あまり歩きたがらない老犬にも散歩は必要?

あまり歩きたがらない老犬にも散歩は必要?

犬は散歩が大好きで、いつでも飼い主さんとおでかけしたがるものですが、年を取るとそれが億劫になるのか外に出たがらなくなる犬もいるようです。そんな犬たちにとって散歩は必要かどうかを考えてみましょう。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

散歩のメリット

ゴールデン

若い犬たちは散歩になるともう大喜びで、元気にどんどん歩いて行ってしまいます。ややもすると「引っ張りぐせ」などもあったりして、散歩は飼い主にとってもハードな運動になったりします。
若い犬たちは散歩になるともう大喜びで、元気にどんどん歩いて行ってしまいます。ややもすると「引っ張りぐせ」などもあったりして、散歩は飼い主にとってもハードな運動になったりします。 しかし犬たちもいつまでも若いわけではありません。だんだん大人になって落ち着いて、ぐいぐい引っ張らなくなったなぁなんて思っていると、いつの間にかシニア犬の枠に入っていたり10歳を超えたりします。老化によって動きも穏やかに、ゆっくりになっていきます。若いころと同じコースを歩くのもしんどそうになり、もう散歩に行かなくてもよいのではないかと思ってしまうこともあるかもしれません。 しかし、散歩はシニアになった犬にとってもたくさんのメリットがあるんです。 しかし、散歩はシニアになった犬にとってもたくさんのメリットがあるんです。

筋肉を維持するため

イングリッシュコッカ―

人間と同じく年を取ると犬も筋肉が衰えていきます。若いころの弾むような体つきではなく、ちょっとずつ痩せて肉が落ちていくのです。そのためちょっとした運動を億劫がるようになりますが、ここで「犬がやりたがらないから」と歩かせることをやめてしまうと、残った筋肉も急速に衰えていくんです。
どんなシニアになったとしても、立ったり歩いたりといった運動で下半身の筋肉や関節の動きを維持してあげることは大切です。これを怠けてしまうと座ったり寝たりした状態から立ち上がるための筋肉が弱り、トイレに行けなくなったりごはんを食べに行けなくなったりしてしまいます。わずかでも運動を続けることで衰えを最小限にすることができるんですね。
とはいえ無理は禁物なので、犬のペースに合わせてゆっくり歩いてあげてください。

リフレッシュのため

ブルテリア

老犬になると白内障を患ったり、耳が遠くなったり、犬の感覚にも様々な衰えがでてきます。その中でも嗅覚は長くその機能を維持することができるため、犬たちは視力や聴力を嗅覚で補おうとします。
しかし家の中でずっと同じ匂いに囲まれていては脳に刺激が行きません。そのため外出して様々なにおいの刺激を脳に送ってあげましょう。風や光の刺激なども合わせると、脳や神経の活性化に役立ちます。そのためにも少しでいいので外出することは大切ですね。
またもともと屋外で排泄をするようにしていた犬にとっては、室内のトイレシーツではうまく用を足せないこともあります。場合によっては屋外でないと「できない」子もいるようです。思うように用が足せないことは犬にとってもストレスなので、そういう子の場合は排泄を気持ちよくさせてあげるためにも外出と散歩は必要なんですね。

老犬の散歩時の注意

座り込む柴犬

犬のためにも毎日少しでもよいので外出させてあげるのが良いのですが、老犬の場合は体調や屋外の天候などにも気を付けましょう。
若いころはなんともなかった雨や雪、気温差なども老犬になると心臓に負担がかかる場合があります。体調をよく見て、天気が悪い日は保温用の服を着せたり、無理せず外出しないという判断も必要でしょう。
また、歩く距離や時間も若いころのイメージにとらわれすぎず、犬の様子をよく見て彼らのペースに合わせてあげましょう。疲れてしまいやすいので、短い距離や時間でも大丈夫です。体調に変化があったときにすぐ引き返せるよう、家の周りをゆっくり歩くだけという方法もあります。

散歩に行きたがらないときは

ゴールデンとイングリッシュコッカー

老犬は日によって体調が変化しやすいものです。いつもは喜ぶ散歩のリードを見せてもあまり動きたがらない、散歩を嫌がるそぶりを見せたら要注意です。 体のどこかに痛みがあったり、だるくて動きたくなかったり、犬には犬の「動きたくない理由」があるんですね。様子をよく観察して、いつもと少し違うなと感じたときはためらわず獣医さんに相談してみてください。

まとめ

壁から覗く犬

シニア犬にとって散歩は体力や筋力の維持、リフレッシュといったメリットがあります。犬たちに無理のない範囲で、お散歩をしてあげましょう。 また自力で動ける間はもちろんのこと、ほぼ寝たきりになった場合も「外出」というのは五感に刺激を与えるためにも有効です。抱き上げられる場合は抱っこで、少々大きい子はカートなどに乗せて外の空気を吸わせてあげてくださいね。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 あんず

    愛犬はシニア期に入りましたが引っ張り癖はあり、まだまだ元気に散歩に行っています。ただ以前より引きは弱くなったので歳をとったと感じています。
    朝晩に散歩をし、季節の良い時にはお昼にも歩きます。疲れは見せず楽しんでいるようです。下半身の筋力や関節の動きを維持するのに役立っているのですね。
    排泄は屋外でしか出来ないので困ると思いますが仕方がありません。
    散歩に出ると様々な危険がありますが、特にグレーチングが気になります。いたるところにあり、脚を踏み外さないか心配です。信号の無い横断歩道も危険です。
    将来歩くのを嫌がるようになっても、ゆっくりでも歩けるなら近所を散歩し、気分転換して食欲も維持するようにしたいです。
    あまりに動きたく無い様子を見せたら早目に病院に行く事も大切ですね。
    毎日楽しんで散歩しているので愛犬も喜んでいると思っています。長く続きますように願っています。
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