愛犬からのSOSサインを見逃していませんか?
犬はストレスを感じている時、飼い主さんにSOSサインを出して助けを求めることがあります。そのサインを見逃してしまうと犬のストレスがたまり続け、場合によっては嘔吐や下痢、血尿などを引き起こすことも。
そんなことにならないように、愛犬からのSOSサインにいち早く気づいてあげられる飼い主になりましょう。そのためにはまず、犬がストレスを感じて助けを求めている時にどのようなSOSサインを出すのかを知っておく必要があります。そこで今回は、犬が飼い主に助けを求めている時のSOSサインを6つご紹介します。
SOSサイン①あくびをする
愛犬がたっぷり寝た後なのにもかかわらず、やたらあくびをしている場合は、何かストレスを感じているのかもしれません。
犬も人と同じように眠い時にあくびをしますが、あくびはカーミング・シグナルのひとつでもあります。カーミングシグナルとは、相手や自分の気持ちを落ち着かせるためのしぐさや行動のこと。
例えば、飼い主さんに叱られる、知らない人に抱っこされるなど、緊張や不安、ストレスを感じた時に、相手や自分の気持ちを落ち着かせるためにあくびをすることがあります。叱っている時に愛犬があくびをしたら、叱り過ぎに注意です。
SOSサイン②体をかく
犬はかゆみを感じた時に後ろ足を使って体をかきますが、ストレスを感じていることもあります。体をかくのもあくびと同様に、カーミング・シグナルです。
もしトレーニング中に体をかく時は、難しくて混乱していたり、もうやりたくなかったりと、ストレスを感じている可能性があります。トレーニングのやり方を変えたり、一息入れたりするといいでしょう。
あまりにも頻繁に体をかく場合は皮膚疾患などが疑われますので、受診をおすすめします。
SOSサイン③体が硬直する
あまりにも緊張して、体がカチカチに固まってしまった経験はありませんか?犬も緊張やストレスを感じた時に、体が硬直して動けなくなってしまうことがあります。これは、極度の緊張やストレスによって交感神経が強く働き、アドレナリンが放出されて全身の筋肉が硬直してしまうからです。
愛犬がこのSOSサインを見せた時は、その場から立ち去るか、それが難しい場合は様子を見ながらやさしく声をかけてあげるなどして、愛犬の緊張やストレスを軽減してあげましょう。
SOSサイン④肉球に汗をかく
人は緊張すると、手のひらや足の裏などに汗をかきます。この汗は、体温を調節する時に出るのとは別の汗で、交感神経の作用によるものです。同様に犬も肉球に汗をかきます。足が濡れるような場所を歩いたわけでもないのに、床に愛犬の足跡がついている場合は、緊張やストレスを感じているのかもしれません。
しかし、体温調節のために肉球に汗をかくこともあります。もしパンティング(舌を出し、浅く速く呼吸すること)をしているのなら、体温調節のための発汗である可能性が高いです。
SOSサイン⑤しっぽを追いかける
犬は本能的に動くものに反応するため、自分がくるくる回ると逃げるように動くしっぽを追いかけてしまうことがあります。暇つぶしでしっぽを追いかけることもありますが、ストレスからくる行動ともいわれています。
暇つぶしをするということは、それだけ退屈でエネルギーが余っているとも考えられます。エネルギーが余っているにしろストレスがあるにしろ、散歩や遊びの時間を増やしてエネルギーやストレスを発散させてあげることで、しっぽを追いかける行動を減らすことができるかもしれません。
飼い主さんが制止してもしっぽを追い続けたり、しっぽを噛んで傷つけたりする場合は要注意です。常同障害という心の病気に発展している可能性があるので、獣医師に相談を。
SOSサイン⑥前足をなめる
食後や寝る前の習慣として前足をペロペロなめる犬もいますが、しっぽを追いかけるのと同じく暇つぶしやストレスでなめることもあります。ストレスのもとを取り除いてあげないと、なめ続けて炎症を起こしてしまうことも。
しつこく前足をなめ続ける場合は、傷がある、皮膚疾患がある、常同障害に発展しているといったことが考えられます。獣医師に相談しましょう。
まとめ
犬がストレスを感じて助けを求めている時に出すSOSサインはたくさんありますが、今回はその中から6つをご紹介しました。普段から愛犬をよく観察して、愛犬からのSOSサインを見逃さないようにしましょう。そしてSOSサインに気づいたら、ストレスを軽減するように対処してあげましょう。
犬にも個性があるので、ストレスに感じることはそれぞれ違いますが、愛犬がどんなことに緊張や不安を感じやすいのかを把握しておくと、ストレス軽減につなげることができます。また、苦手なものは遠ざけず、愛犬の様子を見ながらゆっくり慣れさせて、ストレスに感じるものを減らしてあげることも大切です。