犬に友達は必要?犬に友達がいたほうがいい理由
私たち人間は友達がいることで悩みを聞いてもらったり、励まし合ったりお互いを尊重して高め合うなどするものです。苦しい時にそばにいてもらい、話を聞いてもらって救われたことがある人もいるのではないでしょうか。
犬に友達がいたほうがいいといわれる理由を以下にご紹介します。
犬同士で遊びながら加減を学べる
犬や猫は小さい頃に兄弟同士でじゃれ合って遊ぶことで噛む力や引っ掻く加減を学びます。はじめの頃はお互いに加減が分からないので、思い切り噛んでしまい相手が大声で叫ぶことでやりすぎたと学びます。自分も兄弟に噛まれて痛い思いをして、痛みというものを知っていきます。
しかし、幼い頃に兄弟と離れて飼われるようになった場合、取っ組み合いをする相手がいないため力加減を学ぶことができません。そのため、飼い主さんにじゃれついて強く噛んでしまったりするのです。
犬の友達がいれば、一緒に遊ぶ中でお互いにじゃれ合って噛みつきあいながら力加減を学ぶことができます。
犬同士の関わりの中で社会性を身につけることができる
親や兄弟と一緒に過ごしてきた犬はじゃれ合いのケンカごっこでコミュニケーションをとり、だんだん犬の世界でお互いの順位付けをしていきます。犬の中では誰がリーダーなのか、他の犬とどのように接したらいいのかを学んでいくのです。
しかし、子犬の頃から人間の中で暮らしてきた犬は他の犬と接することがないため、他の犬とどのように接したらいいのかわかりません。
こうして社会性を身につけないまま育った犬は、外に出た時に他の犬を見つけると順位づけをしようとむやみにケンカをしかけてしまったり、歯をむき出して威嚇して吠え続けたりしてしまいます。
犬同士の関わり方を学ぶためには、兄弟がいない場合は犬の友達と接することが大切になるのです。
ドッグランなどの施設を楽しめるようになるため
犬が思い切り走り回り、他の犬と遊ぶことができるドッグランにはさまざまな飼い主さんや犬がやってきます。その中には小型犬・中型犬・大型犬、怖がりの子やフレンドリーな子もいます。
社会性が身に付いていない状態でドッグランへ行ってしまうと、他の犬をしつこく追いかけたり吠えたりしてしまう恐れがあります。反対に他の犬との接し方が分からず、ドッグランへ行っても楽しむどころかビクビクして縮こまってしまうかもしれません。
また、最近はカフェでも犬を連れて行けるところが増えてきています。飼い主さんが愛犬と一緒にカフェ巡りをしたいと思っても、犬が社会性を身につけていないとカフェで他の犬に吠えてしまいトラブルになってしまうこともあるでしょう。
犬同士の関わりを経験しないまま育った犬は、犬自身も飼い主さんも楽しめるはずの場所で楽しめないという結果になる場合があるのです。
犬に友達がいる場合は他の犬との関わりを学べるため、犬が集まる場所で楽しめるでしょう。
犬自身がストレスを抱えず犬との関わりが楽しいと感じてもらうため
他の犬と関わらず育った犬は他の犬とどう接していいか分からず、散歩中に初めて会った犬への対応に戸惑ってしまいます。フレンドリーな犬は仲良くなりたくて近寄ってくるかもしれませんが、他の犬に慣れていないと知らない犬が近寄ってくることで恐怖を感じることがあります。そのため、ストレスを抱えてしまい散歩へ行くのを嫌がるようになるケースもあるのです。
毎日の散歩で外へ出る機会がある犬はストレスを抱えないように社会性を身につけておくことが大切だといえます。
また、犬同士で遊ぶことで飼い主さんとの遊びからは感じられない楽しさを感じることができます。
犬に友達を作る時のポイント
1.基本的なしつけをしておく
それまで他の犬と関わったことがない犬の場合、他の犬を見つけたら急に飛びかかり、吠えてしまうことがあるかもしれません。飛びかかられた相手の犬がそのことでトラウマを抱えることに、相手の犬の飼い主さんに不快な思いをさせてしまうことになるでしょう。
このようなことにならないためには、愛犬をしっかりしつけて飼い主さんの言うとおりに行動できるようにしておかないとならないのです。基本的なしつけである「待て」や「おすわり」ができるようになっておくと、愛犬が急に走りそうになったときに指示を出しておとなしくさせ、トラブルを避けることができます。
2.飼い主さんがリードの使い方をマスターしておく
愛犬が他の犬に急に飛びかかったりしないように、飼い主さんはリードを上手に扱えるようになっておく必要があります。
犬は仲良くなろうとするときに、互いのお尻のニオイを嗅ぎ合います。その際に、飼い主さんは愛犬のリードを長めに持ち動きやすいように持ってあげないと挨拶ができません。
飼い主さんが犬を散歩させるときは、犬をしつけておくことに加えて飼い主さん自身も犬の扱いやリードの扱い方を学んでおくことが重要なのです。
3.予防接種・ノミ・ダニ予防をしておく
