犬と関わるのを嫌がるより、犬本来の感情や楽しさを味わえなくなってしまいます。犬同士でしか感じることができないことを人間扱いすることで感じさせることができなくなってしまうということになるのです。
まとめ
犬を人間の子供のように接してしまうことで、どのようなリスクがあるかご理解いただけたでしょうか。
犬を可愛がることはいいことですが、人間扱いすることは犬自身のためにも良いことではありません。犬と人間は違うということを今一度しっかり認識して、愛犬を人間扱いすることなく一線を引いて接することが、犬のためにも大切なのです。