愛犬の『不安度』をチェック!
犬は感受性が豊かな動物です。それ故に、不安を感じやすい一面を持っています。一時的に不安な気持ちになる程度ならそう問題にはなりませんが、不安な状態が続くと犬のストレスになります。その結果、常同障害(前足をなめ続けるなど、同じ行動を繰り返す精神疾患)などの病気や無駄吠えなどの問題行動に発展することも。ですから、愛犬の不安な気持ちには早めに気づき、対処してあげたいものです。
そこで今回は、犬の『不安度』が分かるチェック項目を5つご紹介したいと思います。飼い主さんが確認しやすい体の部位に絞ったチェック項目になっていますので、ぜひ参考になさってくださいね。
チェック項目①耳
犬の耳は、聴覚が優れているだけではありません。さまざまな角度に動き、それが犬の気持ちを知るための手がかりになります。立ち耳の犬のほうが耳の動きが分かりやすいですが、垂れ耳の犬でも耳の付け根に注目して観察していると、動きが分かるようになってくるでしょう。
犬は、強気なときや緊張しているとき、何かに集中しているときは耳をピンと立てて前方に向けます。そして、恐怖や不安を感じているときは、耳を後ろに寝かせます。頭につくくらい耳を後ろに寝かせているのなら、恐怖度や不安度がかなり高いと考えられます。
ちなみに、耳を後ろに寝かせていても、全身がリラックスしていて表情も穏やかならば、信頼や友好の気持ちを示しています。
チェック項目②目
犬は不安なとき、上目遣いで飼い主さんを見て、「どうしたらいいの?」と訴えることがあります。
視線からも、犬の不安な気持ちを読み取ることができます。不安なときや自信がないときは、相手からわざと視線をそらします。不安でたまらないときは、相手に顔すら向けようとしません。反対に、強気に威嚇するときや要求を通そうとしているときは、相手にじっと視線を合わせます。
犬が視線をそらすのは、カーミング・シグナル(自分や相手の気持ちを落ち着かせるためのしぐさや行動)でもあります。視線をそらしたり顔を背けたりすることで、自分に敵意はないことを相手に伝えたり、自分の気持ちを落ち着かせようとしたりしています。
チェック項目③口
犬の口周りの表情は割と豊かで、感情が表れます。人間と同じようにリラックスしているときは口元が緩み、緊張が高まるほど口元が引き締まります。少し緊張や不安を感じているときは、少し口を開いています。緊張度や不安度が高まると、キュッと口を結んで緊張感のある顔つきに。
チェック項目④尻尾
犬の尻尾は体のバランスを調整する役割を持っていますが、コミュニケーション・ツールにもなっています。犬は尻尾の位置や動きで、自分の気持ちを表現しているのです。
うれしい、興味津々、強気などポジティブな気持ちのときは、尻尾を高く持ち上げます。一方、恐怖や不安などネガティブな気持ちのときは、尻尾をだらりと垂らします。恐怖度や不安度が高いときは、尻尾を丸めて後ろ脚の間に挟み込んでしまいます。
チェック項目⑤声
犬は吠えたり、鳴いたり、唸ったりすることで自分の気持ちを伝えていますが、高い声と低い声を使い分けていることにお気づきでしょうか?基本的に高い声は恐怖や不安、低い声は威嚇を表しています。不安なときは高い声で、「クゥーンクゥーン」「キュンキュン」などと鳴きます。
まとめ
犬の『不安度』が分かる5つのチェック項目をご紹介しました。犬は全身を使って自分の気持ちを伝えていますので、1つの項目だけをチェックするのではなく、全ての項目をチェックして総合的に判断することをお勧めします。
愛犬が不安を感じているときは、不安の原因となっているものを取り除く、不安に感じているものに少しずつ慣らしていくといった対処をして、不安を軽減してあげましょう。