犬は一人暮らしでも飼っていい?知っておきたい犬を飼うための知識と覚悟

犬は一人暮らしでも飼っていい?知っておきたい犬を飼うための知識と覚悟

一人暮らしで犬を飼っている人はいますが、留守番をさせる時間がかわいそう、一人で世話をするのは自信がないなど、さまざまな理由で諦めている人はきっと多いと思います。果たして一人暮らしの人は犬を飼えないのでしょうか。

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一人暮らしでも犬を飼いたい理由

メガネを書けた女性と白い犬

一人暮らしの人でも犬と暮らしたいと願っている人は、どうして犬と一緒に暮らしたいと願うのでしょうか。その理由を紐解いていきましょう。

一人で家にいるのが寂しいから

一人暮らしをしていると家の中で話し相手はいないし、何をするのも一人きり。仕事から帰ってきても暗い部屋の電気を点けて一人で食事をしてテレビを観て寝るだけ。
そんな毎日に可愛い犬がいてくれたら寂しさが紛れるのではないか。という理由から犬と暮らしたいと願うケースです。

仕事を頑張る励みになるから

犬と暮らしていたら愛犬のために可愛い服を買ってあげたいとか犬を連れて行けるペンションに泊まりたいなど、犬のために何かをしてあげたいと思うようになるでしょう。
仕事で嫌なことがあっても愛犬が待っていると思うと頑張れ、帰ってきて愛犬の顔を見たら嫌なことも吹き飛んでしまう。そういう人もいるのではないでしょうか。
誰かのために頑張りたい、頑張る励みが欲しいと願うのです。

犬を飼うということとはどんなこと?

犬が女性の顔をなめている

ここでは、一人暮らしで犬を飼うということではなく、一般的に犬を飼うということはどういうことなのかを考えてみましょう。

命を預かるということ

犬を飼うことは飼い主さんにその生命が託されるということです。動物は病気になることやケガをすることがあるかもしれません。もしそうなったら病院へ連れて行き、治療を受けさせなければなりません。闘病することになったら看病が必要です。

また、近年は動物医療の発展や飼い主さんのペットへの健康の意識によりペットが長生きするようになってきました。
そして、昔は外で犬を飼育していたのが今ではほとんどのが室内飼育になり、定期健診や予防接種などを積極的に受けるようになってきています。

ペット保険の「アニコム保険」が2016年5月にペット保険に加入している435,987頭を対象に犬の平均寿命を調査したところ、13.7歳であるというデータを発表しました。

犬も人間のように歳を取れば介護が必要になることもあります。固形物のご飯が食べられなくなって介助が必要になる場合もあります。
犬を飼うことはこのようなことも視野に入れておく必要があるということなのです。

犬を飼うにはお金がかかる

犬を飼うためにはケージや食事用の食器、トイレ・トイレシーツ、ベッド、毎月のフード代、ワクチンや健康診断、病気をしたときの医療費などがかかります。
犬を飼育するためにかかる費用について、ペット保険のアニコム損害保険株式会社が契約者に調査を行なった結果、2017年の1年間で犬を飼育するためにかかる費用は年間44万5千円ほどだったことが分かりました。

前年と比べて増えた項目は、「ケガや病気の治療費」と「ワクチンや健康診断などの病気予防費用」でした。
これらは昔に比べて犬の寿命が伸びたことに影響されているもので、シニア犬になって病気が増えて治療費が増えた結果となっています。

また、現在は犬を室内で飼育している家庭がほとんどですが、犬のために留守をするときにエアコンを使っている家庭が多くなっています。夏は熱中症予防のため、冬は寒さ対策で犬の健康を守るために光熱費が年間2万円ほどかかっていることが分かりました。

犬を飼うと生活を制限されることがある

一人暮らしの人は自分以外に犬の世話をする人がいないということになります。そのため、犬のご飯の用意やトイレの掃除、お風呂などをすべて一人で行わなければなりません。それまで一人で気ままに過ごしていた時間を犬の世話の時間に当てなければなりません。

好きなときに長期で旅行ができたが、犬の世話があるため長く留守にするのを控えるようになるでしょう。また、会社の飲み会に参加しても早めに帰宅するようになるなど、今までと同じような生活ができなくなります。

