犬の睡眠時間は?昼寝についても
初めての愛犬を迎えた方は、「犬ってこんなに寝るの?」と驚いたことがあるのではないでしょうか。さっきまで遊んでいたと思ったら、もうすやすや。散歩から帰ったら、あっという間に昼寝。犬は人間に比べると、睡眠時間が長い生き物です。
犬の睡眠時間は、成犬で12~14時間と言われています。子犬やシニアの場合は、睡眠時間はもっと長くなります。子犬だと20時間近く眠りますし、シニアになると徐々に昼寝の時間が長くなって、最晩年はほとんど寝て過ごすようになります。
人間より必要な睡眠時間が長いため、犬は頻繁に昼寝をします。でも、意外とぐっすり眠っているわけではなく、比較的浅い睡眠が多いようです。やはり犬も動物ですから、身を守るために、外部の刺激に対してアンテナを張っています。そのため、よく寝ているように見えても、物音などの刺激で、パッと起き上がり、いつでも対処できる姿勢をとることができる浅さで寝ている時間が多いのです。
犬の睡眠時間で気をつけなければいけないのは、元気な成犬がいつもより長く寝ている場合です。単に天気が悪くて普段より眠いだけ、ひまだから寝ているだけかもしれませんが、ひょっとしたら病気や痛みを抱えているのかもしれません。愛犬がいつもより長く昼寝をしている場合は、どこか具合が悪いところがないか、よく観察してみてください。
犬の睡眠時間が長い理由
野生時代の名残
犬がまだ人間と暮らし始める前の遠い昔は、食べ物を得るために狩りをする必要がありました。野生動物のドキュメンタリーを見るとわかりますが、狩りは必ずしも成功するとは限りません。獲物を見つけても、失敗することもあります。
そのため、狩りに向けてできる限り体力を温存しておく必要があります。そのために犬の睡眠時間が長くなったと考えられています。眠れるときに眠っておかなければいけないので、必然的に昼寝も多くなるのです。
浅い眠りが多い
人間は夜寝るときに朝までずっと眠りますが、犬の場合、眠りと覚醒を頻繁に繰り返します。夜中に愛犬がゴソゴソしているのを感じることはありませんか?人間は多少眠りが浅くなっても、起き上がったりしませんが、犬は頻繁に覚醒して寝る場所を変えたりしています。
犬の場合、浅い眠りが8割を占めると言われています。いわゆるレム睡眠ですね。人間より圧倒的にレム睡眠が長いので、昼寝をして体を休める必要があるのです。ぐっすり眠るノンレム睡眠で脳を休め、レム睡眠で体を休めます。
犬が頻繁に昼寝をするのは、全体的に眠りが浅いため、長く寝る必要があるからです。
犬が自分のベッドで寝ないワケとは?
せっかく愛犬用のベッドを用意したのに、飼い主と一緒に寝る。そんなこともよくあると思います。
愛犬と一緒に寝るのがとても幸せ!と思う飼い主さんはいいですが、できれば愛犬には自分のベッドで寝て欲しいという方は、ちょっと困ってしまいますね。
犬が自分のベッドで寝ないのは、例として次のような理由が考えられます。
- 落ち着けない
- 室温が快適でない
- ベッドの場所から外の音が聞こえてうるさい
- 単純に飼い主と寝たい
愛犬に犬用ベッドで寝て欲しい場合は、ベッドを置いてある場所の環境を見直してみましょう。気持ちよく眠れるとわかったら、ちゃんと犬用ベッドで寝るようになるかもしれません。
ともに生活する飼い主さんと寝る時も一緒でいたい場合は、かわいいものだと思って隣で眠るのもいいですね。愛犬が体を押しつけてくるのは、信頼の表れです。飼い主さんと一緒だと、安心してよく眠れるんでしょうね。
昼寝は自分のベッドで、夜は飼い主さんのベッドで寝る犬もいます。でも、やはり自分のベッドを使わず、昼寝もソファでする子もいますね。せめて昼寝は自分のベッドでしてほしい場合も、やはり環境を見直してあげてください。あるいは、ベッドの材質を変えたり、毛布を1枚置いてあげたりすることで、寝心地が良くなって、ちゃんと自分のベッドで昼寝をするようになる場合もあります。愛犬が犬用ベッドの何が不満なのか、ベッドを置く場所は適切か、よく観察して気づいてあげてください。
愛犬のベッドの環境をどんなに整えてあげても自分のベッドでは寝ない、飼い主さんは愛犬と一緒には寝たくない場合、適切な方法で飼い主さんのベッドでは寝ないようにしつけなければいけません。自分たちで難しければトレーナーさんに相談するなどして、飼い主さんも愛犬も良い睡眠をとれるようにしてください。
犬の睡眠や昼寝に関しての注意点
夢を見ているときは心配しなくてOK
犬が昼寝しているとき、ピクピクと動いたり、少し痙攣するように見えることがあります。これは、夢を見ているときに現れる動作と考えられます。
犬も人間と同じように夢を見ると考えられています。走ったり食べたり、時にはこわいものに出会ったりと、比較的単純な内容が多いかもしれません。
体を動かす夢を見ているとき、犬はピクピクと体を動かしたり、軽く痙攣するような仕草を見せることがあるようです。時には、唸るような声をたてたり、軽く「ワンッ」と吠えたりすることもあります。こういう時、つい心配になって起こしたくなりますが、寝ているのを邪魔するのはよくありません。そっと寝かせてあげましょう。
いびきが頻繁な場合は獣医さんへ
心配なのは、痙攣よりむしろいびきです。鼻ぺちゃの犬種はいびきをかきやすいですが、治療が必要な場合もあります。それ以外の犬種で、頻繁に長い間いびきをかく場合や以前はかかなかったのにいびきをかくようになった場合、病気の可能性があります。鼻づまりや鼻血、食欲や行動の変化がないか、よく観察しましょう。できれば、いびきをかいて昼寝しているときの動画を撮影して、獣医さんに相談しましょう。
夜寝ないのは昼寝のせいじゃない
また、犬が夜寝ない場合、昼寝のし過ぎでは?と考えがちですが、理由は別にあることが多いでしょう。昼間の運動不足で体力が余っていたり、引っ越しなどで環境が変わったりした場合、夜寝ずにわんわん吠えることがあります。病気や痛みがあって寝られないこともあるでしょう。また老犬の場合、認知症の症状であることもあります。
夜寝ない場合は、原因を突き止め取り除いてあげてください。昼寝をさせない、昼寝の邪魔をするなどは、かえって犬のストレスを高める結果になることが多いと思います。夜きちんと落ち着けるように、昼間は十分運動させたり、必要なら病院を受診するようにしてあげてくださいね。
まとめ
犬は人間に比べて眠りが浅いため、昼寝をたくさんすることがわかりましたね。犬もやはり動物なので、身を守るために浅い眠りが多いのです。
また犬用ベッドで寝ない理由は、環境にあることも多いようです。もし、愛犬が犬用ベッドで寝ないことに困っているなら、ベッドの置き場所やベッドそのものを考え直してみましょう。そして犬用ベッドで寝るようにしつけてあげましょう。静かで落ち着けて、適度な室温で、快適な場所にベッドを置いてあげるといいですね。