犬は飼い主を守る?
犬が人間を守った話
世界には犬が飼い主さんを守った話が数多くあります。
例えばアメリカで発生したとある火災事故では、その家で飼っていた犬が逃げ遅れた女の子の上に覆いかぶさるようにした状態で発見されたといいます。女の子は助かりましたが、犬は死亡してしまいました。
またアメリカの別の地域では、犬が真夜中に両親を起こし、赤ちゃんの呼吸が止まっていることを知らせるようなそぶりを見せ、その後赤ちゃんは無事に蘇生しました。
このように犬が飼い主さんを守った話はテレビやネットのニュースなどで見ることができます。
もしかすると身近なところでもちょっとしたエピソードがあるかもしれません。
近づいてきた猫を追い払ったり、怪しい人間に対して威嚇するのも飼い主さんを守ろうとする気持ちが起こした行動だと言えるでしょう。
犬はどうして人を守るの?
スイスの大学によれば、犬は人間に対して共感する感情がありそれに基づいて行動している可能性があるということです。
例えばあくびがうつることも共感のひとつであると言えます。
人間との絆が深ければ他の動物とは異なり、一定のレベルまで人間の心がわかるようになったといいます。
犬が絆を作る方法は人間の親子が絆を作る過程に似ているそうです。
赤ちゃんが親の目を見るとき、赤ちゃんと親の両方の体内でオキシトシンと呼ばれるホルモンが放出され気分が良くなり赤ちゃんのことを守りたい、助けたいと思うようになるといいます。
犬と人間の間でも似たようなことが起きているそうです。
ただこれが命をかけて人間を守る理由とまでは言えないので、未だに未解決の部分が多いと考えられています。
感情の部分では理解できますが、科学的な答えは今のところは存在しません。
犬が守るときの3つの行動
1.吠える・噛みつく
知らない人や犬に対して吠えたり、噛みつくような行動をとることがあります。
これは犬が飼い主さんや家族以外の人や犬に慣れていないから起こることが多いのですが、それとは別に飼い主さんを守ろうとする行動として行うこともあります。
例えば普段おとなしい犬でも誰か知らない人や犬が飼い主さんに近づいて、危害を加えようとしたとします。
そんなときには吠えたり、噛みついたりして飼い主さんを守ろうと必死になります。
普段から吠えたりしている場合は人や犬に慣れていない可能性が高いので、慣れるようにトレーニングすることで対処しましょう。
2.間に割って入る
人間や他の犬、動物が飼い主さんに近づいてきたときに間に割って入ることがあります。
これ以上飼い主さんに近づけないようにけん制しているのかもしれません。
また口喧嘩やネガティブなことが起こっているときにも犬は間に入ってくることがあります。
これはどちらかの味方というよりも、喧嘩を止めようとして行っていることで喧嘩をやめてほしいという合図です。
犬を心配させてまで喧嘩をするのは良くないですよね。そういう場合は喧嘩をやめて犬を撫でてあげたり、優しく声をかけてあげたりするようにしてください。
犬も安心して普段どおりの生活に戻るはずです。
3.飼い主さんについて歩く
飼い主さんのそばを離れずについて歩く犬もいます。
ただたんに寂しがりやだったり、分離不安から離れないということもあるかもしれませんが飼い主さんを心配して守る意思を持ってそばにいることもあります。
とくに子供のそばにいる場合はそういったことが多く、犬にとっても子供は守るべき存在だということになります。
もちろん個体差があり、子供であっても守らずにいたり、逆に危害を加えてしまう犬もいるので日頃の犬との関係などを見ておきましょう。
また子供と犬だけでは万が一のことがあったときに対処ができたいため、ふたりきりにはせず大人が見ているようにしてください。
犬はいつでも待てやおすわりをすぐできるようにトレーニングをしておきましょう。それができていると周りの人も安心です。
まとめ
犬が飼い主さんを守ろうするのは本能である部分と、人間に共感した結果できた絆からの部分とがあります。
きっと本能だけだと、もしかしたら飼い主さんをおいて逃げてしまうかもしれません。
しかし飼い主さんとの絆によって、守ろうという気持ちが生まれてくる場合もあります。
人間の親子が絆を築いていくのと同じように、犬と人間、犬と飼い主さんは絆を築いていくことができるとされています。
ただ、犬が飼い主さんを守ろうとする姿は感動的かもしれませんが、ピンチに陥ってるわけでもないのにずっと守ろうとするのは少し問題があるかもしれません。
実際に人間や犬に噛みついたりしたら一大事です。
そんなことになってしまう前になんらかの対処をしておく必要があります。
飼い主さんが犬を不安にさせている可能性もあるので、犬に大丈夫であることをアピールしたり、いつでも待てやおすわりができるようにトレーニングをしておくことも大切です。