もちろん、ペットシッターに頼むなどすれば旅行も飲み会も可能ですが、犬と暮らすようになると早く愛犬に会いたくて飲み会への参加が減っていくでしょう。
このように、犬を飼い始めたら生活が変わることを念頭に入れておくことが大切です。

一人暮らしで犬を飼う時に考えなければならないこと

クエスちょんマークを浮かべる犬

前の項目で犬を飼うことはどのようなことかお伝えしました。
一人暮らしの人は、それらを一人で全部責任を持って引き受けなければならないということになります。相手は命がある犬ですから、途中で投げ出すわけにはいきません。飼うことを決めたら最期まで看取る覚悟を持たなければならないのです。

そして、一人で犬を飼うことになったら考えておかなければならないことがたくさんあります。それはどのようなことなのかを以下にご紹介します。

一人暮らしで金銭的に犬を養っていけるのか

犬を飼うためには年間44万5千円ほどかかることは前述しましたが、一人暮らしで犬を飼う場合はそのほかにもさまざまな費用がかかる場合があります。

自分が留守の時に部屋の中を見ることができるペット監視用のカメラや自動給餌器など一人暮らしの人ならではの便利グッズなどを揃える人もいます。
また、急な出張で犬をペットホテルに預けなければならないときは宿泊費が必要です。

それから一人暮らしで犬を飼う場合、犬が病気になったとき頻繁に病院へ連れて行くのが困難です。できるだけ健康でいてもらうためには定期的に健康診断を受けさせて病気があたら早期発見に努めることが重要になってきます。
このように病気の予防のための費用もかかってくるのです。

自分の生活費以外に犬のためのお金がかかること、もしも犬が病気をしたときに治療にお金がかかることを考えてペット保険に加入するか貯金をしておくことも大切です。

犬を飼ったから自分の生活がギリギリになってしまっては元も子もありません。
犬を飼育することで心が潤って、犬と一緒にいる時間が幸せであることが犬を飼うことの意義ではないでしょうか。そのためには犬も飼い主さんもお互いが幸せでなければならないのです。

犬を飼育できる物件に住んでいるか

一人暮らしをしている人の多くはマンションなどの集合住宅に住んでいるでしょう。
その物件がペットの飼育が可能かどうかを確認しておかなければなりません。
物件によっては猫なら可能だが犬はダメ、小動物のみ可能など条件が細かく決まっていることがあるので犬を飼う前に確認しておきましょう。
もしも犬の飼育が不可の物件で犬を飼ってしまったら立ち退きを迫られることがあります。

一人暮らしで犬のしつけができるのか

犬を飼うことになったら最初にすることは「しつけ」です。犬が人間の中で暮らしていくためにしつけはとても重要です。

無駄吠えでご近所に迷惑をかけないように、散歩中に他の犬に飛びかからないように、むやみに噛んだりしないように、しつけをしましょう。
また、しつけは犬自身の身を守るためにも大切なことです。散歩中に気になるものを見つけて道路に飛び出さないように、飼い主さんの言うことを聞くようにしておく必要があります。また、病気をしたときに病院の診察室でおとなしく待っていられるように、診察中も暴れないようにするためにもしつけは重要といえます。

一人暮らしの人が自分だけでしつけるのは大変です。他に誰かいればしつけも協力してできるのですが、そうはいきません。一人暮らしで犬を飼うなら、自分だけで犬をキチンとしつける覚悟が必要です。

一人暮らしで犬の看病や介護ができるのか

先にも述べたように、ペットの平均寿命が伸びてきたことによって犬の介護が必要になる場合があることを覚悟して犬を飼い始めなければなりません。
歳をとり痴呆症になることや、一人でご飯が食べられなくなり介助が必要になることもあります。
一人暮らしで犬を飼うなら犬の介護を全部一人でやらなければなりません。犬を飼うならその覚悟を持つことが必要です。

家族構成が変わっても変わらず飼育することができるか

この先、もし結婚することになり家族が増えることになっても変わらず犬を飼っていけるかを考えておかなければなりません。結婚相手が犬嫌いの人だとしたらどうしますか?また、子どもが生まれたときに犬をどうしますか?

