犬の感じるストレス
犬mo
人間と同じように、ストレスを感じています。ストレスの元はさまざまで、お客さんの来訪、雷や花火などの大きな音、食事内容の急変などから始まり、長時間の留守番や引越し、夫婦や家族の不仲などからも強いストレスを抱えるようです。
軽度なものであれば散歩やスキンシップ、おもちゃなどで遊ぶことなどで発散することが出来ますが、ストレス解消できないまま溜めこむと精神的に追い詰められて毛をむしったり舐めたりが原因で皮膚の病気や無駄吠え、常同行動などの問題に発展していきます。
では具体的にどのようなことが犬にとっての強いストレスになるのでしょうか。
精神問題
犬と一緒に暮らしていると、その豊かな感情表現に驚かされますし、わたし達人間と同じように喜怒哀楽がある生き物だと実感させられます。そのような豊かな感情を持つ犬たちですから、人と同じく悲しかったりさみしかったり、怒ったりという状況は強いストレス源になるのです。
近年特に問題になっているのが、犬たちの分離不安です。核家族化や単身世帯が増えたことにより、ペットして飼育される犬たちも「お留守番」が常態化しています。このお留守番が長くなると犬のさみしい気持ちや不安な気持ちが強いストレスとなり、解消されない状態が続くことで精神を苛んでいくのです。その結果、大きな声で吠え続けたり飼い主のものを破壊したりといった問題行動や、嘔吐や下痢、皮膚疾患などの身体症状として発現していきます。
環境問題
人間でさえ、引っ越しや災害などは大きなストレスです。言葉も分からず説明もされないまま引っ越したり大きな音がするような災害にあったりした犬たちの、恐怖や不安は計り知れません。
また出産で家族が増えたり、また結婚や自立などで家族が減ったりすることも、犬にとっては「いつもと違う」という不安を感じる原因になります。
犬にとって安定した環境は安心できる反面、急激な環境変化はとても大きな心理的ストレスを感じることのようです。環境が変わったときはその状態になれるまで、犬たちは始終緊張を強いられた状態であるため気が休まる暇がありません。食欲が落ちたり、ぐるぐる同じところを歩き回ったり無駄吠えをしたりトイレを失敗したり、という問題行動を起こすことがあります。
犬がストレスを感じているサイン
犬たちもストレスを感じた時に、ただ黙ってストレスを受け入れているばかりではありません。何らかの手段で自分を落ち着けたり、敵対していたり自分と向かい合ってストレスを与えてきたりしているものに対して「落ち着け」というメッセージを出しています。
それが「カーミングシグナル」と呼ばれる行動(仕草)です。カーミングシグナルに分類される行動はさまざまな種類がありますが、特にストレスを感じて自分を落ち着かせるために行う行動のいくつかを挙げてみましょう。
頻繁なセルフグルーミング
犬たちにとってグルーミングは最高のリラックス手段です。しかし高まった緊張をほぐすため、与えられた強いストレスから逃げるために行う場合は少し様子が変わっています。
同じ場所を何回もしつこくなめ続けているときは、とても不安な状態の可能性もあります。もちろん痒みなどがあってしつこく舐めている場合もあるので注意が必要です。
また、鼻先や口元をペロリと舐める仕草は自分を落ち着かせるだけではなく、相手をなだめる意味mo
あるそうです。飼い主に向かってするときは、「ママも落ち着いて」というメッセージです。
あくびをする
人間は眠いときや脳に酸素が足りないときなどに大きなあくびをします。眠いときの印象が強いので、犬があくびをしていると「ヒマなのかな、リラックスしてるのかな」と思ってしまいますが、実はこれが緊張をほぐそうとしているカーミングシグナルの一つなのです。
あくびが頻繁に出るようですと、緊張がほぐれず強い不安を感じている状態かもしれません。
まとめ ~情緒不安定な状態が見られたら~
犬たちの状態をよく見て、ストレスがたまっているなと感じたらそれをうまく発散させてあげましょう。
軽い状態であれば運動やスキンシップ、あるいはシャンプーやブラッシングといったことで解消できる場合があります。これらで解消できるうちに犬のストレスに気が付いてあげられるのが一番です。
しかし過度な分離不安などでノイローゼのような症状が出る場合は、しつけやスキンシップなどだけでは改善できない可能性もあります。そのような場合もサプリや投薬で治療できる場合があるので、動物病院で相談をしてみてください。