犬のわがままとは
「犬のわがまま」とは、いったいどんなことでしょうか。
犬にとっては自然な行動であったとしても、人間と一緒に生活する上で自由気ままに勝手な行動をされては困ります。
そのため、私たち人間は犬にとって人がリーダーであることを教え、指示に従うようにトレーニングをする必要があるのです。
しかし、性格を形成する子犬の時期に、適切な社会化トレーニングを行われなかったり、飼い主の知識不足のためしつけが十分に行われなかったりした場合、犬たちは強い不安を覚えたり、自身がリーダーとして振る舞おうとしたりします。
これが人間にとっては、「犬のわがまま」としてとらえられる行動につながります。
犬のわがまま行動
具体的な犬のわがまま行動でよく見られるのが、「牙をむく」「噛む」「吠える」「身体を触らせない」「指示に従わない」といったことでしょうか。
犬は順位を大切にする動物ですから、これらの行動が出ているときは飼い主をリーダーとして認めていない状況といえます。
また、自分のいうことを聞かせようと、飼い主に嫌がらせ(ものを隠す、壊す)や、食事をたべないなどの行動を起こす犬もいます。
わがままになる理由
犬がわがままになる理由は様々上げられますが、犬の性格と思ってはいませんか?
違います。
犬がわがままになってしまう理由は、ずばり飼い主にあるのです。
子犬に甘すぎませんか?
犬を飼う場合、大抵の場合は子犬を引き取るでしょう。
または、好みのかわいい犬を引き取ると思われます。
引き取ったばかりの子犬はまだあどけなく、愛らしいだけの存在です。
幼い動物だからといって、ついつい高いトーンの声で赤ちゃんに声をかけるように話しかけたり、ちょっとしたいたずらを、ほほえましく見守ったりしていませんでしたか?
鳴かれるたび構っていませんか?
犬はとても頭がよく、観察することで学習をしていく動物です。
そのため、自分の行動と飼い主の反応を結び付けて覚えていきます。
例えば、引き取った直後の夜泣きをしたりしているときなど、かわいそうに思って鳴かれるたびに声をかけたりしていませんでしたか?
犬にとっては何でもいいから呼べば人が来る、と学習することになります。
いたずらに対して高いトーンの声で注意をしていませんか?
また、ちょっとしたいたずらに対して高いトーンの声で「だめよー」という注意をしたりしていませんか?子犬にとって、人間の言葉は理解できていません。
高い声を聞くと子犬のテンションは上がるので、「これをしたら人間がはしゃいだ」と学習したり、褒められたと間違った解釈をしたりして、いたずら行動が助長されることがあるのです。
このように犬の要求に簡単に答えたり、いたずらやわがままを容認したりしている飼い主と学習されると、犬は飼い主を格下と認識し、リーダーに立とうとします。
その結果、自分より下位である飼い主のいうことを全く聞かない「わがまま犬」が出来上がってしまうのです。
わがまま犬の性格は直る?
結論から言えば直ります。
犬のわがままの原因は飼い主の側にあります。
先述のとおり、飼い主がリーダーとして適切な行動をとらないことで、犬が不安になったり順位の入替えを目論んだりすることで起こるトラブルです。
一度こうなってしまった場合、状況の改善には根気と努力が必要です。
しかし、飼い主が一緒になってトレーニングをやり直すことで、犬との関係性を改善し「リーダーであると認めさせていく」ことが可能なのです。
飼い主をリーダーとして認めさせる方法
飼い主をリーダーとして認めさせる際に利用するのが「リーダーコントロール」という方法です。生活する上でどんな場面においても、飼い主がリーダーとして行動し犬に決定権を与えないしつけ法になります。
一番よくつかわれるのが、「食事の際の待て→ヨシ」でしょう。
「食べる」という行動をリーダーの許可で行わせるしつけです。
三大欲求の一つでおそらく犬にとって一番強い欲求の「食欲」に絡めた方法なので、犬も効果的に学習します。
その他にも散歩のコースを犬に決めさせない(歩くスピードや道順など)や、おもちゃで遊ぶタイミングの決定(遊びの始まりや終わりを犬に決めさせない)なども効果的です。
無視をする
また、わがままな行動をとったときに「無視をする」のもよいでしょう。
実は注意をしたり叱ったりする声かけというのは、タイミングや声の強さなどの調節が非常に難しいのです。
悪いことをしたその瞬間にぴしゃりと叱ったり、あるいは悪いことをしそうになるその瞬間にタイミングよく意識を別のものに向けさせたりといったトレーニングもありますが、ちょっとでも声かけがずれると学習効果が薄れてしまいます。
その点「無視」というのは、元来「かまってちゃん」な犬達にとっては「あれをしたから構ってもらえなかった」という効果的な「罰」として認識されやすいのです。
まとめ
犬たちのわがまま行動が出ているときは、とにもかくにも飼い主のリーダーシップが問われている状態であると考えましょう。
一度わがままになると、治すのにも根気と時間が必要なことから、子犬のうちから適切なしつけをしていきましょうね。