犬の寿命が延びた理由①動物医療の進歩
犬の寿命が延びた理由として第一に挙げられるのは、やはり動物医療の進歩でしょう。一昔前では助からなかったような病気が薬を飲むだけで完治することが可能になったり、簡単に病気の発見ができる健康診断の方法が確立してきたりと犬を取り巻く医療の世界は日々進歩しているのです。また、ただ命をつなぐことだけではなく人間同様にQOL(Quality of Life)が重視されることもあります。動物医療の進歩とともに、犬の命や犬が“生きること”への考え方にも変化が出てきていると考えられます。
犬の寿命が延びた理由②食生活の変化・向上
犬の健康にとって日常的に大きな影響を及ぼすのが食事です。犬の食生活は以前に比べ格段に良くなっていると思います。“番犬”だった犬が“家族”“パートナー”という位置づけになり、食事を含む生活環境の向上が見られています。生きていくために必要なカロリーを摂取するためだけの食事ではなく、それぞれの体質や体調に合わせた食事を摂れるようさまざまなドッグフードが開発されています。以前はほとんど気にされることもなかったドッグフードに含まれる添加物の体調リスクや危険性などにも注目が集まり、今後もさらなる改良が進んでいくと思われます。
また、手作り食を取り入れている人もめずらしくなく、犬用のサプリメントやハーブなどもあり体調管理に役立つ犬の食事用の材料も豊富。安心して食べることができる“食の安全”は人間だけでなく、犬の世界でも広まってきているのです。
犬の寿命が延びた理由③室内飼いの増加
日本では一昔前まで犬は外で飼うのが当たり前でした。今でも土地が広く庭のあるような地域であれば犬を外で飼っていることもあると思いますが、ペット可マンションや賃貸物件も増え、都市部で飼育されている犬のほとんどが室内飼いだと言われています。室内で生活することで衛生面や気温の変動に犬の体調が左右されることが減少し、フィラリアなど寄生虫感染のリスクも格段に減りました。
また、室内で飼うことで犬と飼い主のスキンシップなどコミュニケーションの機会が増加し、それによって体調不良などに気がつきやすく病気の早期発見・早期治療につながっているとも考えられています。犬の健康管理において最も手軽で効果的な方法、そして長生きの秘訣としても飼い主とのスキンシップはとても重要なことです。ぜひ日頃から見る・触るといった観察を含めたコミュニケーションを取るように心がけましょう。
<まとめ>犬の寿命が延びている理由について
犬の寿命はここ30年で約2倍の長さになっています。それは驚異的な数字ですが、今後もまだその伸びしろはあると考えられています。犬の寿命が延びたことは愛犬家にとって幸せなことですが、いいことばかりではなく高齢化による介護の問題など考えなければならないことも出てきています。
犬を飼い始めるときには犬の平均寿命を考えて本当に最期まで面倒を見ることができるか、また介護や治療にかかる費用は確保できるかなどしっかりと考えておく必要があります。愛犬と過ごす時間が長くなったことは本当にうれしいことです。だからこそ、最期までお互いに幸せな時間になるようにシニア期に入る前から「何ができるか」「何をしなくてはいけないのか」ということを考えておかなければならないのかもしれません。