人が犬を可愛いと感じる理由
見た目に可愛さを感じるため
人が犬を可愛いと感じるのはやはりその見た目でしょう。可愛さの基準は人それぞれですが、子供がぬいぐるみを可愛がるように、大人であってもふわふわで愛くるしい目をした動物を慈しむ感情を持っています。これは理屈ではなく本能的に感じるもの。そして、犬はその本能的な感情を利用して生存競争を勝ち残るために“可愛くなった”とも考えられているのです。（詳しくは次の項目で説明します。）
必要とされていると感じるため
子犬の場合、食事を与えて排泄を助け、生活の全てをサポートしてくれる人の存在を必要とします。それは成犬になってもあまり変わらず、人間社会の中で犬が生きていくためには飼い主の存在が必要不可欠。何をするにもどこに行くにも飼い主がいなければどうにもなりません。それは実感として飼い主も感じるもので、自分が必要とされていると感じることにもなるでしょう。必要とされていると感じることは人が喜びを感じることにつながり、その対象である相手に愛情を感じやすく守りたいと考えるようになるのです。
犬からの愛情を感じるため
多くの人は相手から好意を持たれたり、愛情表現されることに喜びを感じます。相手や状況によっては好意を持たれて困るということもあるかもしれませんが、基本的に愛されることは人にとって喜びのひとつとされています。そしてそれは犬が相手であっても同じこと。犬は飼い主に対してストレートすぎるほどの愛情表現をすることがあるでしょう。毎日一緒にいるのに家の中でついて回ったり、帰宅するたびに飛び上がる程喜んだり、名前を呼ばれるとすっ飛んできたり…、そうした姿を見ると飼い主のことが大好きだということが伝わってきますよね。その愛情を受け取った飼い主は喜びを感じるとともに相手である犬に対して同様の愛情と愛おしさを感じるのではないかと考えられます。
人が犬を可愛いと感じる科学的根拠とは？
人が犬の見た目を可愛いと感じるのは本能的なものとしましたが、その性質を利用して犬は“可愛くなった”とも言われています。人をはじめ多くの動物は可愛いと感じるものを愛おしく感じ守ろうとする本能が働くと考えられています。そのため、赤ちゃんというのは可愛いと感じて守ってもらうために「目が丸い」「手足が短くずんぐり体型」「動きがぎこちない」など多くの人が可愛いと感じる要素を備えた姿をしているそうです。
可愛いと感じる子供の特徴や幼さを残したまま成熟する状態を「ネオテニー（幼形成熟）」と呼びますが、犬はオオカミのネオテニーではないか？という学説も唱えられています。それは見た目だけでなく無邪気で懐っこい子供のような気質にも言えることで、見た目・性質ともに幼さを残すことで守られる対象でい続けようとした進化の結果なのではないかという考えです。
可愛さを感じたときに人はどうなる？
大人が可愛いと感じることで世話や保護をするという性質を利用し、人間を含めた赤ちゃんは可愛らしい要素を備えるようになった、または可愛らしい要素を備えたものが生き残ったと考えられています。そのことからもわかるように、可愛いと感じることは感情の変化だけでなく行動や意識まで変化させてしまうのです。可愛いと感じることは脳にも大きな影響を与えると言われており、瞬間的に「守りたい」「助けたい」と思うだけでなく、可愛いものに長期的に接することで思いやりや助け合いの精神も育まれるとされています。
＜まとめ＞人が犬を可愛いと感じることについて
犬を好きな人が犬を可愛いと感じるのはなぜか。それは本能的に感じるものであり、脳の機能にも直結しているものです。そして人間の場合は犬からのひたむきな愛情を受けたり、必要とされているという感覚なども合わさり、より犬に対して可愛いと感じて愛おしむ気持ちが生まれるのでしょう。犬を可愛いと思う感覚はひとそれぞれですが、そこにも科学的根拠や動物としての生存競争の結果が関係していると思うとおもしろいものですね。
