迷子の犬を自宅で一時保護する際の注意点と心得
迷子の犬を発見したとき、その場ではどうしたら良いのかとアタフタしてしまうかもしれません。自宅で一時的に保護しても良いのか、保護するためにはどうしたら良いのか、どこへ連絡をすれば良いのかなど迷ってしまうでしょう。
迷子の犬を発見し、自宅で一時的に保護してあげたいと考えたときの注意点や、心得についてご紹介します。
注意点と心得①「迷子の犬に安易に近づかないこと」
迷子の犬を発見したとき、保護してあげたいという気持ちはとてもよくわかります。
しかし、安易に近づいてはいけません。
飼い主さんとはぐれてしまった不安や、知らない場所への恐怖からパニックになってしまう犬がいます。
知らない人が安易に近づくと、飛びかかったり噛みついたりなど、危害を加えてしまうことがあります。決して安易に近づくことなく、声をかけながら犬の様子を見守りましょう。
注意点と心得②「鑑札や迷子札を確認する」
保護することができ、自宅へ連れて帰った後は、首輪やハーネスに鑑札や迷子札が付いていないかを確認しましょう。
首輪やハーネスの内側に飼い主さんの連絡先が書かれていることもありますので、取り外して内側まで確認すると良いです。
鑑札は登録番号によって飼い主さんを特定することができます。
鑑札がある場合には、保健所に連絡をしましょう。
迷子札や鑑札などから飼い主さんの連絡がわかった場合は、すぐに飼い主さんに連絡をしましょう。
注意点と心得③「役所・警察署・保健所に連絡をする」
鑑札や迷子札がなく、飼い主さんを特定することができない場合には、役所・警察署・保健所に連絡をします。
役所・警察署・保健所には、迷子に気づいた飼い主さんからの連絡が入っているかもしれません。特に、警察署への連絡は重要です。
犬は飼い主さんの所有物として取り扱われるため、警察署へ連絡することなく保護をしてしまうと、横領や窃盗とみなされてしまうことがあるからです。
遺失物横領罪や窃盗罪になってしまう可能性もあるため、警察署への連絡を忘れないようにしましょう。
役所・警察署・保健所へ連絡をするとき、「飼い主さんが見つかるまで、自宅で一時的に保護します」ということを必ず伝えましょう。
SNSを使って飼い主さんを探す
役所・警察署・保健所への連絡はもちろんなのですが、最近ではSNSを使って飼い主さんを探すという方法が多く利用されています。
地域別の迷子犬専用の掲示板などもあります。
飼い主さんがSNSで呼びかけていることもあります。
注意点と心得④「病院で健康診断を受けさせましょう」
飼い主さんが見つかるまでの間、迷子の犬を保護するのであれば、犬の健康状態を管理してあげなければなりません。
迷子になってすぐに保護されたのであれば感染症などの心配はないとは思いますが、ケガを負っている可能性もあります。
食事も与えなければならないため、獣医さんに相談し、適切なフードを選んでもらいましょう。
治療費の請求
健康診断にかかった費用、治療費やお世話代などは飼い主さんに請求することができます。
事故で大ケガを負い、高額な治療費が必要になることもあるでしょう。
注意点と心得⑤「一時的に保護した後、どうするのか?を考える」
自宅で一時的に保護するということなのですが、「一時的」というのがどれくらいの期間なのか、その後をどうするのか、ということも考えなければなりません。
飼い主さんが見つかるまで自宅で一時的に保護してあげようと考える人のほとんどは、「すぐに飼い主さんが見つかる」ということを前提としています。
その「一時的」は、数時間や数日であるという考えなのです。
今夜だけ自宅で一時的に保護してあげよう、という考えならば、明日は役所・警察署・保健所などに連れて行くでしょう。
役所・警察署・保健所でも保護してもらうことはできますが、それもまた一時的です。
数日程度でしょう。数日経っても飼い主さんがあらわれなければ殺処分されてしまいます。
私が迷子の犬を保護したときの体験談と心得
私の愛犬の男の子は元保護犬です。
1か月以上放浪している犬がいると聞き、保護しました。保護していた期間は一年です。
一年を過ぎても飼い主さんを見つけることはできませんでした。
私が迷子の犬を保護したとき、「この子を飼う覚悟はできるか」ということを一番に考えました。捨て犬である可能性が高かったこともあるのですが、保護するのであれば最後までお世話をするというのが私の中の決まり事だからです。
「最後まで」というのが、「飼い主さんに引き渡すまで」になると良いのですが、飼い主さんが見つからなければ自分で飼うというのが、私が犬を保護するときのルールなのです。
私が手放せば、殺処分されてしまうかもしれないからです。
まとめ
迷子の犬を自宅で一時的に保護するということは、そう簡単で安易なことではありません。
迷子ではなく、飼育を放棄されてしまった犬である可能性もあります。
自宅で一時的に保護した犬が、必ずしも飼い主さんの元へ帰れるとは限らないのです。