犬の歯がぐらぐらする要因
乳歯から永久歯への生え変わり
犬は、人間のように乳歯から永久歯へと歯が生え変わります。だいたい、生後3週間ぐらいから乳歯が生え始め、約2ヵ月で上が14本、下14本、計28本の乳歯が生えそろいます。そして、月齢3~7ヵ月の間に乳歯が抜けて、永久歯に生え変わります。この時期の子犬の乳歯がグラグラしているのは、正常な成長の過程なので心配はいりません。
歯の脱臼
歯は、歯根膜(しこんまく)と言う繊維によって歯槽骨(しそうこつ)と繋がっています。膝や肩が強烈な力を受けると、骨と関節を繋いでいる腱が切れたり伸びたりして脱臼することがあるように、歯もなんらかの強い衝撃を受けると、歯根膜(しこんまく)に損傷を受けて歯槽骨と歯を固定できなくなり、脱臼します。そうすると歯がぐらついてきます。
歯周病
歯周病が進行し、歯を支えている歯肉が溶けてしまったために歯がグラグラするようになります。
口腔内の腫瘍
悪性であれ、良性であれ、口腔内に出来た腫瘍によって歯がグラついてしまうことがあります。
犬の歯がぐらぐらする時の対処法
とにかく、「歯がグラグラしている」ということは、「歯が抜けかかっている」ということです。その原因を確定しないかぎり、対処法も確定出来ません。
愛犬の歯がグラグラしていると気が付いたら出来る限り早く、獣医さんの診察を受けましょう。歯科専門の先生に聞いてみてもいいですが、いきなりは不安と言う方は、特に、シニア犬だったり、普段から心臓、呼吸器系、アレルギーなどでかかりつけの獣医さんに診て貰っている場合は、まず、そのかかりつけの先生の指示を仰いでから、治療を進めていきましょう。
犬の歯がぐらぐらする時の注意点
顔全体が腫れていないか
口腔内に炎症が起きている可能性があります。
両方の歯を使っているか
食事をしている時や、何かを噛んでいる時に片方だけの歯を使っているように見えていたら使っていない方に何か問題が起きているかも知れません。
よだれに血が混じっていないか
口腔内のどこかで出血している場合があります。
口臭が強くなっていないか
口腔内に炎症を起こし、化膿していたり、石のような歯石がくっついていたりすると口臭が強くなります。
口に触られるのを嫌がるようになっていないか
どんなに信頼している飼い主さんでも、犬は痛みがある部分を触られるのを嫌がります。
もしも、口元に触って嫌がるような素振りを見せたら、歯がグラついている以外にも問題がある可能性があるので、注意しましょう。
口腔内にしこりがあるか
「しこり」とは、腫瘍のことです。
悪性の場合は、転移してしまう可能性が高く、手遅れになると命を落としてしまうことになります。ですので、腫瘍の場合は特に早期発見、早期治療が肝要です。
歯茎周辺だけでなく、上あご周辺にもしこりが出来ていたら、上の歯がぐらついてしまう場合があります。
まとめ
ふだんから、愛犬の歯の手入れをしていたら、すぐに歯や口腔内に異常があれば気が付くことが出来ます。抵抗なく、口の中を見せてくれるようになるには、しっかりとした信頼関係を築くことが大前提です。そして、もしも、口の中になにか問題を見つけたら、自己判断せずにかかりつけの獣医さんの診察を受けましょう。