そもそも犬がしたいこととは?
犬がしたいことを飼い主が無視し続けるとどうなるかということを考える前に、そもそも犬はどんなことをしたいと思っているのかを考えてみましょう。もちろん犬が何を考えているか完璧にはわかりませんが、犬が喜びを感じやすいことと考えられていることには次のようなものが考えられます。
本能が満たされること
動物の本能・欲求として睡眠欲や食欲、性欲があげられます。家庭犬では眠ることの欲求は満たされていることが多く、性欲については身近に発情中の犬などがいなければ影響がないため動物の本能としては「食べたい!」というものが一番強く見られるでしょう。また、犬としての気質や本能が満たされることにも犬は幸せを感じます。それぞれの犬種が持つ狩猟本能が満たされたり、パートナーの指示に従って共同作業をやりとげたりすることなどに犬は喜びを感じやすいと考えられています。
愛情が感じられること
犬は人間とともに暮らすことに慣れている動物であり、人間とスキンシップやボディランゲージでコミュニケーションを取ることが好きな動物でもあります。特に飼い主など自分が愛情を感じている相手とスキンシップを取ることはストレス解消などにもなり、犬の気持ちを満たす行為だとされています。
犬がしたいことを伝える方法
犬が自分のしたいことを飼い主などに伝えたいときには、基本的にはボディランゲージを使用します。おもちゃで遊んで欲しいときはおもちゃをくわえて飼い主の元まで持って来たり、自分のところに来て欲しいときは吠えたり飛び跳ねたりしてアピールします。中には自分への注目を集めるためにわざといたずらをしたり、トイレの失敗をするなど“誤学習”をしてしまっている場合も。犬は「どうすれば飼い主が自分を見て、望む行動をしてくれるか」を注意深く観察しているのです。
また、犬がしたいことができているとき、喜んでいるときの表現としては尻尾を付け根からお尻ごとぶんぶん振ったり、その場をくるくると回ったり、床に背中をこすりつけるように体をくねらせたり、笑顔やリラックスした表情を見せたりします。
犬がしたいことを無視するとどうなる?
犬はさまざまな方法で自分のしたいことをアピールしますが、犬がしたいことやして欲しいことを飼い主が無視し続けるとどうなってしまうのでしょうか?犬がしたいことが叶わないとき、まずはそのアピールがどんどん強くなり吠えたり暴れたりするようなこともあると思います。それでもしたいことが無視され続けると次第に諦めの気持ちになり、飼い主に何かを要求すること自体をしなくなるでしょう。さらには「飼い主に何を言っても無駄」という気持ちになったり、飼い主に対する信頼が失われてしまう可能性も。そのため、飼い主とのコミュニケーションそのものを拒否するようになり、できていたしつけができなくなったり呼びかけにも反応しなくなったりすることも考えられます。
<まとめ>犬がしたいことを無視すること
大好きで大切な愛犬のしたいことでも、毎日仕事や家事に忙しい飼い主さんはそのすべてに応えることができないこともあるでしょう。信頼関係が築かれていれば、犬のしたいことを多少無視してしまうことがあっても飼い主に対してすぐに不信感を抱くことはないと思いますが、それが何度も続いてしまうと徐々に関係性が崩れてしまうこともあると思います。いつもいつも要求に応える必要はありませんが、犬にしたいことにもきちんと耳を傾けることは必要です。忙しくて希望を叶えてあげられないときは短い時間でもスキンシップをしたり、時間が取れるときにたっぷり遊んであげて気持ちを満たしたりと他の方法でフォローしてあげるようにしてくださいね。