スキンシップで愛犬の健康チェック
スキンシップはその名の通り肌や体の一部を触れ合わせることで親密感や一体感を感じ、それを共有する行為のこと。犬と飼い主のスキンシップで最も多く行われるのが、飼い主が手で犬の頭や体をなでるという行為だと思います。人の手は力加減を細かく変えることができたり、何かを感知したりする能力に優れているため、そのやり方次第でさまざまなスキンシップを取ることができます。
飼い主が手で頭や体をなでるのは純粋に愛おしいという気持ちでなでているだけのことも多いと思いますが、なでることで犬の毛や皮膚など体の異変や変化に気がつくこともできるのです。毎日なでているからこそ、毛質の変化や抜け毛量の増減、皮膚の腫れや触れたときの犬の反応(痛がる・嫌がるなど)などちょっとした変化にも気がつくことができるのでスキンシップは飼い主だからこそできる優れた健康チェック方法とも言えるでしょう。
犬とのスキンシップは心のコミュニケーション
犬と飼い主のスキンシップの中でも、特になでるスキンシップは犬の体に変化や異常がないかを確認する健康管理のひとつとして役立てることができます。しかし、そうした実用的な役割だけでなく、犬と飼い主のスキンシップは精神的な安定やストレス・不安の軽減などにも非常に効果的です。
犬は飼い主など信頼している人になでられることでオキシトシンというホルモンの分泌が脳内で促されると考えられています。オキシトシンは通称“幸福ホルモン”などとも呼ばれ、分泌されると幸せな気持ちになったり、ストレスや不安が解消される効果をもたらすホルモンだと言われています。そのため、犬が飼い主になでられるととても幸せな気持ちで満たされ、感じたさみしさや不安、恐怖などが薄れストレスが軽減されるのです。ストレスの軽減は犬の健康や寿命にも大きく影響します。適切な食事と運動の他、ストレスの少ない生活というのは犬が長生きするための秘訣であると考えられています。
過度なスキンシップはストレスになることも
犬は飼い主になでられることで幸せな気持ちになりストレスが軽減されると考えられていますが、スキンシップの方法次第ではスキンシップそのものが犬のストレスになってしまうこともあるので注意しましょう。
犬が寝ていたりひとりでゆっくりしたいと思っているのに、飼い主の気分やタイミングだけで強引になでたり抱きしめたりするスキンシップは犬にとって迷惑な行為になってしまうことも。スキンシップを取るときはただなでたり抱きしめたりすればいいというのではなく、犬の反応をしっかりと確認しながら行うことが大切だと思います。抱き上げようとすると逃げたり、触ろうとすると手を避けようとするなどの仕草が見られたら「今はスキンシップを取る気分ではない」という意思の現れかもしれません。また、性格的になでられること自体があまり好きではない犬もいます。一方的なスキンシップになってしまわないようにしっかり相手の気持ちを考えたコミュニケーションを取れるように心がけましょう。
犬のスキンシップと寿命に関するまとめ
犬と飼い主のスキンシップは、命を守るための大切な健康チェックにもなりますし、不安やストレスを軽減して精神面を安定させる“心の栄養”にもなるものです。毎日のスキンシップは長時間する必要もなく、道具や高度なテクニックも必要ありません。スキンシップをするために必要なものは飼い主の愛情だけ。愛犬の反応をしっかりと確かめながら心を込めたスキンシップを取り、健康や心のバランスをしっかりと守ってあげましょう。