犬と飼い主と一緒に寝たがる心理
飼い主が寝ているとその布団やベッドに乗ってきて一緒に寝たがるという犬は少なくないでしょう。その理由は飼い主のことが好きでいつもそばにいたいという思いや、飼い主のにおいがついている場所で安心して眠れることなどが挙げられます。その他にもあたたかい、ふかふかしているなど寝心地のいい場所を追求した結果、飼い主の布団やベッドにたどり着いたということもあるでしょう。
また、犬の祖先となる動物は群れで暮らし、それぞれの身の安全のために仲間とくっつくようにして眠ります。その習性の名残で犬は飼い主と一緒に寝たがると考えられることもありますが、寒さや外敵などによる危険を感じていない飼い犬の場合はどちらかというと寝心地や飼い主への愛着が理由になることが多いと思います。
犬と一緒に寝ることの問題とは?
寝ている間の怪我や事故
犬と一緒に寝ていると寝返りを打ったときなどに犬を踏みつけてしまい、怪我をさせてしまうこともあります。犬が熟睡している場合は飼い主が寝返りなどで押してベッドから落としてしまうといった可能性も。そうしたトラブルは体の小さな小型犬の場合に心配されることが多いですが、大型犬の場合でも脚や尻尾など神経の敏感な部分を踏んでしまうと犬がびっくりして無意識に飼い主を噛むなど事故が起こる危険性もあります。
しつけの乱れ、飼い主との関係性
犬と飼い主が一緒に寝ること自体に問題はありませんが、飼い主の布団やベッドを自分の居場所と勘違いして飼い主が乗ることを許さないようになったら大きな問題となります。中には飼い主が布団やベッドで寝ようとすると唸る、噛むなどの威嚇行動を取るようなことがあればすぐにでもしつけのし直しや関係性のつくり直しが必要となるでしょう。
布団やベッドの衛生面
犬は散歩に出てさまざまな植物や他の犬と触れ合うことがあるでしょう。そこで汚れや虫などを体につけてくることも少なくないと思います。しかし犬は人間と違って毎日お風呂に入るわけではありません。そのため、清潔に気をつけていても犬の体はどうしても汚れてしまっていると思います。その体で布団やベッドに入ると汚れやノミダニなどの虫がついてしまい、衛生的なリスクを生む可能性があるのです。
犬と一緒に寝るためにするべきこと
犬と一緒に寝る場合は、上記したような懸念や心配を解消することが必要です。そのためには、犬の体や布団・ベッドの清潔を保つこととともに犬との関係性作りや適切なしつけを行うことが大切です。犬と飼い主がトラブルなく一緒に寝るために「どいて」「降りて」「OFF(離れるの意)」などの指示を教えておくのがおすすめです。布団やベッドを自分の居場所だと考え飼い主に対して威嚇するような様子を見せたり、飼い主の意思や指示でその場所から動かすことができなくなるようでは一緒に寝ることはできません。
また、犬用のベッドやハウス、ケージなどを用意してそこを犬にとって安らげる場所にすることも重要なしつけとなります。飼い主による指示にきちんと従って布団やベッドから離れることができ、犬用ベッドやハウスで寝る必要があるときは素直にそこで寝ることができるようにしておくことが必要です。
<まとめ>犬と一緒に寝ることについて
犬と一緒に寝ているかということに関する、あるアンケートによると「寝ている」「寝ていない」という意見がほぼ半々でした。「寝ていない」という人の理由の多くはここで紹介した問題点を懸念してのもの。犬と一緒に寝ることに関しては犬の性格や飼い主との関係、家庭環境などによりそれぞれ“正解”が異なる問題だと思います。そのため、心情的には一緒に寝たいと思いつつも、それら問題点をクリアしていないから寝ることはしないという選択をすることも飼い主として素晴らしい判断だと感じます。犬と一緒に寝るかどうかについては、ここで挙げた問題点や注意点などを頭に入れた上で本当に犬にとっていい選択は何かをじっくりと考えてみてください。