うちの犬は大丈夫?犬の肥満度チェック
日本全国にある動物病院1,198院から集められたデータによると、飼育されている犬の54.9%、つまり半数以上が、「太り気味」又は「肥満」にあるということが分かっています。
この数字はアメリカやオーストラリアなどよりも高く、世界的に見ても高い数値となっています。その要因には、加齢や不妊手術などが影響していると考えられていますが、日本では「ぽっちゃりしている方がかわいい」という考えがあったり、室内飼育で好きなだけオヤツを与えてしまったり「小型犬は散歩が要らない」という間違った認識から、運動不足になってしまったりしていることが大きな原因と考えられます。
犬の肥満度は外見から体型を判定する「ボディコンディショニングスコア(BCS)」が、基本的な指標とされます。
BCS1「やせすぎ」、BCS2「体重不足」、BCS3「理想体重」、BCS4「体重過剰」、BCS5「肥満」の5段階に分かれています。
理想的な体型となるBSC3は、わずかな皮下脂肪が全体についており、肋骨や背骨などの骨格の隆起に手で触れることができる状態。
上から見たとき、腰に適度なくびれが見てとれます。
犬の過激なダイエットによる危険性
肥満は人間同様犬にとっても様々な悪影響を及ぼすため、適切な体型維持・体重管理が必要だとされています。
日本の犬は肥満傾向にあることから、ダイエットについても注目を集めていますが、過度な食事制限や激しい運動などによる、過剰なダイエットは禁物です。
食事の量を急激に減らして体重を落とそうとする飼い主さんもいますが、食事制限によるダイエットは、十分気をつけなければなりません。
食事量を減らすということは、その分栄養の摂取量も減ることにもなるため、体調不良を招く恐れがあります。
また、十分なカロリーを摂取していない状態で、さらにダイエットのために激しい運動をさせることも危険です。
また、運動によるダイエットを行うためにたくさん走らせようとして、自転車と併走させる人などもいますが、肥満傾向にある犬が急に激しい運動を行うと、足腰に負担がかかり、腰痛や関節痛などの原因になり、最悪の場合骨折やヘルニアなどになってしまうこともあるので注意しましょう。
適切な犬のダイエット方法・ペースとは?
犬にとって肥満は心臓や呼吸器などに負担をかけてしまったり、糖尿病や腰痛、関節炎など体に様々な影響を与えたりするため、ダイエットを行うよう動物病院から指示がある場合もあるでしょう。「ダイエットしなくちゃ!」と思っても、実際どうやってダイエットをさせたらいいかわからないという飼い主さんもいるでしょう。
そんなときは体重管理のために動物病院に通い、指導を受けることがおすすめです。
リバウンドしない適切なダイエットをするためには、まず現在の体重から理想的な体重へと減らすためには、どれくらいの期間がかかるかという目安を知ることが大切です。
やみくもに食事制限や運動を行って、体調不良を招いてしまわないように、目安となる期間の中で適切なダイエットを行えるように、スモールステップを踏んでいくことが大切なポイントとなります。
また、気をつけなくてはいけないのが犬の体重に対して、減らすべき体重がどれくらいの比率になるかということを考える必要があるということです。
私たち人間が1kg体重を減らすのは簡単でも、体重が3kgしかないチワワが1kg体重を減らすのは無理な話。人間の感覚で考えると、過激なダイエットになりがちなので十分に注意しましょう。
犬のダイエットに関するまとめ
私たち人間でも同様ですが、短期間での過激なダイエットは体調を崩す原因になり、リバウンドしやすいので決しておすすめできるものではありません。
犬の肥満の原因には、オヤツのあげすぎや運動不足などが考えられるため、間食を減らして適切な食事量を保ち、十分な運動をすることが大切。
そうした当たり前とも言えるような生活を維持することで、少しずつ体重を落としていくことができ、半年や1年という期間をかけてダイエットを成功させることができるのです。
犬の肥満は病気によるものなどを除き、ほとんどの場合が飼い主の責任です。
だからこそ、安全で適切なダイエットも飼い主が責任を持って行わなければなりません。
大切な愛犬の健康を守るために、理想的な体型・体重維持を心掛けていきましょう。