予防接種やノミ・ダニ予防は愛犬の健康を守るために必要です。また、外で病気に感染しないよう、虫が犬の身体につかないようにする以外にも他の犬への感染を防ぐマナーとしても大事なことです。
外に出てお友達を作る前に予防接種・ノミ・ダニ予防をしておきましょう。
4.犬同士の相性を見極める
人間に相性というものがあるように、犬にも相性があります。そのため、お友達にしたくて近づけても唸ってしまってお尻のニオイさえ嗅ぐこともしないという場合もあるかもしれません。
犬の体格や性格、種類によって相性が良いかどうか決まってくるので、飼い主さんがしっかり見極めてあげることが大切です。
5.犬から目を離さないようにする
犬の友達を作るとき、飼い主さんが注意しなければならないのは犬から目を離さないようにすることです。犬同士の関わりに慣れていない場合、相手を噛んでしまうことがあるかもしれません。
じゃれ合っているうちに興奮してきてしまい、本気のケンカに発展してしまうこともあるので、飼い主さんは犬から目を離さないようにしないとトラブルに繋がってしまいます。
6.飼い主さん同士の価値観や相性も大切
犬同士を友達にさせるためには飼い主さん同士の相性も大事です。犬同士が仲良くなればいいのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、犬に対する接し方や価値観が大きく違うとトラブルになることがあります。
例えば、犬同士がある程度仲良くなるまではじゃれ合いの中で相手を噛んでしまっても、反対に噛まれても社会性を学ぶためのことだと見守るとします。しかし、相手の犬の飼い主さんが違う考えの持ち主だった場合、自分の犬が噛まれたと怒ってしまうかもしれません。そのことで相手の人とトラブルになってしまうかもしれません。
また、飼い主さん同士がある程度の価値観が似ている部分があるといいでしょう。飼い主さん同士が仲良くしているのを見たら犬も安心するものです。
犬に友達を作ろう!子犬のときと成犬の場合
では、実際に犬の友達の作り方をお話します。ぜひ参考になさってください。
子犬のときに友達を作る方法
子犬を散歩に連れていくのはワクチン接種が済んでからです。外に出られるようになったら毎日の散歩を日課にしてできるだけ他の犬と触れ合う機会を作りましょう。また、飼い主さん以外の人に撫でてもらったりすることで人懐こい性格になっていきます。
子犬同士で遊ぶことで手加減を学び、成犬から犬社会のルールを学ぶなど、犬同士でしか学べないことがたくさんあります。
子犬のときにいろいろな犬と接することで社会性を身につけることができるので、愛犬との散歩を欠かさないようにしましょう。
成犬になってから犬の友達を作る方法
犬同士の触れ合いを経験させるのは子犬の頃から始めることをおすすめしますが、成犬になっている保護犬を迎えるなどした場合もあるでしょう。成犬になってから犬の友達を作るためには先述した注意点を踏まえた上で友達作りをしてくださいね。
飼い主さんは愛犬が楽しく遊べるように、社会性を身につけるようにと友達を作ってあげたいと思っているかもしれませんが、成犬になってからは無理しないようにしなければなりません。
犬にもいろいろな性格の子がいます。怖がりで他の犬との触れ合いがストレスになってしまう性格の子もいて、無理やり犬に引き合わせてしまったことで散歩を嫌がるようになることもあります。
人間でも友達と親しくなるのに時間がかかる人もいるように、犬でも仲良くなるまでに時間がかかる子もいるのです。飼い主さんは愛犬の様子を見ながら、徐々に仲良くなれたらいいな、というくらいの気持ちでいるといいでしょう。
犬の友達を作る時のコツ
犬種が同じ犬同士が仲良くなりやすい
いろいろな種類の犬がいる中で、比較的同じ犬種同士のほうが仲良くなりやすいです。
小型犬をいきなり大型犬に引き合わせることはせず、はじめは同じくらいの身体の大きさの子同士で引き合わせるようにしたほうがいいでしょう。
最初からたくさんの犬がいる場所へは行かない
臆病な性格の子の場合ははじめからたくさんの犬がいるところへ連れて行くのはやめましょう。緊張しているところにたくさんの犬が寄ってきて囲まれてしまったら、犬は恐怖でいっぱいになってしまいます。
はじめのうちは散歩中に知り合った犬と触れ合うなど、1対1で会わせるようにして、少し慣れてきたらドッグランに連れて行くようにするといいでしょう。
まとめ
愛犬に友達を作ってあげるのは社会性を学ぶため、犬同士の世界でしか味わうことができない楽しさを感じてもらうためにはいいことです。
友達を作る時に大切なのはしつけがきちんとできていることです。何かあったときに犬の行動をコントロールできるようにしておかないと思わぬトラブルが起きてしまう恐れがあるからです。
そして、飼い主さんのマナーも相手の犬の飼い主さんに見られていますので、愛犬の友達づくりを機に自身のマナーも見直してみるいい機会と考えるといいのではないでしょうか。