犬を飼い始めたら最期まで責任を持って面倒を見る覚悟を持たなければなりません。人間の勝手な都合で手放すことなどないようにしなければいけないのです。
その自覚を持って犬を飼わないと犬を不幸にしてしまうことになってしまいます。

やむを得ず留守をする場合に犬を預けることができるのか

一人暮らしをしていると、自分が留守のときは犬に留守番をさせなければなりません。もしも仕事で長期の出張に行かなければならなくなったときや、病気やケガで入院しなければならなくなったときに犬を預けるところが必要です。

友人や家族が犬の世話をしてくれるなら、もしものときのために普段から世話をしてくれる予定の人に犬を会わせて慣れさせておくといいでしょう。
もしも預かってくれる人がいない場合は、ペットホテルやペットシッターにお願いするといいでしょう。ペットホテルは環境が変わるので犬にストレスを与えることになり、神経質な性格の子だとご飯を食べなくなってしまうことがあります。ペットシッターの場合は自宅に来てお世話をしてくれるので、犬のためにはペットシッターのほうがいいのではないでしょうか。

自分になにかあったときに犬を託す人がいるのか

あまり考えたくないことですが、自分がいなくなったときに犬をどうするのか決めておくことは大切なことです。自分だけで決めるわけにはいかないので、家族と相談しておいたほうがいいでしょう。

一人で暮らしの人が犬を飼うときに注意しなければならないこと

女性に抱かれて眠る犬

犬のしつけや行動を勉強しておこう

犬を飼うことになったら犬の行動や犬種による特徴、しつけの方法や飼い主としてどのように犬に接したらいいのかを学んでおきましょう。しつけの仕方を知らないで何もしないで犬を育ててしまったらまわりの人たちに迷惑をかけることになり、ご近所トラブルの原因になってしまうかもしれません。
また、健康管理や迷子になったときのためのマイクロチップのことなど、知っておくべきことがたくさんあります。

犬を迎える時期に注意しよう

一人暮らしで犬を迎えるということは、犬のしつけや世話を全部一人で行うことになります。子犬を迎えるなら特にしつけに時間がかかることを考えて犬を迎える必要があります。
トイレのしつけは個体差がありますが、根気よく教えなければなりませんし、無駄吠えしないようにしつけるのも時間が必要です。

他の家族がいる家庭では、家にいる誰かがしつけを担当すればいいのですが、一人暮らしだとそうはいきません。そのため、犬とじっくり向き合う時間が確保できる時期を選んで迎えることをおすすめします。
例えば、年末年始やGW、お盆休みなどまとまった休みがある時期がいいでしょう。

留守番の訓練をさせよう

一人暮らしの場合、犬に留守番をさせなければなりません。長い時間を1匹で過ごすためには留守番に慣れてもらわなければなりません。寂しくてずっと鳴いているということがないように留守番の練習をさせましょう。

はじめは短時間の留守番からはじめ、少しずつ時間を長くしていきます。そして帰ってきた時にたくさん褒めて、遊んであげましょう。留守番をすると飼い主さんが褒めて遊んでくれると分かれば犬もストレスをためなくてすみます。

留守番の際はケージの中で待たせるようにしつけましょう。ケージは犬の安全を守るためにも必要です。犬は何でもニオイを嗅いで口の中に入れて確かめます。飼い主さんが留守の間に危険なものを口に入れないようにするため、人と犬が暮らすところをキッチリ分けておくことが必要なのです。
また、犬は野生の頃、土の中に穴を掘って暮らしていたので、狭い場所は犬にとっては落ち着ける場所です。怖いことや不安なことがあったときに、ケージの中は安全な場所だとわかっていれば、ケージに入って安心することができるので、犬のストレスが減ります。
それから災害などが起きた場合、犬はケージの中で過ごすことになるので、慣れていけば大きなストレスを受けなくてすむでしょう。

ケージの中で留守番できるよう、犬が一人遊びできるようにお気に入りのオモチャを入れておいてあげるなどの工夫をしてあげるといいでしょう。

留守番のときの室温に注意する

犬を留守番させるときには室温に注意が必要です。真夏は熱中症対策のために冷房を、真冬は寒さ対策のために暖房をつけておいてあげましょう。
暖房の代わりにペット用のヒーターを入れておいてあげるのもおすすめです。その際はコードを齧ってしまわないようにガードしておくなどの配慮が必要です。

