人間の集中力
さて皆さんは、自分で自分の「集中力がある」と思いますか?
小学生だったころを思い出してみましょう。
私は45分間の授業中に度々時計を見たり、窓の外を見たり、ノートや教科書に落書きしたり、先生の話を集中して聞いていなかったりした子どもでした。
唯一集中して何かをやっていた時間といえば、図工で何かを作っている最中だったでしょうか。
でもそんな集中していたといっても、たかだか30分~40分です。
人間の子どもの集中力というのは一般的に20~30分程度といわれていますので、小学校の45分授業というのはそれよりやや長く、子どもたちが少し飽きてくるころに終わるようにできているんですね。
人間の子どもでさえ30分がいいところの集中力。では犬はどうでしょうか。
犬の集中力
犬や猫など、人間と一緒に暮らす動物の知能は、およそに2~4歳児程度と言われています。
これは犬種や個体によっても差があるようですが、集中力もこれと同様と考えて良いようです。
人間の幼児の集中力は5~10分ですから、犬たちもこれと同程度の時間と思って間違いないでしょう。
これより時間が長くなると集中の限界となり、小学生の頃の自分のように「つまんないなー」「あ、あれ面白そうだなー」というように、別のことに意識が向いてしまいます。
集中力が切れた状態で長くしつけの時間をとっても、犬はその時間をイヤになるだけで、メリットはないのです。
しつけの一回あたりの時間は3分~7分。
ちょっと物足りないかな?と思う程度で切り上げた方が、犬にとっても「楽しかった!」で終わることができて良いですね。
実時間しつけ時間を有意義に使うために
一回あたり5分と考えると、犬のしつけの時間はとても短く感じます。
ついついあれもこれも、何度もやらなくちゃと思ってしまって、内容をぎゅうぎゅうに詰めてしまいがちですが、効率よく犬に学んでもらうためには、いくつか注意点があります。
しつけ=楽しいことと知ってもらう
犬は遊ぶことが大好きです。
飼い主と一緒に遊んで、しかも喜んでもらえることであれば、大喜びで繰り返します。
しつけもぜひゲームのような感覚で、遊びの要素を多く取り入れて楽しんで行ってくださいね。
また、犬にとって失敗することはやはりショックです。
飼い主に褒めてもらおうと思ったのに、褒めてもらえないという状態は、嬉しい状態ではないですよね。
しつけを始める際は難易度の低い、成功する確率の高いことから始めると、犬のテンションも上がって効率が良くなりますよ。
ストレスを感じさせない
犬はストレスに非常に弱い動物です。
我慢強い性格の犬であっても、我慢を重ねれば重ねるだけストレスは蓄積し、体調不良や問題行動を起こすことがあります。
しつけの時間は、犬に我慢を強いる場合があります。
お腹が減っていたり運動不足だったりするときに、さらなる我慢を強いることは、犬にとっては「とても嫌なこと」と覚えてしまうので、しつけの時間の前にはそういったストレスを可能な限り取り除きましょう。
短すぎる時間でもダメ
犬の集中力の持続時間は短いから、とすべて短期集中とばかりに一発勝負で終わらせるのはいけません。犬にとっては何を失敗したのか、何を褒められたのかが分からず、教えたいことが全く身につかない可能性があるからです。
一回の時間にあれもこれもと欲張らず、一つの物事についてちゃんと指示をし、それを行うことで褒められているのだとわかるように、トレーニングを組み立てるとよいでしょう。
まとめ
さてここまで犬の集中力を中心にしつけ時間をお話ししましたが、これはあくまで特別なことを教える場合のことです。
ごはんをあげるときにちょっとした「マテ」を教えたり、ブラシをかけるときに「オスワリ」を教えたり、散歩から帰ってきて手足を拭くために「オテ」「アンヨ」などの声かけで手足を出すように教えたり、日々の様々な行動で犬にしつけを行うことができます。
大切なのは犬の様子をよく見て、できたらちゃんと「褒めてあげること」です。
毎日楽しくしつけをしてくださいね。