犬の落ち着く年齢
大型犬と小型犬では年齢に対する成熟の度合いが少々異なります。一般的に小型犬は1歳半を過ぎるまでは精神的にも肉体的にも子どもで、2歳ころに成犬に達するといわれています。これに対し、大型犬は2歳を過ぎても成熟しきらず、3歳ころにようやく成犬となるようです。
いずれも人間の年齢に置き換えると24~27歳くらいといわれており、これを境に「成犬」としての貫禄が出てきたりするんですね。子犬のころは子犬らしくやんちゃなこの場合も、おおよそ2歳~3歳半を過ぎるころには落ち着いた行動ができるようになります。人間の場合も20代後半でようやく社会人としての落ち着きをみせる人も多いようなので、大体このくらいまでは犬も子どもで落ち着きがないものなのでしょうね。
成長しても落ち着かない場合も
しかし、どんな犬でも個性があります。ということはイレギュラーな場合もあるということで、5歳、6歳になっても一向に落ち着きを見せない犬もいます。7歳、8歳になってシニアにさしかかる年齢になって、年齢に応じて少し静かにはなったもののやはりやんちゃなままな子もいます。
こういった場合、実は犬の性格そのものよりもそれまでの生活習慣や飼い主さんのしつけ方の問題が大きいことが原因なのです。
ではどのような環境が落ち着かない原因となってしまうのでしょうか。
ストレス
わたしたち人間も毎日家にじっとしていたら身体的にも精神的にもストレスが溜まりますね。犬たちも同様で、毎日適切な散歩をすることで気分転換をし、適度な運動をすることでストレスを発散しています。
運動不足や愛情不足というストレスをためた犬たちは、本来はお外で走ることで発散するエネルギーを家の中で満たそうとするため、やんちゃないたずらや落ち着きのない動きをよくするようになるのです。
吠えることで要求が叶う
無駄吠えのしつけは家庭生活を行う上でとても重要視されていますね。しつけ教室でも訓練士さんのところでも、無駄吠えの相談が非常に多く寄せられます。そういった時にアドバイスされるのは、大抵「吠えても言うことを聞かない」「吠えても声をかけない」ことだと思います。吠える前に対処するのが大切なのです。
犬たち、特に子犬は人間の言葉を理解しません。吠えることで飼い主さんが「こら」と声をかけたとしてもそれを「叱られた」と認識できないのです。声をかけることで行うしつけは実はとても難しく、タイミングや声音などを余程工夫しないと犬に正しく伝わりません。
高い声で「こら!」と言っても、犬的には叱られているというより「かまってもらった!」と勘違いすることが多く、そのため余計にテンションが上がってしまうパターンが続きます。そのため「わんわんとはしゃいだら、飼い主がかまってくれる」と間違って覚えてしまうのです。
これを矯正するのはなかなか時間がかかります。スワレやマテのコマンドを根気よく教え、できたら必ずしっかり褒めてあげるところから始めましょう。吠えてから叱るのではなく、吠える前に手を打ちます。吠える直前にスワレやマテを指示し注意を飼い主に向けさせ、ちゃんとできたら褒めるというしつけを繰り返すことで「飼い主を見てたら褒められる」と再認識させてあげましょう。
飼い主の順位が下
群れで暮らす性質がある犬たちにとって、リーダーは群れの安全を常に守る必要が発生するとても責任ある立場になります。犬を飼う上で飼い主が犬のリーダーになることは、犬に安全を提供する責任があるのです。
しかし犬が勘違いして自分の立場が上と認識してしまうと、リーダーの使命に燃えて常にあたりを警戒していなければいけなくなります。ぴんと神経を張り詰めている状態ですね。
そうすると、お客さんや外を通りかかった人の姿をみるだけで「誰か来た!」と一気に興奮してしまいます。これではいつまでたっても落ち着ける状態にはならないということですね。
まとめ
犬たちはとても学習能力が高く、リーダーに従う性質があります。飼い主が信頼関係を築き愛情をもってしっかりしつければ、多少の個性の差はあっても成犬になればずいぶんと落ち着いた状態になるものです。そして毎日の散歩や運動で、しっかりストレスを発散してあげましょう。