犬に『褒め言葉』は伝わっている?
みなさんは犬を可愛がるときや褒めるとき、自然に「いい子ね」「えらい!」「Good」「よし」など、様々な『褒め言葉』を使っていると思います。
動物である犬は、基本的には人間の言葉の意味を理解していませんが、飼い主が発する『褒め言葉』についても同じなのでしょうか?
犬が人間の言葉を理解する方法としては、繰り返し使うことでそのときの状況と結びつけることで意味を理解する、またはその言葉を発している飼い主の表情や、態度から大まかな意味を理解するということが考えられます。
毎日「ご飯だよ」と言われていったらご飯が用意されていたり、「散歩行くよ」と言われてついていったら外に散歩に行ったりといった経験が積み重なることで、「ご飯」や「散歩」という言葉の意味を理解するのです。
それと同様で褒め言葉についても「いい子だね」と言いながら飼い主が優しくなでてくれたり、「Good」と言いながらごほうびのおやつをくれたりすることが繰り返されれば、その言葉は犬への『褒め言葉』であることを理解するようになっていくのです。
『褒め言葉』の必要性・重要性について
犬が『褒め言葉』を正確に理解する必要があるか、そして『褒め言葉』の意味が伝わっていることに何の意味があるのかという疑問の答えは、犬と飼い主の意思疎通やコミュニケーションのために必要なことだということです。
特に犬との関係性づくりやしつけ・トレーニングにおいては、犬自身が『今自分は褒められている』『今している行動が認められている』と理解することは非常に重要です。
『褒め言葉』というのは犬を愛でるためでなく、しつけやトレーニング中に「その行動を好ましいと思っている」「その行為を続けて欲しい」という飼い主の意思を伝えるために必要になるものです。
しつけ・トレーニングでは、食べ物やおもちゃなどのごほうびを用いることが多いですが、飼い主からの『褒め言葉』も十分ごほうびのひとつになります。
使用するごほうびの種類はバラエティに富んでいる方が段階的かつ効率的にしつけ・トレーニングを進めることができると考えられているため、そのような側面からも『褒め言葉』の意味を犬が理解していることはとても大切なことなのです。
犬に『褒め言葉』を理解させる方法
飼い主が発する『褒め言葉』を犬が理解することは大切なことだとしましたが、どうすれば犬に『褒め言葉』の意味を理解させることができるのでしょうか?
前述した通り、言葉の意味を犬が理解するためには、言葉の直後にその言葉が意味する現象が起こること、また言葉とともにあらわされる人間の表情や態度が鍵を握ります。
しつけ・トレーニングなどに使用するごほうびとしての『褒め言葉』をしっかりと理解させたい場合は、まず1つまたは2つ程度の『褒め言葉』に絞って教えるようにしましょう。
例えば「Good」を犬への『褒め言葉』として使いたい場合には、「Good」と言った直後に好きなおやつを与えたり、好きなおもちゃを投げてあげたりして、「Good」という言葉にいいイメージをつけていきます。
これを繰り返し行うことで「Good」=うれしいこととして犬の頭にすり込まれていき、「Good」という言葉によって、自分が褒められていることを理解していくのです。
ちなみに、言葉の後にごほうびを与える行為は永久的に行うものでなく、犬が理解してきたと感じたら、少しずつごほうびの頻度を減らしていってかまいません。
犬と『褒め言葉』に関するまとめ
犬にとって飼い主からの『褒め言葉』というのは、とっても嬉しいごほうびになります。
『褒め言葉』を発する飼い主は優しくなでてくれたり、うれしそうな笑顔で語りかけてくれたりするので、飼い主のことが大好きな犬は、とてもとてもうれしい気持ちになるのです。
ここではしつけ・トレーニングに使用するために『褒め言葉』の意味を理解させる方法を紹介しましたが、そうした難しいことを考えなくても、飼い主の笑顔や態度で犬には十分「飼い主が喜んでいる」「自分が褒められている」ということを理解していくことは可能だと思います。
犬を褒めるときには恥ずかしがらず、大げさでも飛びきりの笑顔やボディランゲージで表現してあげてくださいね。