1.下痢
人間同様、わんこも下痢をすることがありますが、その原因の多くは食べ物の消化不良や食べ過ぎなことが多いので、下痢以外に目立った症状がない場合には、大きな心配は必要ないことも多いです。
辛そうであれば1日程度絶食させたり、消化の良いフードを与えたりすることですぐに治ります。ただし、以下の場合には注意が必要です。
嘔吐を伴う、数日間続く
下痢だけでなく嘔吐も伴ったり、下痢の状態が数日間つづいたりする場合には、重大な感染症や大きな病気が隠れている恐れがあります。
食中毒やパルボウイルス、コロナウイルス、伝染性肝炎などや大きな病気の一つの症状として下痢という症状があらわれてくることがあります。
これらの感染症や病気は自然治癒は見込めず、放置しておくと命にも関わるので、早急に動物病院を受診しましょう。
2.便秘
反対にうんちが出ないという場合でも、2〜3日であれば大きな問題はありません。
人間が便秘になるのと同じ症状なので、ドライフードをウェットフードに変えたり、水分をいつもより多くとらせる工夫をしたり、繊維質の多い食事にかえてみたり、運動量を増やすなどして様子を見てあげてください。
ただし、以下の場合には注意しましょう。
3日以上全くでない場合
3日以上一切排便がなく、わんこもお腹が張って苦しそうという場合には、動物病院の受診をおすすめします。
飼い主さんの気づかない間に誤飲や誤食、消化管の腫瘍などが原因で腸閉塞を起こしている可能性や、前立腺肥大、会陰ヘルニア、椎間板ヘルニアなどの疾患によって、排便ができなくなっている可能性があるからです。
食欲がない場合
食べていなければうんちが出ないのは当然なので、それだけであれば問題はありません。
ですが、食欲がないということは、何かの病気が原因となっている可能性があります。
いつもより食事の量が減っていると感じた際には勝手な判断をせず動物病院に相談しましょう。
3.細いうんち、平たいうんち
うんちが細い場合や、平たい場合には、腸管が何らかの原因によって圧迫されており、正常な形のうんちが作れなくなってしまっている可能性があります。
代表的な原因としては、前立腺肥大が考えられます。
肥大が進行すると、腸管を圧迫してしまいうんちを出すことすらできなくなって、先にご紹介した便秘の状態におちいります。
また、直腸内に腫瘍ができている場合にも、同様の症状が考えられます。
おかしな形のうんちが続く場合には、これらの可能性を疑ってみてください。
4.うんちの中に虫がいる
うんちの中に虫がいるのが肉眼で確認できた場合には、寄生虫感染を起こしています。
すぐに動物病院を受診しましょう。
肉眼で確認できる代表的な寄生虫としては、回虫、鉤虫、鞭虫、条虫などがあります。
他にも寄生虫には様々な種類がありますが、肉眼では確認できないものも多く、その場合には下痢などの症状が現れます。
5.色がおかしい
うんちの色も重要な健康チェック要素です。
もちろん、直前に食べたものなどにも影響されますので、過敏になりすぎる必要はありませんが、以下の場合には注意が必要です。
血便
血便にも2種類あり、うんちの中全体に血が混じっている場合と、うんちの表面にだけ血が付いている場合があります。
前者の場合には、消化器官内でなにかしら出血を起こしている可能性が考えられます。
また、後者の場合には、肛門やその付近で出血が起こっている可能性があります。
いずれにしても、疾患の可能性が高いので、速やかに動物病院を受診しましょう。
黒いうんち
ドロッとしたタール状の黒いうんちや、チョコレート色のうんちが出た場合にも、消化器官内での出血が疑われます。
これは、そもそもは赤い色をしていた血液が、便と一緒に排出されるまでの間に黒く変色しているためで、血便の一種ともいえるからです。上部消化管と言われるうえの部分の消化管に病変が合った時にみられます。
特にタール状のうんちは出血量が多い重篤な病が関連していることが考えられ、危険です。
すぐに動物病院を受診することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
わんこは体調が悪くても言葉で訴えることはできず、また、態度に現れるのも症状がかなり進んでからになりがちです。
そんなわんこの体調チェックに重要な意味を果たすのが、うんちです。
愛犬の普段のうんちの回数や形状をしっかり覚えておいて、おかしいなと思うことがあれば、動物病院で糞便検査をしてもらうことをおすすめします。