足の動きからも犬の気持ちが分かる!
犬は言葉を話すことができなくても、全身を使って自分の気持ちを表現します。
尻尾の位置や動きから、犬の気持ちが読み取れることはよく知られていますが、「足の動き」に注目したことはありますか?
意識して愛犬の足の動きを観察してみると、様々な動きをしていることに気づくでしょう。
そしてじつは、足の動きからも犬の気持ちを知ることができます。
そこで今回は犬の足の動きに注目し、そこにどのような気持ちが隠されているのか探ってみました。以下からご紹介していきます。
①足で体をかくときの気持ち
愛犬が足で体をカキカキしていると、「かゆいのかな?」と思いますよね。
しかし、犬が足で体をかくのは、かゆいときだけではありません。
このしぐさはカーミング・シグナルのひとつです。
カーミング・シグナルとは、犬が不安や緊張、ストレスなどを感じたときに、自分や相手の気持ちを落ち着かせるためのしぐさや行動のこと。
ですから、見知らぬ犬や人に会ったときや、トレーニングをしているときなどに、足で体をかくしぐさが見られたら、かゆいのではなく緊張やストレスを感じていると考えられます。
足で体をかくことで緊張をほぐし、自分の気持ちを落ち着かせようとしているのです。
もしあまりにも頻繁に体をかく場合は、何らかの病気のサインかもしれません。
動物病院で受診を。
②2本足で立つときの気持ち
サークルの中に入っている犬が、縁に前足をかけて2本足で立つことがあります。
その姿はまるで、つかまり立ちをする赤ちゃんのよう。
中には、何かに前足をかけなくても2本足で立てる犬もいます。
犬が2本足立ちするときは、高いところにあるものを見たい場合もありますが、「こっちを見て~」と、自分に注目してほしい気持ちであることが多いようです。
そして、2本足立ちしたときに注目してもらえたりほめられたりすると、同じ行動を繰り返すようになります。
愛犬の足腰への負担を考え、2本足立ちを習慣化したくないのならば、2本足立ちしたときに声をかけたり、かまったりしないようにしましょう。
③前足を片方だけ上げるときの気持ち
愛犬が前足の片方だけを上げているのを見たことはありませんか?
オスワリをしていれば、招き猫ならぬ「招き犬」状態でかわいいですよね。
前足を片方だけ上げるのもカーミング・シグナルで、興奮や緊張によるドキドキを静めようとしている、あるいは犬や人に対して、「自分に敵対心はありません」という気持ちを示しているときのしぐさです。
④足で土を飛ばすときの気持ち
オス犬に多く見られるのですが、おしっこやうんちをしたあとに、足で土を飛ばす犬がいます。
一見、排泄した箇所に土をかけて隠しているように見えますが、よく見ると排泄物に土がかかっていない場合があります。
じつはこの行動はマーキングの一種で、「自分のにおいを広げたい」という気持ちで土を飛ばしています。
どのようににおいを広げるのかというと、足で土を後方に蹴って飛ばすときに、肉球にあるエクリン腺という汗腺の分泌物や、指の間の皮脂腺から出る分泌物を土にしみ込ませ、においを拡散させています。
足で土を飛ばすと、においだけではなく爪の跡も残るため、視覚的にも自分の存在をアピールすることができます。
⑤前足を膝に乗せるときの気持ち
飼い主さんが座っていると、愛犬が膝の上に前足を乗せてくることがあります。
犬がこのしぐさをするのは、「自分の方が飼い主より優位だと思っているから」と言われることもありますが、これは「構って」「遊んで」といった犬のおねだりアピールです。
無条件にこれに応じていると、「前足を膝に乗せれば言うことを聞いてもらえる」と犬が覚えてしまうことがあります。
愛犬が前足を乗せて「構って」とおねだりしてきたときは、「オスワリ」などの指示を出し、それに従えたごほうびとして、構うようにしましょう。
⑥前足を突っ張って動かないときの気持ち
散歩の途中で愛犬が前足を突っ張って、動かなくなってしまったという経験がある飼い主さんは少なくないと思います。
前足を突っ張って動かないのは、「そっちに行きたくない」という意思表示かもしれません。
飼い主さんが進もうとしている道で、過去に嫌な経験をしている、工事の音や向こうからやってくる犬が怖いなどの理由が考えられます。
愛犬が前足を突っ張って動かなくなってしまったとき、無理やり引っ張って歩かせるのはNGです。愛犬が動くのを気長に待つか、散歩コースを変えてあげましょう。
また、体調が悪かったり疲れてしまったりして動かなくなることもあるので、つらそうだったら散歩を切り上げましょう。
まとめ
ふだんあまり愛犬の足の動きを気にすることはないかもしれませんが、緊張している気持ちや注目してほしい気持ち、おねだりしたい気持ちなど、足の動きから分かる犬の気持ちは意外とたくさんあります。
ぜひ足の動きにも注目して、愛犬の気持ちを読み取ってあげてくださいね。