愛犬が言うことを聞いてくれない理由は
犬が飼い主さんの言うことを聞かなくなる理由は,大きく別けるとふたつになると思います。ひとつは飼い主さんの言葉や指示を理解できていない。そしてもうひとつが飼い主さんとの主従関係が壊れているということです。
言葉や指示を理解できない
当然ですが犬は人間の言葉を理解することは出来ません。ご家族で犬を飼っているお家では、何人かでしつけをしていると思いますが、言葉は統一できていますか?子犬で迎え入れた頃は、しつけにも一生懸命で、家族一丸となって統一したコマンドでしつけをしていたと思いますが、成犬になり慣れてきた頃から言葉がバラバラになっていませんか?
犬の知能は人間の3歳児程度と言われていて、複数の言葉で同じ意味の指示を出されても、理解するのが難しいと言われています。すっかり家族の一員となり、その子なりの個性も出てくると、ついつい人間に話しかけるように普通に話しかけることがあると思います。
愛犬に話しかけるのは良いことですが、言うことを聞いて欲しいタイミングで普段のように話かけ、バラバラの言葉で指示を出しても犬は理解することが出来ず、迷うことになってしまいます。愛犬が言うことを聞いてくれなくなったとき、今一度、言葉を統一することを意識してみましょう。
主従関係が崩れている
主従関係とは簡単に言うと、飼い主さんと愛犬の上下関係のことです。この主従関係がしっかりと築けていないと犬は言うことを聞かなくなる事があります。人に飼われているペットと言う存在で、人間社会の最低限のルールを犬には覚えてもらう必要があります。それには飼い主さんと愛犬の間に主従関係がしっかりと出来上がっているかどうかが重要になってきます。
犬が大昔、野生動物だった頃、群れで生活をし群れのリーダーに従いながら生きていました。その習性が現在でも残っていてペットとして飼われる犬は、飼い主さんをリーダーと認めて初めて指示に従うと言う説があります。
しかし近年では犬は飼い主さんとの上下関係を、あまり気にしていないと言う研究結果もあり、どちらが確かなものなのかは犬自身にしか分かりません。
個人的には犬にも犬種による性格や、個体差で主従関係を気にしている犬もいるのではないかと思っています。あまりにも言うことを聞いてくれなくて困っている時は、あらためて主従関係のことも考えてみると良いと思います。
犬が言うことを聞いてくれない時の対処法
言葉やジェスチャーを統一した指示にする
犬のしつけをする時に1番基本的なことです。例えば犬にお座りをさせるにも「お座り、座れ、シット」などがあると思います。言葉の指示と同時にジェスチャーもつけていませんか?我が家はお座りの時は人差し指を立てて犬に見せています。もしジェスチャーもつけて指示を出しているのでれば、言葉も含め全て統一してしつけをしましょう。
どなたか一人だけが頑張っても意味がありません。家族みんなが同じ行動をとる事によって、犬も迷うことなく理解しやすくなります。
甘やかさない
一緒に暮らしている愛犬は、目の中に入れても痛くないんじゃないかと思うくらい可愛いですよね。甘やかしてしまう気持ちも凄く良く分かります。ご飯やオヤツの要求、お散歩の時に犬が行きたい方向に行かせてしまう、遊んでほしい、一緒に眠ってほしい…、など甘やかすタイミングは数え始めるとキリがありません。
しかしこれらの要求に全て応じていると、犬はどんどんわがままになって、さらに言うことを聞かなくなってしまいます。今まで愛犬との接し方はどうでしたか?わがままを許し続けていたのであれば、1度態度を変えてダメなものはダメと教えてあげましょう。
生活環境を見直す
ケージやサークルを使用せず家の中で、愛犬をフリーで飼われているご家庭もあると思います。確かにケージやサークルを使用せず、つねに犬を自由にさせている事でストレスを感じず、のびのびと過ごせる犬もいるようですが、多くの犬は安心できる自分のハウスを必要としています。自分のハウスがない事が逆にストレスになってしまうのです。
また飼い主さんと愛犬の生活空間を分けるためにもハウスは必要です。飼い主さんが使用するソファーやベッドも、人間と同じように犬が自由に使用していると主従関係が崩れやすく、犬は飼い主さんを自分より下と位置付けする可能性があります。犬が言うことを聞かない原因は、もしかすると生活環境にあるかもしれません。ハウスがないご家庭はケージやサークルを用意してみましょう。
主従関係を築く
上記に書いた3つの事は主従関係を築く上でどれも大切なことです。主従関係を築くのに、その他にもいくつか実践していただきたいことがあります。
- 散歩のとき犬を先に歩かせない
- 帰宅時は先に飼い主さんが自宅に入る
- お座り、待て、伏せ、オイデなどの基本的なしつけ徹底する
お散歩の時、愛犬が先頭を切って歩いているのは、自分をリーダーだと認識している可能性があります。飼い主さんより前を歩かせないようにリードを短めに持ってお散歩しましょう。また帰宅時、玄関に犬が先に入るのも、犬をリーダーだと思わせてしまう行動のひとつです。何気ない行動ですが気をつけて見ましょう。
もしも基本的なお座りなどのしつけが出来ていない場合は、指示に従う癖をつけるため簡単なしつけでいいので犬に覚えてもらいましょう。飼い主さんの指示に従い、褒めてもらい、ご褒美のオヤツをもらう、と言う流れを何度も癖付けることで主従関係が良好になってきます。
してはいけない事
愛犬が言うことを聞いてくれないとき、あらためて自分自身の行動や、愛犬に対してのしつけの仕方などを考えると思います。どんなに頑張っても上手くいかなくてイライラしてしまう時もありますよね。
犬は人間の感情を察知するのが非常に得意です。感情にまかせて叱ったり、暴力をふるったり絶対にしないでくださいね。叩く真似だけでもダメです。主従関係どころか信頼関係が崩壊してしまいます。飼い主さんは大らかで寛大な気持ちで接し、愛情の気持ちを愛犬に伝えてあげて下さいね。
まとめ
我が家は4歳になる愛犬と暮らしています。確かに普通に出来ていたことが、急に出来なくなったことも何度かありましたが、そのつど根気良く教えてあげたり、原因を考え何かしらの工夫を行っています。解決したこともあれば、模索中のものもあります。
人間の人生も死ぬまで勉強と言う言葉があるように、犬も何歳になっても、適したしつけはずっと必要なんだと思います。