ストレスの種類
犬は人間と同じように様々なストレスを感じながら生きています。
ちょっとしたストレスは生活するうえで仕方のないことですが、慢性的なストレスや極度のストレスを感じると犬も心身に悪影響を及ぼす恐れがあります。
ストレスには2種類あります。ストレスの種類によって対処法も異なるため、まずはどのようなストレスがあるのかを知っておきましょう。
身体的ストレス
身体的ストレスは心理的ストレスと比較して原因がわかりやすいです。日頃の犬の行動や体調などを気にしていれば気がつくことが多いでしょう。
身体的ストレスとは身体に負担がかかることを言います。
例えば散歩のしすぎや過度の運動などが身体的ストレスになることがあります。
程よい運動はストレス解消になるのですが、やりすぎると良くないということですね。
その他にもリードを引っ張って無理やり連れ歩いたり、嫌がっているのに頻繁に抱っこをしたりなどもストレスの原因になりやすいです。
心理的ストレス
心理的ストレスとは家族の不仲や引っ越しや家族の増加による環境の変化などによるストレスを言います。
心理的ストレスは身体的ストレスに比べて気づきにくく、原因を探ることが難しいとされています。
飼い主さんに心当たりがなくても、思わぬことが犬のストレスになっていることもあります。
先程あげた原因のほかにも、近所の工事の音や外から聞こえる子供や車の音などにストレスを感じている場合もあります。
犬が何に対して嫌な思いをしているのかをひとつずつ確認していくといいでしょう。
飼い主さんの不安やストレスは犬に影響する
飼い主さんが不安な表情をしていたり、悲しんでいる場合に犬にも影響があると言われています。
ある研究では飼い主さんと飼い犬の関係性から、ストレスを受けたときに分泌されるコルチゾールというホルモンの一種がどのように変動するか変動率を調べました。
その結果、神経質な飼い主さんや曖昧で不安な態度で接する飼い主さんの犬はコルチゾールの変動率が低く、ストレスによってコルチゾールが分泌された後戻りにくいということがわかりました。
コルチゾールが慢性的に高くなると、人間の場合はうつ病や不眠症などを発症します。犬も体調を崩したり、精神的に不安定になることがあるようです。
飼い主さんとの関係性、飼い主さんの態度は犬に大きな影響を与えるということです。
犬のストレスサイン
体の一部をなめ続ける・噛み続ける
犬はストレスを感じると怪我や汚れ、かゆみがないにもかかわらず体の一部をなめ続けたり、噛んだりするようになります。
高ぶった感情や緊張をなだめるために行う行動なのですが、エスカレートすると慢性的になり二次的に皮膚炎を起こしたり、傷をつくってしまったりします。
重症の場合には骨が見えるまで自分をなめ続けたり、噛み続けたりすることがあります。
癖だと思って放置せず、なにか原因がないかを考えてみましょう。
同じ場所をウロウロする
犬が落ち着かずに同じ場所を行ったり来たりウロウロするのもストレスサインのひとつです。
無理にやめさせるとさらにストレスを溜めてしまうことになるので、強引に止めることはしないほうがいいでしょう。
しかし放って置いても良くはならないので、まずはなかなか難しいですが原因を探すことから始めてください。
原因を見つけて改善し、ストレスを解消させれば次第にウロウロしなくなるでしょう。
自分のしっぽを追いかける
子犬がしっぽを追いかけるのは問題ないのですが、成犬でしっぽを頻繁に追いかけるようになったら注意が必要です。
子犬の場合は自分のしっぽへの興味や、しっぽが自分のものだと理解していないなどの理由があるので大丈夫でしょう。
成犬の場合は不安や恐怖を和らげようとして自分のしっぽを追いかけてグルグルと回ることがあります。
成犬がしっぽをおいかけるようになったらストレスがたまっているサインである可能性が高いので放置せず、対処しましょう。
無駄吠え
特に理由もなく吠え続けるのはストレスサインのひとつです。
欲求不満であることが多い、散歩不足やコミュニケーション不足の場合が多々あります。
無駄吠えがうるさいからと叱るだけではストレスがますます大きくなりひどくなってしまいます。
無駄吠えをする理由を考えて根本的に対応していかなければ無駄吠えは改善しません。
ひとつずつ原因を探っていきましょう。
頻繁にあくびをする
眠いときのあくびの他に頻繁にあくびをするのであれば不安があるのかもしれません。
またあくびは相手に対して敵意がないことをアピールする方法でもあります。
犬に対して必要以上に厳しく接していたり、犬が理解できないような叱り方をしているとあくびを繰り返すようになる場合もあるので、思い当たる節がないか考えてみましょう。
まとめ
飼い主さんの不安や、飼い主さんとの関係性などは犬に大きな影響を与えます。
犬も人間と同じように、慢性的にストレス状態になると体調を崩したり、精神的に不安定になることがあります。
犬の問題行動が実はストレスサインになっていることがあるので、叱ってもやめない場合どこかに原因がないか探してみましょう。