犬と暮らすということ
それまで人のみで構成されていた家族に犬を迎え入れると、それまでの生活が大きく変化します。散歩をしたり、食事を用意したり、ワクチンなどの健康管理を行ったり、しつけをしたりといった労力が発生しますし、動物病院代や食餌代、シャンプーなどの美容代、トイレなどの衛生用品代などの出費も大きくなっていきます。
かわいいからと一時の衝動で飼い始めてしまった場合、労力や出費がかかることにびっくりして、「やーめた」と投げ出したくなることもあるかもしれません。
しかし一度飼った犬を容易に放り出すことはあってはいけません。
そのため、犬を迎えようと考えた際は、自分の生活環境が大きく変わるということをしっかりと考慮なければならないのです。
そしてせっかく家族に迎え入れるわけですから、一緒に過ごす生活を楽しいもの、有意義なものにするためにも、「犬」という動物、そして迎える犬の個性にちゃんと向き合っていくことが大切ですね。
犬と向き合うということ
犬という動物、そしてその個性に向き合うということはいったいどういうことでしょう。
それは人に対するときと同様、相手を尊重し適切な対応をしようと心がけることだと思います。
ただし、相手が「犬」であるために、人間同士のように言葉で伝え合うことができません。
そのため、犬の生態と性格をよく観察して理解し、人との生活ルールをどうやったら伝えられるかよく考えていく必要があります。
犬は犬であると理解しよう
イヌという動物は、いくら生活を共にしたとしても決してヒトにはなりません。
食性も違いますし、行動の原理も違います。
犬は犬、人は人という点、まずそこをしっかり区別しましょう。
犬の行動をよく観察しよう
飼い主は犬の行動をよく観察しましょう。
犬は絶えずボディランゲージや表情で、自分の意志を伝えようとしています。
また犬たちの行動には、必ず何かの理由があります。
ワンと一声吠えるのも、何かを要求するためだったり、警戒を知らせるためだったりするのです。ひとくくりに「無駄吠え」といえないこともあります。
頭ごなしに怒ったりせず、どういう理由で吠えているのかをよく観察しましょう。
吠える理由が分かると、あらかじめ対策をたてることができますね。
他の問題行動と呼ばれるものに対しても同様です。
その行動を起こす理由を、観察したり考えたりすることは、犬と向き合うために最も大切なのではないでしょうか。
犬の健康を管理しよう
犬たちは人とは違う食性です。
昔は人間の食事の残り物などを与えられていたこともありましたが、現在では主にペットフード(ドッグフード)の食事を与えて、健康管理をしている人が多いのではないでしょうか。
大抵の場合は、良質なフードを適切に与えていれば大きく体調が崩れることはないと思います。
また、体質によっては手作りフードなどを利用すると調子がいい場合もありますね。
いずれにしても、犬たちの体調をよく見て適切な量と良いバランスの成分を与えることが重要です。
また、定期的に動物病院で健康診断を行うことも大切です。
毎日ブラッシングをしたり、全身をくまなく触ってあげたりすることで、皮膚や被毛の状態をチェックすることもできますし、太ったか痩せたかなども確認できるとよいでしょう。
犬は言葉で体調の変化を伝えることができません。
痛みにも強く、具合が悪いことを表情や鳴き声で表すほどになると、すでに重症化していることもあるので、毎日のチェックが非常に大切なんですね。
終生飼養をしよう
犬の寿命は10年以上です。
一度飼い始めたら、その一生に責任をもって向き合わなければいけません。
社会生活ができるようにしつけもしなければいけませんし、健康管理も必要です。
老犬になれば介護も生じます。
飼いたいなと思ったとき、自分の生活を考えて10年~15年の間は飼育できる環境なのかをよく考えてみてくださいね。
まとめ
「犬と向き合う」といっても、難しいことではないのかもしれません。
犬のことをよく考えて、よく観察し、一緒によりよい生活をしていこうと考えていくこと。
これらは愛犬家の皆さんがすでに日々行っていることなんですね。