犬の健康寿命を縮めているNG行為5選

犬の健康寿命を縮めているNG行為5選

愛犬の健康長寿を願っているはずなのに、健康寿命を縮めることをしてしまっていませんか?この記事では、犬の健康寿命を縮めているNG行為についてご紹介します。1日でも長く元気な愛犬と過ごせるように、自分のしている行為が愛犬の健康寿命を縮めていないかチェックしてみましょう。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

愛犬の「健康寿命」を縮めていませんか?

首を傾げるポメラニアン

愛犬にはできるだけ健康で長生きしてほしいですよね。
そのためには、「健康寿命」を延ばすことが重要になります。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる期間」のことをいいます。

犬の健康管理をするのは飼い主さんですので、愛犬の健康寿命を延ばすのも縮めるのも飼い主さん次第と言えますが、「知らぬ間に愛犬の健康寿命を縮めていた」と後悔したくないですよね。
そこで今回は、犬の健康寿命を縮めているNG行為について一緒に見ていきたいと思います。

NG行為①健康診断を受けない

獣医師に聴診器を当てられるゴールデン・レトリーバー

人間は身体の不調を感じたら、自分の意志で病院へ行くことができますが、犬はそれができません。
「痛い」とか「調子が悪い」と言葉に出せない犬たちは、不調のサインをそれなりに出していますが、飼い主さんがそれに気づいてあげられるとは限りません。
また、ある程度進行しないと症状が出ない病気もあり、明らかな異変が見られたときには手遅れということも。
そこで重要視されるのが、定期的な健康診断です。
健康診断は、病気の早期発見・治療に役立ちます。
早期に治療できれば、健康寿命を延ばすことができますし、病気が悪化してから治療するよりも医療費が少なく済むケースが多いようです。

愛犬の健康寿命を延ばすためにも、医療費を抑えるためにも、健康診断は受けるべきと言えるでしょう。
犬は人よりも成長スピードが何倍も速いため、成犬期は1年に1回、シニア期(小・中型犬は7歳頃から、大型犬は5歳頃から)に入ったら、半年に1度は健康診断を受けるのが理想的です。

NG行為②肥満や痩せ過ぎにする

座った太り気味のパグ

近年、肥満の犬が増加しています。
肥満は椎間板ヘルニア、糖尿病、関節炎、膝蓋骨脱臼、心臓病など多くの病気の要因となり、まさに万病の元です。
犬の肥満の原因は、食事やおやつの食べさせ過ぎが大多数を占めるといいます。
飼い主さんが、愛犬を太らせてしまうのです。
肥満は犬の健康寿命を縮めますが、それを気にするあまり愛犬を痩せ過ぎにしてしまうのもよくありません。
痩せすぎると、肝機能の低下を招いたり、免疫力が低下して感染症などにかかりやすくなったりします。

愛犬には体型、体調、年齢に合わせた栄養バランスのよい食事を適量与えるようにし、運動不足にも気をつけ、痩せても太ってもいない理想的な体型を維持してあげることが大切です。
それが、愛犬の健康寿命を伸ばすことにつながります。

NG行為③ストレスを与える

前足をなめるブルドッグ

精神的なストレスが心身の病気にかかる要因になるのは、人も犬も同じ。
愛犬にストレスを与えてしまうと、健康寿命を縮めてしまうかもしれないのです。
犬のストレス要因は様々ですが、孤独、退屈、体罰、運動不足、不快な生活環境などにストレスを感じやすいです。

  • 足先をなめる
  • 尻尾を追う
  • 体をブルブル振る
  • あくびをする
  • 後ろ足で体をかく

などは、犬のストレスサインです。
最初の2つは常同行動と呼ばれるストレスサインで、後の3つは一般的にはカーミングシグナルと呼ばれているサインです。ちょっと不安を感じた時、嫌だなと思う出来事が起こった時などに見られるのがカーミングシグナルで、ストレスが継続的にかかり日常的にある行動が異常な頻度で繰り返し起こっている場合にその行動を常同行動と呼びます。 愛犬のこうしたしぐさや行動に気づいたら、まずはストレスの原因を見極めましょう。 そしてそれを取り除いたり、それに慣らしたりして、ストレスを軽減してあげましょう。

NG行為④歯磨きをしない

歯ブラシをくわえて座る犬

3歳以上の犬の約8割が歯周病、もしくは歯周病予備軍といわれています。歯周病になると、

  • 口臭がひどくなる
  • 歯茎が腫れる
  • 歯茎から膿が出る
  • 歯が抜け落ちる

といった症状が見られますが、さらに進行すると口腔や鼻腔、目の下などに穴が開いてしまうこともあります。
また、歯周病の細菌が血管に入ってしまうと、腎臓や心臓、肝臓などほかの臓器の病気の原因になることも。
歯周病は口の中だけでなく、全身の健康に影響を与える恐ろしい病気なのです。

歯周病の原因は歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)にたまる歯垢ですので、歯ブラシでブラッシングをして、歯垢を除去することが大切です。
愛犬に歯磨きをして、歯周病を予防してあげましょう。
飼い主さんが歯磨きをしてあげなければ、愛犬を歯周病から守ることができず、ひいては愛犬の健康寿命を縮めることになります。

犬は、歯垢が歯石になるスピードが人の約5倍速いといわれています。
3~5日で歯垢が歯石に変化してしまうため、犬の歯磨きは毎日行うのが理想的です。
最低でも3日に1回は歯磨きを。

NG行為⑤散歩に連れて行かない

リードの前で散歩を待つ犬

適度な運動も、犬の健康に欠かせません。
愛犬を散歩に連れて行かずに運動不足にさせてしまうと、肥満になったり、足腰が弱くなったり、ストレスがたまったりします。
また、散歩をしないと脳への刺激が少なくなるため、認知症のリスクが高まるといわれています。散歩に行かないことが愛犬の心身の老化を早め、健康寿命に大きな影響を与えてしまうのです。

毎日愛犬を散歩に連れて行きましょう。
小型犬であっても活発な性格なら運動量を多めにしたり、大型犬であっても老犬なら運動量を少なめにしたりと、犬の性格や年齢などに合わせて調整してあげることも大切です。

まとめ

人の手の上に置かれた犬の手

犬の寿命は人よりもずっと短いです。
だからこそ、1日でも長く元気な愛犬と笑顔で過ごしたいものです。
そのためには、ご紹介したような犬の寿命を縮めるNG行為は避けることが大切です。

もし当てはまるものがあった場合は、ぜひ今からでもそれを改めて、愛犬の健康寿命の延伸につなげていってくださいね。

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