決まった時間に食事を与える工夫をする

犬の食事のは決まった時間にすることが大切です。成犬になると1日2回の餌やりが必要になるので、急に残業でいつもの時間に帰れないことを考えて自動給餌器を利用してみたらいいでしょう。犬は見慣れないものがあると警戒して餌を食べないことがあるので、飼い主さんがいるときに自動給餌器で餌を与え、普段から慣らしておきましょう。

散歩の時間を確保する

子犬は散歩が必要ないと勘違いしている人がいるようですが、身体の大きさに関係なく犬には散歩が必要です。運動不足解消や外の刺激を受けることでストレス解消になります。また、他の犬と触れ合うことで社会性を身につけることができるため、散歩は犬にとって大切な時間になるのです。
一人暮らしの人でも散歩の時間を確保して、できるだけ毎日散歩へ連れて行ってあげるようにすることが大切です。

部屋を常に清潔にしておく

犬は何でも口に入れてしまうため、部屋の中に誤飲誤食の恐れがあるものは置かないようにしましょう。しつけをするときに、飼い主さんが「よし」と言ってから餌を食べて良いとしつければむやみにものを口に入れることはなくなりますが、万が一のことを考えて普段から部屋の中を片付けてキレイにしておきましょう。

常に体調に注意し避妊・去勢手術を受けさせる

繁殖を望まない場合は避妊・去勢手術を受けさせましょう。この手術は子宮・卵巣・精巣の病気予防になるほか、発情期によるストレスを抱えずにすみます。

ワクチン・予防接種を必ず受けさせる

犬を飼ったら狂犬病の予防接種を受けさせる必要があります。また、健康管理のために定期的に健康診断を受けることをおすすめします。特に老犬になったときは半年ごとに定期健診を受けるようにしましょう。

一人暮らしの人におすすめの犬種はあるの?

夕日の中の人と犬

一人暮らしにオススメなのは小型犬

犬を飼うことになったら無駄吠えしないようにしつけるのが最低限のルールですが、飼い主さんが留守中に愛犬が吠え続けてしまったらご近所迷惑になってしまいます。
また、一人暮らしの人はマンションやアパートに住んでいる人が多いと思いますので、部屋の広さや何かあったときに家族や友人に犬の世話を頼む時のことを考えると大型犬よりは小型犬のほうがいいでしょう。

成犬を迎えるのもおすすめ

犬を飼う時に最初に頭に浮かぶのは子犬かもしれません。子犬は何をしていても可愛いし、成長を見られるのは楽しいものです。
しかし、子犬の世話は想像以上に大変です。トイレのしつけから食事の回数、吠えぐせをつけないようにしつけるなど、人間の子どもを育てるように手がかかります。子犬を育てる人の中には育児ノイローゼのようになってしまう人もいるほどです。

その点、成犬ならしつけができていて性格が定まっています。子犬の場合は飼い始めてみないとどんな性格なのかわからないので、吠えぐせが直らないなどしつけに苦労することもあるものです。
子犬にこだわらない場合は成犬を譲り受けるのも選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。
飼い主さんの病気や飼育放棄など、犬を手放す人がいるため保護団体には里親を探している犬がたくさんいます。犬にもいろいろな性格の子がいますが、譲渡会などで触れ合って相性が良い犬を探すことができます。
保護団体の多くは一人暮らしの人へ犬を譲渡するのに審査が厳しいのですが、絶対に飼えないということではありません。一人暮らしでも保護団体の審査に通れば飼育することができます。

まとめ

女性が犬と腹ばいになって微笑む

犬を飼うことはどれだけ責任を伴って大変なことかお分かりいただけたと思います。一人暮らしで犬を迎えることはその責任を一人で背負うことになります。ときにはまわりの手も借りながら、犬の世話やしつけを責任持って行わなければいけません。

犬は長生きして20年近く生きる子もいます。飼い始めるときには自分の年齢も考えて犬を自分で世話をして最期まで責任を持って飼えるか、さまざまな方面から熟考しておくことが必要です。
犬を買うときには可愛いから飼うのではなく、何があっても自分が最期まで責任を持って飼うという覚悟を持つことが重要なのです。

《参考》
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2016/news_0160531.html https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2017/news_0180315.html

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