愛犬家は禁煙すべき?タバコが犬に及ぼす影響2つ

愛犬家は禁煙すべき?タバコが犬に及ぼす影響2つ

愛犬家のみなさんの中にも喫煙者の方は大勢いると思います。ですが、タバコは犬にとっても悪影響を及ぼす危険要因となることを決して忘れずに、タバコの吸い方や管理には十分注意を払うことが必要です。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬への影響①タバコの副流煙による健康被害

診察を受けるラブラドール

タバコから出る副流煙には主流煙の数倍ものニコチンが含まれ、それ以外の発がん性物質なども副流煙により多く含まれているものがあるということがわかっています。そのため、実際にタバコを吸っている人よりも副流煙を吸っている人の方が健康リスクが高いとも言われ、その影響で喫煙スペースがかなり限定されるようになったり、ニコチンやタールを煙(蒸気)に含まない電子タバコが広く流通するようになってきました。そうしたタバコの副流煙による健康リスクは人だけに限らず、犬にも悪影響を及ぼすという研究結果も複数出ています。

考えられる健康被害

副流煙による健康被害として、まず犬が副流煙を吸い込むことによる呼吸器系への影響があげられます。喫煙する人がいる家庭で飼われている犬の気管には、喫煙者本人の肺が黒くなるのと同様に炭粉が沈着していることも分かっています。また、人間で喫煙との関係が強いとされている鼻腔がんや副鼻腔がん、肺がんは、喫煙者がいる家庭で飼われている犬でも多く発症している、という報告もあります。その報告では、特にダックスフンドやコリーのように鼻の長い犬種では鼻腔がんの発生率が高く、マズルが短い短頭犬種では肺がんの発生率が高かったそうです。

【副流煙によるペットへの影響についての補足】

上述のように副流煙を吸い込むことによる呼吸器へのダメージや発がん物質の摂取の他にも、副流煙に含まれる様々な有害物質がペットの毛に付着し、ペットが自分の体を舐めることによってタバコ由来の有害物質を摂取してしまい健康被害を引き起こすことも分かっています。体を舐めることで摂取してしまう有害物質による悪影響は、頻繁に毛づくろいをする猫で犬よりも大きく、猫ではタバコとの関連が疑われている口腔がんがあります。また、犬や猫でタバコの副流煙によって発生率が高くなっていると疑われている病気には、呼吸器系の病気以外にもリンパ腫やアレルギー性皮膚疾患、心臓病である僧帽弁閉鎖不全症などがあります。

《参考》

獣医師:木下明紀子

犬への影響②タバコの誤飲の危険性

灰皿のタバコ

犬が起こしやすいトラブルの中に「誤飲」があります。特に好奇心が強く、どんなものにも興味を示す子犬の時期や“動く胃袋”などと呼ばれるほど食に貪欲さを見せたり、いたずらであらゆるものを口にしてしまうラブラドールレトリバーのような犬種は特に注意が必要です。誤飲の中でもタバコは特に注意しなければならないもので、場合によっては命をおびやかす可能性もあるのでタバコそのものや吸い殻の管理は徹底しなければなりません。

タバコの誤飲によって起きる健康被害

タバコの誤飲や吸い殻の処理で溜まった水を口にしてしまったりするとニコチン中毒になる可能性があり、ニコチンの量によっては死に至ることもあります。ニコチン中毒の症状には、嘔吐や元気がない、よだれ、心拍数が増える、低血圧、痙攣、呼吸困難などがあります。誤飲の際はすぐに吐き出させることが大事ですが、簡単にできることではないので自宅で吐かせようとするよりも一刻も早く動物病院に電話をし、すぐに連れて行くようにしてください。

また、タバコを吸う場合にはライターが必要になります。いたずらでライターを噛み壊してしまう犬もおり、非常に危険なためタバコ同様にライターの管理にも十分気をつけましょう。

飼い主がタバコを吸う場合に気をつけるべきこと

煙草を吸っている女性と犬

飼い主がタバコを吸う場合はまず室内や車内、犬のすぐそばでタバコは吸わないようにすることが必須です。副流煙による健康被害は上記で説明した通りで、「ちょっとくらい大丈夫」と見過ごせる程軽いものではありません。そのため、一番良い方法は禁煙をすることですが、禁煙しない場合には、タバコは犬がいない場所、その後も入ってこない場所でだけ吸うか外に吸いに行ってください。

また、誤飲や事故を防ぐためにタバコの吸い殻、灰を部屋に残しておくことは絶対にしないでください。火消しのためにキッチンなどで吸殻を水につけておいたり、生ゴミ用のゴミ箱に入れているという人もいると思いますが、留守番中などであればそうしたものも犬が口にしてしまう可能性がある、量によっては命にかかわったり長い目で見るとがんになりやすくなったりするということをしっかりと認識して徹底した管理を心がけましょう。禁煙のためのニコチンパッチやニコチンガムも同様に、決してペットが口に入れることがないように管理しましょう。

<まとめ>タバコが犬に及ぼす影響について

煙草を吸殻を持つ手と犬

最近ではライターを必要としない、ニコチンやタールが煙に含まれていない電子タバコも広く普及してきています。そのため、「電子タバコなら副流煙もないし安全」と思っている人もいるようですが、電子タバコでも健康被害の可能性はあると考えるべきですし、管理には十分気をつけた方がいいと思います。喫煙の習慣は個人の自由ですが、それが大切な愛犬の健康にも悪影響を及ぼしてしまったり思わぬ事故を引き起こす可能性があるということを忘れないようにしましょう。

【加熱式タバコと電子タバコについての補足】

加熱式タバコは、電気を使ってタバコを加熱し、発生した蒸気を吸うタバコです。臭いや煙が少ないことは大きなメリットのようですが、タバコの葉を燃やさないためにタールの含有量は抑えられているものの、蒸気にはニコチンをはじめとした有害物質が従来のタバコと同様に含まれています。
電子タバコは、電気を使って液体(リキッド)を加熱し、発生した蒸気を吸うタバコです。日本で販売が許可されているリキッドはニコチンを含まないものだけですが、個人輸入という形で日本でもニコチン入りリキッドを購入することが出来ます。ニコチン入りリキッドを使用すれば蒸気中にニコチンが含まれるのは当然のことですが、それ以外にも様々な揮発性物質や重金属が含まれ、使用者だけではなく従来のタバコと同様に受動喫煙の危険性も指摘されています。
加熱式タバコや電子タバコといった新型タバコは、煙が見えないので健康に害がないのではと思われがちですが、そんなことはない上に煙(蒸気)が見えにくい分、余計に気を付けなければいけないのかもしれません。喫煙者自身と周囲の人々だけではなく、ペットの健康のためにもどんなタイプのタバコも使用しないのがベストです。

《参考》

獣医師:木下明紀子
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