犬の叱り方
「怒る」と「叱る」は違う
いけないことをした犬に対して、これはいけないことだよと叱り、正しいことを教えてあげるのが正しいしつけです。
飼い主さんがイライラして犬に対して厳しくあたるのは「叱る」ではなく「怒る」になってしまいます。
怒りという感情を犬にぶつけても何も変わりません。それどころか逆効果になることも多く、全く意味がないのです。
大切にしているものが壊されてしまったり、疲れているところに粗相をしてしまったりしていたらイライラするのもわかりますが、冷静に対応するように心がけてください。
犬は飼い主さんの心の動きに敏感です。
怒られるとただ怖い、不安という感情だけが残り、しつけには役に立ちません。
無視で叱る方法
犬が興奮しているときの最も効果的な叱り方は「無視をすること」です。
イタズラをしたり、人が嫌がる行動をするときは、構ってほしいという気持ちの表れであることが多く飼い主さんが大きく反応してしまうと「イタズラをしたら構ってくれる」と間違った認識をしてしまいます。
大きな声でしかったりすると逆効果なので、冷静に淡々と反応しましょう。
ポイントとしては目を合わせない、声をかけない、触らない、どいてほしいときは黙って押す、家族全員が態度を統一して無視をする、といったものです。
大体15分〜30分ぐらいは無視してください。
もういいかなと思ったら犬に「おすわり」や「おて」などのコマンドを出してみてください。言うことを聞くようであれば無視するのは終わりです。
無視をするのもあまり長いと犬のストレスになってしまうので、様子を見つつ長くても30分程度にしておきましょう。
言葉で叱る方法
飼い主さんが感情的にならないのであれば言葉で叱るのも有効です。
しかし長い言葉で叱っても犬にはわかりません。また高い声で叱るのは「飼い主さんが喜んでいる」と勘違いしてしまうのでやめておきましょう。
犬に伝わりやすいように「短い言葉で叱る」「少し大きめの低い声を出す」というところがポイントです。
叱るときには立って犬を見下ろしてください。
尻尾が股の下に入ったり垂れたり、耳が後ろを向いたり、目を合わせようとしなかったりしたら犬が自分が叱られていることを理解している証拠です。
このとき絶対に叩いたり、叩くフリをするのはやめましょう。
叱るべきタイミング
犬を叱るタイミングは「悪いことをした直後」です。すぐに叱るようにしてください。
あまり時間をあけてしまうとなんで叱られたのかわからず、ただただ飼い主さんへの不信感だけが募ってしまいます。
また逃げ出してしまったりして、名前を呼んでもどってきた場合にはすぐに叱るのではなく戻ってきたときだけでも褒めてあげてください。
名前を呼ばれて叱られると飼い主さんの呼びかけにこたえなくなってしまいます。
いっぱい褒めよう!
叱るよりも褒めるほうが効果的
犬に行動を教えるときには叱るよりも褒めるほうが効果的だと言われています。
叱るとある行動を止めることはできますが、他の行動はOKだと教えることはできません。
例えば椅子の脚をかじるのをとめることはできても、代わりにおもちゃをかじるのがOKだということは教えられません。
褒めることで「これはしていいんだ」と覚えることができます。
そのためご飯前に待てができなくて叱るよりも、待てができたときに褒めたほうが犬も理解しやすいのです。
もちろん全く叱らなくても良いわけではありません。噛んだりしたときにはすぐに叱る必要があります。
ただ悪い行動はすぐにわかるのですが、良い行動は気づきにくいので犬をよく観察して良い行動を褒めてあげてください。
褒めるタイミングが重要
褒めるタイミングも叱るタイミングと同じくらい重要です。
褒めるタイミングは「良いことをした直後」です。犬は時間が経ってしまうと何を褒められているのかわからなくなります。
良いことをした直後に褒めると、良いことと褒められることがつながるため早く覚えるようになります。
犬も褒められるのは嬉しいので何度か褒められると「次もこれをしたら褒められるかも」と同じ行動をとるようになります。
犬を良い子にしたいなら、なるべく犬の良い行動をみつけてその行動の直後に褒めてあげられるようにしましょう。
良い子になる近道になります。
まとめ
犬を叱るのにはタイミングが重要です。
叱るタイミングは「悪いことをした直後」です。
犬は叱られた直前のことを「してはいけないこと」と学習するため、時間が経ってから叱ると何を叱られているのかわからなくなり、不信感だけが強くなります。
もし悪いことをした直後に叱れなかったら叱るのはやめておきましょう。
また実は叱るよりも褒めるほうがしつけはしやすいと言われています。褒める場合も叱る場合と同じく、行動をした直後に褒めることが大切です。
褒められると犬もやる気になるためはやく覚えるのです。
愛犬の悪いところだけではなく、良いところに気づき伸ばしていけるようにしましょう。